連載

AIとMicrosoftとWindowsの関係をBuild 2023の発表で理解するWindowsフロントライン(3/3 ページ)

米Microsoftが開発者向けイベント「Microsoft Build 2023」を行った。その内容を整理し、今後のWindowsの方向性を見ていこう。

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Windowsの機能強化とAI

 冒頭の説明にあるように、Windows自身は5月後半の機能アップデートでMoment 3が適用された状態になっている。アップデート内容は細かいので、詳細は「リリースノート」や、Buildのタイミングで公開されたBlog記事、アップデート後の配信タイミングで更新されたBlog記事を参照いただきたいが、本当に地味に機能改良が進んでいる。

 この初秋のタイミングで「Moment 4」あるいは「23H2」のアップデートがやってくることになるが、実際には毎月後半の機能アップデートで細かく修正が繰り返されており、派手さこそないものの、Windows自体の改良や機能拡張は着実に進んでいる。

 こういったWindowsの基本機能以外の部分での注目は、やはり「AI」だ。今回はWindows Copilotという発表があったが、UIを大きく変革する可能性が一番高い機能拡張であり、自ずと重要な位置付けになる。

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 ただ、現状のMicrosoftの“AI”や“Copilot”はあくまでAzure上にあるLLMをベースとした「クラウドで動作するAI」であり、少し前までスマートフォンを中心にモバイルデバイスで発展していた“AI”とはその点が異なる。

 学習済みモデルをいかに小型フォームファクターのデバイスへと展開し、リアルタイムで音声認識や画像認識を行わせるかという試みが中心だったAIが、OpenAIの技術が主流となることで特定のクラウド上で動作するサービスへの接続に誘導される状況が生まれている。このように、現状のMicrosoftの“AI”はAzure接続が前提となっているが、今後はローカル側の“AI”強化も行われる見込みだ。

 例えば、Build期間中にはONNX RuntimeやOliveについての発表が行われているが、これらAIフォーマットやツールを活用して作成されたモデルを広域展開するための開発プラットフォームとして、Windows PCの利用を促すものとなる。

 作成されたAIモデルはWindowsのみならず、他のデバイスやクラウド上での動作が可能になるため、その取り組みを活発化させようという試みだ。Windows自身はCPUとGPUについてはAI学習などで既に利用が進んでいるが、これを動作させるための「NPU」のような補助プロセッサは現状でまだ利用があまり進んでいない。

 Qualcommが提供するArmプロセッサなどには搭載されているものの、既存のx86ベースのプロセッサでは以前に触れたように、2023年発表が見込まれるIntelのMeteor LakeプロセッサにおいてVPU(Visual Processing Unit)の統合が予定されている。

 このように、WindowsとPC自身もさまざまな側面からAI搭載に向けた機能強化が進んでおり、しばらくはこうした側面からもいろいろ楽しめる話題が出てくるだろう。


Intelの次期プロセッサ「Meteor Lake」(開発コード名)にはVPUが統合される
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