Windows 11に「Moment 2」アップデートがやってきた:Windowsフロントライン(1/2 ページ)
Windows 11のアップデートが断続的に行われていくが、次の新しいサイクルになっていくようだ。今回はその話題と、「Windows 365 Frontline」サービスの概要をまとめた。
Microsoftは2月28日(米国時間)、2021年10月5日の正式リリース以来、Windows 11“初”となる”メジャーアップデート”の提供をWindows UpdateならびにMicrosoft Store経由で提供したことを発表した。
機能面での特徴はいくつかあるが、大きくは昨今話題の「AI検索機能を備えたBing」の機能が、タスクバーの検索窓経由でWindows 11に標準で取り込まれたことにある。また長年の懸念だったiPhoneとの連携を可能にする「Phone Link for iOS」のプレビュー版も提供が行われており、Windows Insider経由での利用が可能だ。
こういう話を聞くと、「あれ? Windows 11のメジャーアップデートって「22H2」じゃなかったの?」という疑問を抱く人がいるかもしれない。Windows 10の時代であれば、おおよそ年に2回やってくる「大型アップデート(機能アップデート)」がこの“メジャーアップデート”に該当するものだった。
だがWindows 11では22H2のような形でOS自体の更新はあるものの、機能追加そのものは不定期にやってくる。以前に「“C”リリース」の話をしたが、Windows 11ではWindows Updateに加え、Microsoft Storeなど合計で4種類のアップデート窓口を介して少しずつ機能更新が行われるようになる。
ただ、実際にはこの機能更新頻度にはばらつきがあり、多い月もあれば少ない月もある。この波が一巡してある程度の機能強化が行われると、次のサイクルに入るようになる。この一連のサイクルは「Moment」などと呼ばれており、Windows Centralのザック・ボーデン氏によれば「年に3〜4回程度」とされている。
なお、今回2月28日に発表された“メジャーアップデート”は「Moment 2」の区切りとなるもので、以降の機能アップデートは「Moment 3」のサイクルに入るとされている。
Moment 2からMoment 3へ
過去にも何度か触れたように、Moment 2のサイクルで提供される機能群は22H2の提供が開始された少し後から配信が行われており、「タブ付きエクスプローラー」はその一部となる。
Moment 2の正式配信前にWindows Insider PreviewのRelease Previewで機能テストが行われているが、タスクバーの改良から標準アプリやツールの機能拡張まで、さまざまなものを含んでいる。
前述ボーデン氏は「Feature Drop」のような表現をしているが、ちょっとした機能拡張がパラパラと降ってくるイメージだ。
一方で、Moment 2に続くアップデートの準備も既に始まっている。Neowinがレポートしているが、本稿執筆時点でまだ正式提供がまだ確認できていない「Build 22624」が発見されたという。同誌によれば、Moment 2の最新アップデート配信に「Build 22623」のビルド番号が使われており、発見された新番号はMoment 3につながるものであると指摘している。
なお、このタイミングでMicrosoftはBeta Channelのユーザーに対して「最新ビルド配信を停止する」という警告ウィンドウを3月8日まで掲出することを報告しており、おそらく3月のこのタイミングでBeta Channelのテスト対象がMoment 3に切り替わる可能性が高いと考えられる。
新機能自体は、Dev Channelでテストされているものが“基本的には”やってくる形になるので、当面はDev ChannelでMoment 3と4、Beta ChannelでMoment 3、Release PreviewでMoment 2の機能テストが行われるようになる。
なおNeowinによれば、Moment 3の提供タイミングは5月ごろのタイミングになるとしている。そこから少し空くが、Moment 4は秋ごろのタイミングで、同時期には「23H2」に該当するアップデート配信が行われるのではないかというのが現在の予想だ。
このようにWindows 11においてしばらくは、年3〜4回の周期で比較的大きなアップデートがやってくるサイクルが回ることになる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 最新EdgeとAIで不死鳥のように復活するMicrosoft
AIモデルを採用した「Microsoft Edge」が注目を集めているが、改めてMicrosoftが目指すEdgeとWindowsの方向性を見ていこう。 - 新しいBingにみるMicrosoftのAI戦略
MicrosoftとOpenAIの話題が飛び交っているが、Microsoftの製品で実際にどのように利用されていくのか。その一例として「Bing」を見ていこう。 - 「ChatGPT」で話題 MicrosoftとOpenAIの関係と目指すものを整理
Microsoftが、OpenAIへ3回目の投資が行われた。両者のつながりと、今後のMicrosoft製品への導入に関する話をまとめてみた。 - 一部組織では利用禁止も! OpenAIの「ChatGPT」のスゴさとMicrosoftの戦略
Microsoftが、OpenAIに対して日本円で約1.3兆円の追加投資を行うことが話題となっている。そのことで再び脚光を浴びているのが、OpenAIのチャットボットサービス「ChatGPT」である。スゴさと課題を検証しつつ、OpenAIに追加投資を行うMicrosoftの狙いについて簡単に解説する。 - 「ChatGPT」とは一味違ってさらに便利! Googleとの違いは? Microsoft Bingの「AI検索」を試して分かったこと
Microsoftが2月7日(米国太平洋時間)、自社の検索エンジンとWebブラウザにOpenAIの「次世代大規模言語モデル」を実装することを発表した。ChatGPTとは何が違うのか、実際に使って検証してみよう。【更新】