「Google Pixel Tablet」を競合製品と比較 第2世代Nest Hubの代わりにはならないと思った理由:山口真弘のスマートスピーカー暮らし(4/5 ページ)
スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする連載。今回はGoogleが投入した「Pixel tablet」をチェックしよう。
マイク性能はGoogle Nest Hubには劣る
一方で、きちんとセットアップを完了させることができれば、いい意味できちんと使える。ふだんからスマホでGoogle Homeを使用しており、さまざまなルーティンを登録していれば、同じGoogleアカウントでログインすれば、それらをそのまま使えるため、至極便利だ。
なおこれらの設定は、Androidの設定画面にある「ハブモード」から設定できる。多くは初回のセットアップ時に選択した内容だが、こちらはより細かい設定が行える。例えばロック画面上に表示する情報などはここでしか選択できないので、一通り使えるようになった後にチェックすることをおすすめする。
ところでマイクの性能はどうだろうか。本製品に搭載されているマイクは3個で、これはGoogle Nest Hubと変わらないのだが、タブレットに適したマイクの配置と、スマートディスプレイに適したマイクの配置は異なるのか、筆者がふだん使用している初代のGoogle Nest Hubと比べてみた限り、聞き取り性能は低い。
具体的には、距離が遠いとうまく聞き取られないケースはしばしばある他(最初の「ねぇGoogle」すらスルーされることもある)、本製品とGoogle Nest Hubを横に並べた状態で話し掛けると決まってGoogle Nest Hubが反応するなど、マイクの性能差に由来すると思われる挙動はあちこちに見られる。
ただし、決して使えないレベルではない。AmazonのFireタブレットのShowモードは、大声で話し掛けないと聞き取られない、また聞き間違いも多いなど、Echo Showの聞き取り性能との差がありすぎて、筆者は早々にギブアップしてしまったのだが、本製品はそこまでの差はない。
従って、Google Nest Hubと併用するユーザーや、本製品に移行するユーザーからすると、若干ストレスに感じることはあるだろうが、これまでGoogle Nest Hubを使ったことがないユーザーであれば、普通に納得して使えるだろう。遠くから呼びかける声の聞き取りはかなり不得手なようなので、こころもち近距離に設置することをおすすめする。
余談だが、Google Nest Hubは、物理スイッチでマイクをオフにできることで、プライバシーが確保できることを発売時には大きな売りにしていたが、本製品はそうしたスイッチは(マイクが搭載されるのはタブレット側なので)存在しない。このあたり、発売当初からはかなりニュアンスが変わってしまった印象を受ける。
着脱回りのギミックは自由度が高すぎて不便?
最後に、タブレットの着脱回りのギミックについて見ていこう。
本製品と充電スピーカーホルダーは、マグネットで吸着する仕組みだ。一見すると簡単なようだが、位置合わせのガイドがあるわけではないので、吸着してくれるまでタブレットの位置をずらしながら様子を見なくてはならず、あまりスマートではない。
これがAmazonのFireタブレットの専用充電スタンドの場合、溝に合わせて立てるだけなので迷う余地が一切なかったのだが、本製品は自由度が高すぎるせいで迷いやすい。ずらしながら吸着位置を探す過程でタブレットの端がデスク天板にぶつかりがちなのもあまりよくない。
さらにこの充電スピーカーホルダーは見た目よりも軽量なため、取り外そうとタブレットを持ち上げると、分離せずにそのままついてきてしまう。タブレットを後方に倒しながらであれば簡単に取り外せるかと思い試してみたが、充電スピーカーホルダーごと後ろに倒れてしまうありさまだ。
この不便さを解消する手段はあるのだろうか。
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