最新EdgeとAIで不死鳥のように復活するMicrosoft:Windowsフロントライン(2/2 ページ)
AIモデルを採用した「Microsoft Edge」が注目を集めているが、改めてMicrosoftが目指すEdgeとWindowsの方向性を見ていこう。
AIのパワーをWindowsに
Edgeにおけるタブ分割は、既存のWindowsユーザーの思考の延長線上にあり、ある意味でいにしえの「MDI(Multiple Document Interface)」を扱っているようにも思える。一方でMicrosoftはWindowsの標準機能として「AI」を標準搭載していこうとも考えているようで、AIでいかに生産性を向上させるかを模索しつつある。
Windows Centralでザック・ボーデン氏が報じているが、その1つが新しい「Snap Layouts」の機能だ。
Windows自体がユーザーの操作を記憶してアプリケーションの自動グルーピングや、よく使うサイズの組み合わせの自動復帰など、より少ない操作で環境を再現する仕組みを実装しようとしている。
Snap Layoutsでは、“枠”にはめ込むためのウィンドウを適時選択していく必要があるが、Snap Assistの選択画面でAIによる補助を加えれば、より短い時間と操作で素早く切り替えが行えるという考えだ。
ただ、こうしたユーザーの意図が必ずしも反映されるか分かりづらい操作補助機能は、フラストレーションを生み出す原因にもなって万人に受け入れられるとは限らないし、おそらくこなれてくるのに時間がかかると思われる。
偶然の可能性はあるが、Microsoftが2月15日(米国時間)にWindows Insider ProgramのDev Channel向けに公開した「Windows 11 Insider Preview Build 25300」では、最新の目玉機能としてライブキャプショニングの日本語を含む複数言語への拡大の他、「Snap Layoutsの機能向上」が含まれていた。
ただし、後者のSnap Layoutsについては22日の時点で不具合を報告するフィードバックがあったことから無効化されており、Microsoftが改良を加えようとしているものの苦慮している様子がうかがえる。
Snap Layoutsに関してはまだ花開くのに時間がかかる可能性があるが、Microsoft自身はBingで話題を集めた「AI領域における優位性」を存分に生かすべく、次々と発表を仕掛けている。
The Vergeでトム・ウォーレン氏が報じているが、同社は3月にもOpenAI絡みの追加発表を3月に控えているという。
Microsoft TeamsにおけるAI融合の話は以前にも紹介したが、ウォーレン氏によれば他のOffice製品群にも積極的に機能を盛り込み始めており、例えばWeb版では既に利用可能な“インテリジェント”なサイドバーをWordとOutlookに提供し、AIを使ったグラフや画像作成機能のPowerPointへの盛り込みなどが進められている。Excelについても同様のアップデートが行われる見込みで、クラウドを介した補助機能としてのAIの活躍の場は増えつつある。
また開発ツールの話だが、2月14日にはコードの自動生成や提案を行ってくれる「GitHub Copilot for Business」の提供開始が発表されており、ここぞとばかりにAI関連のニュースを毎週のように出している状況だ。
おそらく、この勢いはしばらく止まらず、テクノロジーの最新事情をウォッチする人間にとっては非常に楽しみな状態が続くことになるはずだ。
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