最新EdgeとAIで不死鳥のように復活するMicrosoft:Windowsフロントライン(1/2 ページ)
AIモデルを採用した「Microsoft Edge」が注目を集めているが、改めてMicrosoftが目指すEdgeとWindowsの方向性を見ていこう。
「Prometheus」と呼ばれるAIモデルを採用した新しい「Bing」が話題だ。本誌でも多くのレポートやコラムで紹介されているが、ChatGPTライクな対話型検索機能を備えており、検索エンジン自体の情報集約能力に加え、質問を繰り返すことで深掘りが可能な点など、従来の検索エンジンには見られなかった特徴がある。
- 新しいBingにみるMicrosoftのAI戦略
- 「ChatGPT」で話題 MicrosoftとOpenAIの関係と目指すものを整理
- 一部組織では利用禁止も! OpenAIの「ChatGPT」のスゴさとMicrosoftの戦略
- Googleとの違いは? Microsoft Bingの「AI検索」を試して分かったこと
- Microsoftが「OpenAI」に最大100億ドルの投資をするワケ
ある意味で「検索エンジンで遊ぶ」ことが可能なわけだ。ただ、あるレポートによれば、15回以上チャット応答を繰り返すとBingの挙動がおかしくなる不具合が存在するようで、まだまだ改良の余地があるということだろう。
現状で、このBingの新機能を利用するにはウェイティングリストへと登録を行い、かつ「Edge」ブラウザでBingのサービスにアクセスする必要がある。BingはWindowsのみならず、MacやモバイルOS向けにも提供が行われているため、上記の画面のようにプラットフォームを問わず利用が可能だ。
進化するEdge
「ChromiumベースのWindowsデフォルトブラウザ」という枠を出なかったEdgeだが、現状では「Bingサービスを利用するための窓口」としての個性を得るに至った。このEdgeだが、年初から話題になっているのが「Project Phoenix」の存在だ。
最近では伝説のハードウェアとして「フェニックス1号」が蘇って話題になったようだが、このPhoenixの新機能の1つがウィンドウ内のタブ分割機能で、2つのタブの内容を画面に同時に表示できる。
Walking Catが2023年1月末にスクリーンショットをTwitter上で紹介しているが、実際の動作動画と合わせ、雰囲気がつかめるかと思う。
シンプルにいえば、タブを1つのウィンドウ内で分割表示する機能だ。「ウィンドウを2つに割ればいいじゃん」という意見もあるかもしれないが、作業内容によっては別のアプリケーションとの切り替えが面倒な場合がある。
想定される使い方としては、2つのサイトの内容を比較したり、片方で情報を表示して参照したりしながら、もう片方のタブでメモを取ったりといったことが考えられる。
このツイートが行われたタイミングでは、Edge InsiderのCanaryのみで利用可能な機能だったのだが、現在では最新版Edgeを入れれば誰でも利用できる。ただし“実験的な機能”としてデフォルトでは無効化されており、利用にあたってはこのサイトの解説にもあるように、設定変更が必要となる。Windows、Mac、Linuxのいずれのバージョンでも利用可能で、興味ある人は試してみてほしい。
- Edgeブラウザのアドレスバーに「edge://flags」を入力
- 一覧から「Split Screen」の項目を探す
- 「Enabled」を選択してブラウザを再起動
ところが実際に触ってみると分かるが、ワイドスクリーンのディスプレイでないと表示領域が分割で極端に狭くなるため、Webサイトの内容を表示しきれない場合が多い。近年のPC向けWebサイトは、画面を横に広い形で表示を最適化しているケースが多いため、このような表示になるのだろう。
Windows 11ではスタートボタンの位置をタスクバー中央に持ってくるなど、ワイドスクリーンでのカーソル移動量を最小限にする工夫がみられるなど、どちらかといえばワイドスクリーン利用を前提にしているフシがある。Edgeのタブ分割機能もそう考えると納得できる部分があり、PCでも特にデスクトップPCの作業を最適化するための機能と考えると納得がいく。
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