“マウス疲れ”に効果あり? 10年間で850万台売れたエレコム製マウス「EX-Gシリーズ」の新モデルを試して分かったこと(2/2 ページ)
エレコムのエルゴノミクスマウス「EX-Gシリーズ」は、手の疲れを軽減することを重視している。6月下旬から順次発売されている新モデルは、外科医の監修を受け、手に負担を掛けない工夫をより凝らしたという。実際に試してみよう。
本体は抗菌加工済み 環境配慮も
新しいEX-Gシリーズのボディーは、抗菌加工が施されており、マウス表面に付着した菌の繁殖を抑え、清潔さを長期間保てるようになっている。その抗菌性能は、日本規格協会(JSA)の抗菌性試験に準拠している。
エレコム独自の環境認定基準を満たしたことを示す「THINK ECOLOGY」マークも取得しており、説明書類は付属していない。簡単な使い方はパッケージに記載されている他、PCまたはスマホからWebサイトにアクセスすると詳しい説明書を参照可能だ。
サイズにかかわらず、ボディーには、手首への負担を抑えるための絶妙な角度の傾斜が付いている。親指を添える部分が通常のマウスに比べて高くなっており、手を添えるだけでしっかりとホールドできる。
進む/戻るボタンは、親指で押しやすい位置に配置されている。薬指と小指を添える部分が緩やかに凹んでいて、フィット感はよい。
エレコムマウスアシスタントは「もうひと声」
本シリーズは、エレコムマウスアシスタントを使って細かいカスタマイズを行える。各ボタンに割り当てる機能を変更できる他、マウスポインターの速度調整、「フライングスクロール」の設定、「プレゼンテーションモード」の設定、「ジェスチャー機能」の設定に対応している。
フライングスクロールというのは、マウスのスクロールホイールを一定の速度以上で回すと、通常のスクロール速度を超えて高速でスクロールするという機能だ。Webページや長いドキュメントなどを素早く上下に移動する際に便利である。
ただ、筆者が試してみたところ、思ったように高速スクロールになってくれなかったり、逆に意図しないところで高速スクロールになってしまったりという場面が多がった。ホイールの回転数の検知が思った以上にシビアな設定なのだろう。意図通りに機能すればとても便利な機能だけに、ちょっと残念である。
スクロール用のホイールの「感触」を切り替える物理的なスイッチ(機構)を備えれば、この問題はおおむね解決できそうだ。しかし、そうすると本体の機構が増えるので、コストを考えると難しいかもしれない。
その名の通り、プレゼンテーションモードはマウスのボタン類をプレゼンテーションアプリに最適化できる。ジェスチャーは、マウスの動かした軌跡に応じて指定したアプリを起動できる機能だ。
ただ、両機能共にオン/オフを切り替えるボタンを1つ割り当てないと使えないということに注意が必要だ。通常のEX-Gシリーズの場合、ホイールを含めて5つしかボタンがないため、両モードを同時に有効にすると2つのボタンが“犠牲”になってしまうのだ。上位の「EX-G Pro」シリーズならボタンが8つあるため、このような悩みから解放されるのだが……。
他メーカーのマウス用ユーティリティーアプリを見ると、ジェスチャーモードは「任意のボタンを押しながらマウスを動かしたときに動作する」というものが多い。1つのボタンをジェスチャー用にだけ割り当てなければいけないとなると、使い勝手があまり良くないと感じる。
幸いなことに、プロファイルはアプリ単位で設定できるため、「進む」「戻る」「ホイール」の各ボタンを使わないアプリなら、そこまで気にせず使えるかなといった感じである。とはいえ、マウスジェスチャーを使いたい場合は、別のアプリで対応した方が良さそうである。
新しいEX-Gシリーズは、手(指)が疲れないという観点ではベストなマウスの1つであることは間違いない。「疲れ知らず」とまでは行かないが、手に合うサイズのものを用意すれば、マウス操作に関する疲れを大幅に軽減できる。
ユーティリティーアプリでカスタマイズして使おうとすると、少し難があることは事実だ。しかし、普通に使う分には本当に良いマウスである。左利きの人は、本シリーズの左手専用モデルを待つ価値はあると考える。
ともあれ、本モデルが気になる人は、実際に手に取って確かめてみてほしい。
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