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今から買うなら有機EL!? 細かな部分が改良されたポータブルPC「Steam Deck OLED」でAAAタイトルは快適に遊べる? 試して分かったこと(2/3 ページ)

Valveが手がけるポータブルゲーミングPC「Steam Deck」に、さまざまな改良がなされた「Steam Deck OELD」が追加された。従来モデルとの違いは感じられるのか、実際のゲームタイトルを使って確かめてみた。

HDRに対応し細かなところも強化

 Steam Deck OLEDのSoC自体はZen 2の4コア/8スレッド(2.4~3.5GHz)でLCDモデルと変わらないものの、プロセスルールが7nmから6nmに変更された。これにより低消費電力かつ低発熱を実現しているとのことで、ゲームをプレイ中のファンの音も、幾分か静かになった印象だ。

 この他、HDRに対応したことも大きなトピックとなるだろう。こちらもCyberpunk 2077では、手動で有効にする必要があった。


Cyberpunk 2077のHDR設定。デフォルトでは「なし」になっているので、手動で有効にする必要がある

HDRを有効にすると、クイック設定の画面にもHDR表示が追加される

OLEDモデルの付属品一覧

奥側がLCDモデルのキャリングケースで、ロゴマークが変わり、ベロクロの有無も違いがある

最大45W出力をサポートするACアダプターは、プラグ部分が折りたためないのを含めて従来モデルを継承しているが、新たにロゴマークが用意された

OLEDモデルのキャリングケースは、内側ケースを取り外せるようになった(マジックテープで固定)

内側のケースを開けたところ

コントローラーやボタンの配置はLCDモデルを継承しているが、アナログスティックの素材やカラー、トラックパッド回りには手が加えられている

背面も見た目は変わらないが、摩耗を軽減する素材になり、ネジの変更といった細かな見直しがなされている

ボディー上部にある電源ボタンが従来の黒からオレンジに変更された。排気口の他、映像出力やバッテリー充電に対応したUSB Type-C端子がある

底面にはmicroSDHCカードスロットが用意されている

左側面から見たところ。ショルダーボタンにも改良が加えられているという

こちらは右側面

 前置きが長くなったが、実際にプレイした感想もお伝えしよう。といっても、操作感自体はLCDモデルとの差を感じることはできなかった。ただ、輝度が上がったことで全体的に画面の見やすさは向上している。画面サイズも7型から7.4型に微増しているが、ゲームプレイ中はあまり違いを感じられない。

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 なお、Steam Deckの最上位モデルは、LCDモデルとOLEDモデルのどちらもアンチグレアエッチングガラスを採用している。今回試用したのはLCDモデルが256GBの光沢ディスプレイで、OLEDモデルは1TBのアンチグレアだ。


Cyberpunk 2077のプレイ感はOLEDでもLCDでも変わらない。文字が小さく見づらいのは相変わらずだ

 OLEDだけに黒の発色もよく、画面が締まって見えるので、この点はOLEDモデルが勝っていると言える。ただし、HDRを有効にすると全体的に白っぽくなる印象を受けた。正直なところ、HDRはオフのままの方がキレイに感じる。この辺りは好みの問題でもあるだろうし、HDRの設定を調整していけばまた違った印象になるのかもしれない。


Cyberpunk 2077のHDR設定画面

 Cyberpunk 2077は細かい文字が多く、LCDモデルでプレイした際には、文字が読みづらいと感じることが多かったが、この点はOLEDモデルでも変わっていない。画面解像度が1280×800ピクセルのままなので当然といえば当然だが、この部分の改善は次世代モデルを待つ必要がありそうだ。

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