ベストセラーを“大画面化”した狙いは? 15インチMacBook Airを試して分かったこと:本田雅一のクロスオーバーデジタル(3/3 ページ)
Appleが6月12日「15インチMacBook Air」を発売する。13インチMacBook Air(M2搭載)をそのまま大画面化したようにも見える本機には、画面を大きくしたからこそ得られるメリットもある。早速チェックしてみよう。
「Proじゃなくても大画面」のインパクトは強い
当然ながら、MacBook Airの13インチモデル(M2)と15インチモデルには“物理的な差”が存在する。厚さは約11.3mm:約11.5mm、重量は約1.24kg:約1.51kgと、15インチモデルが「少し厚くて少し重い」ことは否めない。
ただし、厚さの差は0.2mmなので、並べてよく見ないと分からない。「同じ厚さだ」と言われても違和感は覚えないだろう。むしろ、サイズが大きくなった分だけ15インチモデルの方が薄いと錯覚してしまう可能性すらある。
重量の差はそれなりにある。とはいえ、15型台のノートPCとしては十分に軽量である。それほど厚くもないので、ハンドリングは軽快だ。
Windows機を含めると、15インチMacBook Airのライバルは、最近ラインアップが充実しつつある14型台のモバイルノートPCということになるだろう。
もっとも、Macの場合、13型超の画面が欲しければ「14インチMacBook Pro」か「16インチMacBook Pro」しか選択肢がなかった。14インチ/16インチMacBook Proは確かに良いノートブックだ。
しかし現行のラインアップでは少なくとも「M2 Proチップ」を選択しなくてはならず、「普通のMacユーザー」にはオーバースペックな面も否めない。
その点、Media Engineを備えたことで動画編集も軽くこなせるM2チップを搭載する15インチMacBook Airは、「大きい画面が欲しい」という普通のユーザーにとって、“ど真ん中”のニーズを捉えている。
筆者自身、今の瞬間にMacBookシリーズを選ぶのであれば、14インチMacBook Proではなく、15インチのMacBook Airを(予算は抜きにして)選ぶだろう。
M2搭載の13インチモデルが登場した際、「Macを使うほとんど全ての人にとって必要な性能を持つノートブックであり、プロフェッショナルな映像/音楽クリエイターを除く全ての人に適したモデル」だと紹介した。15インチモデルは、その紹介はそのままに画面サイズの選択肢が広くなったと捉えればいい。
なお価格面では13インチモデルは米ドルベースで100ドル引き下げられ、15インチモデルもサイズの違いを考えればリーズナブルな1299ドル(約18万800円)からに設定された。
しかし円安傾向が進んだこともあり、日本では13インチモデルは価格据え置き、15インチモデルは19万8800円(税込み)からという価格設定となった。それでもなお、PC業界全体を見れば引き続き、費用対効果の高いモデルといえるだろう。
関連記事
どんなWindowsノートPCよりも薄くてパワフルでファンレス! M2チップ搭載「15インチMacBook Air」が6月13日に登場 19万8800円から
AppleがM2チップ搭載のMacBook Airに15.3型ディスプレイを備えるモデルを追加する。6月13日の発売を予定しており、6月6日から販売予約を受け付ける。完成度を極めた新型「MacBook Air」 進化は「M2チップ」だけにあらず
7月15日に発売される新しい「MacBook Air」は、Apple M2チップが搭載されることに注目があつまりがちだが、それ以外にも見るべきポイントはたくさんある。発売に先駆けてレビューする機会を得たので、見どころをかいつまんで検証しよう。スマホ選びに悩んだら「iPhone 14 Pro」がベストか? iPhone 14シリーズを使い比べて分かったこと
間もなく、「iPhone 14」「iPhone 14 Pro」「iPhone 14 Pro Max」が発売される。例年の新型iPhoneと比べると、「非Pro」と「Pro」の差が大きめである印象だが、実際の所はどうなのだろうか。実際に使い比べて検証してみよう。「Mac Studio」「Studio Display」を試して実感した真の価値 小型・高性能に加えてAppleの総合体験も提供
「Mac Studio」を使い始めてみると、コンパクトで省電力ながら高いパフォーマンスを発揮できるのはもちろん、別の画期的な点にも気付いた。それは「Studio Display」と組み合わせた場合のAppleが注力している総合的な体験レベルの高さだ。巻き返しの準備を進める「Intel」 約束を果たせなかった「Apple」――プロセッサで振り返る2022年
残りわずかとなった2022年。PCにとって一番重要なパーツである「CPU(SoC)」に焦点を当てて、この年を振り返ってみようと思う。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.