Windows 11に「Moment 2」アップデートがやってきた:Windowsフロントライン(2/2 ページ)
Windows 11のアップデートが断続的に行われていくが、次の新しいサイクルになっていくようだ。今回はその話題と、「Windows 365 Frontline」サービスの概要をまとめた。
Windows 365 Frontline
Windowsに関する話題のもう1つは、クラウドデスクトップこと「Windows 365」だ。Directions on Microsoftのメアリー・ジョー・フォリー氏が報告しているが、Microsoftでは現在Microsoft 365 Roadmapのサイト上で「Windows 365 Frontline」なるサービスを2023年6月に提供する予定だとしている。
奇しくも本連載のタイトルと同じ製品名だが、Microsoftが昨今戦略を強化している「フロントラインワーカー」向けのサービスだ。フロントラインワーカーとは現場で作業をする人々で、工場や施設内で作業をしたり、フィールドワークで顧客や現場を回ったりしながら、与えられた業務を遂行していく。
特徴としては、汎用(はんよう)的な作業よりも特定のアプリケーションを操作する時間の方が長い上、場合によってはノートPCやタブレットなど作業環境にも制限がある。Microsoft Teamsによる情報共有や連携機能で業務を支援しつつ、業務アプリケーションをストレスなく利用できる環境が必要だ。
ただ、オフィスでPC操作をメインとする業務に比べるとマシンに要求されるリソースは少なめで、しかも業務によってはフロントラインワーカーの方が比率の高いケースがある。ジョー・フォリー氏もMicrosoftのコメントを引用しているが、世界でこうしたフロントラインワーカーの人口は20億人おり、労働人口のおよそ80%に相当するという。
Windows 365には現在BusinessとEnterpriseの2種類があるが、選択するCPUやメモリ、ストレージ容量によって月額で30ドル前後から100ドル台後半まで幅広い。ただ、フロントラインワーカーに既存のプランをそのまま提供しても人数の多さから価格面での訴求力が弱い可能性があり、おそらく新しい料金“ティア”を設けてくるのではないかと考える。
あるいは、先ほどの図にあるように「同時接続上限数内であればそれ以上の複数のユーザーアカウントを保持できる」ような共有アカウントの仕組みを備えるのかもしれない。また例えばMicrosoft TeamsやMicrosoft 365(主にメールやスケジュール関連の業務ツール)との連携を考慮したバンドルで安価なパッケージを用意するなど、価格面での魅力を前面に出してくるのではないかという予想だ。
PC業界が飽和しつつある中で、フロントラインワーカーの分野は数少ない成長分野の1つであり、Microsoftがあえて専用の製品を用意する背景にはこうした事情があるのだろう。
※記事初出時、Windows 11のリリース年に誤りがありました。おわびして訂正します(2023年3月4日午前9時58分)。
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