完成度を極めた新型「MacBook Air」 進化は「M2チップ」だけにあらず:本田雅一のクロスオーバーデジタル(1/5 ページ)
7月15日に発売される新しい「MacBook Air」は、Apple M2チップが搭載されることに注目があつまりがちだが、それ以外にも見るべきポイントはたくさんある。発売に先駆けてレビューする機会を得たので、見どころをかいつまんで検証しよう。
Appleが7月15日に発売する新しい「MacBook Air」は、歴代モデルで踏襲してきたウェッジシェイプのデザインをやめ、フラットな一枚板のデザインを採用した。その薄さは約1.13cmで、実物を見るとさらに驚くだろうが、実は剛性感も高い。ヒンジ回りも頑丈に作られており、液晶パネルを閉じた状態で手にするとあらゆる意味で“堅さ”を実感できるはずだ。
機構設計が一新された新型MacBook Airは、製品を構成するあらゆる部分が大幅にアップデートされているが、もう1つ大きな“課題”を抱えている。自社開発のSoC「Apple M2チップ」の性能を、このボディーでどこまで引き出せるかという点である。
M2チップを搭載するMacは、「13インチMacBook Pro」が既に出荷されており、その電力あたりの性能の高さは周知の通りだ。
MacBook Proには冷却ファンが搭載されており、高負荷時には冷却ファンで積極的に排熱を行うためコンスタントに性能が発揮される。一方、MacBook Airは冷却ファンを持たないファンレス設計である。一見すると、エアフローを確保するような切り欠きも見当たらない。
果たして、超薄型かつファンレスのボディーで、M2チップの性能はうまく引き出せるのだろうか。新しい13インチMacBook Proと比べつつ検証していこう。
最新設計要素を落とし込んだ新しいMacBook Air
新しいMacBook Airは、2021年にフルモデルチェンジされた「14インチ/16インチMacBook Pro」で採用されたさまざまな設計要素や機能を、MacBook Airというモデルの“商品性”に合わせて再構築したモデルともいえる。
13.6型に拡大した狭額縁ベゼルの液晶パネルは、13.3型の従来パネルよりもほんの少し幅が広がった。そこにノッチ(切り欠き)を入れた上で、1080p(1920×1080ピクセル)撮影に対応し、暗所でのノイズ特性に優れる「FaceTime HDカメラ(Webカメラ)」と各種センサーを搭載している。
ノッチの存在は賛否が分かれそうな所だが、標準設定ではこのノッチの左右にメニュー表示エリアが展開される。メニューなどをノッチの左右に“逃がす”ことで、残った画面領域を余す所なく使えることが大きなメリットだ。「どうしてもノッチはイヤだ!」という人は、このエリアを非表示とすることで違和感は減らせる。ノッチエリアが無くても従来のMacBook Airとほぼ同じ画面領域は確保可能だ。
液晶ディスプレイのバックライトはミニLEDではなく、部分制御も行われない。ただし、最大輝度が前モデルの400ニトから500ニトに向上したことで、13インチMacBook Proと同等の色再現性を確保できている。
Magic Keyboardは14/16インチMacBook Proと同様の作りとなっており、最上段のファンクションキーがフルハイト化されている。最上段の右端にTouch ID(指紋センサー)を備えていることも同様だ。トラックパッドの面積も変わらない。
本体裏面の脚の形状も含めて見ると、最新世代のMacBook Proに見られるデザインの特徴をしっかりと取り入れていることもよく分かる。
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