「スピード、スピード、スピード/生産性の爆上げ/挑戦」 弥生の前山社長が呼び掛けるこだわりの理由:IT産業のトレンドリーダーに聞く!(3/3 ページ)
世界情勢の不安定化や物価の高騰、そして継続する円安と業界を取り巻く環境は刻一刻と変化している。そのような中で、IT企業はどのようなかじ取りをしていくのだろうか。大河原克行氏によるインタビュー連載の第10回は、弥生の前山貴弘社長だ。
「出戻り組」だからできる新たな一歩への取り組み
―― ちなみに、前山社長は弥生への「出戻り組」と聞きました。
前山 2007年に弥生に入社し2011年に退職したのですが、2020年に2度目の入社をしました。その間は、海外に行って日系企業の海外子会社の再建や、国内事業の再編の支援などに従事しました。
弥生の社員とも、たまに会ったりしていましたし、外から弥生を見ると、社員のときには気がつかなかった弥生の良さを知るという部分もありましたね。私の周囲でも、多くの人が弥生を使っているということも分かりました。
実は、弥生には“出戻り組”が多いんですよ(笑)。最近でも、数人が出戻っています。外に出てみると、中にいるときには気がつかなかった当たり前のことが、弥生の強みやスゴさとして改めて感じることができました。弥生が、お客さまと強い信頼で結びついたビジネスを行っていることはその一例です。
私が外に出て経験してきたことを生かして、弥生に還元できたらと思っています。その一方で、弥生の歴史を知り、外部の経験を経た出戻り組だからこそ、弥生のマインドセットを変えていくという取り組みができると思っています。
―― 社内からは、いつもニコニコしているという声を聞きます(笑)。
前山 そう見えるのかもしれませんが、いつもニコニコしているわけではないですよ(笑)。ただ、社員にとっては、報告をする際にも腕を組んで「うーん」とうなられたり、「何でできないんだ」と言われたりするよりは、オープンな姿勢で話し合って、難しいことは一緒になって考えた方がいいと思っていますし、それが解決に向けた近道になると思っています。
―― 改めて感じた弥生の強みとは何でしょうか。
前山 弥生が持つユーザー数や会計事務所の数、そこから生まれるデータの数は弥生の強みだといえます。そして、先に触れたように、お客さまや会計事務所、パートナーと強い信頼関係が構築されていることは弥生の大きな強みです。
そして、お客さまのデータこそが、これからの私たちの新たな強みになります。これが私たちの次の事業の柱になり、大きな差別化ポイントになります。お預かりしたデータをユーザー目線で分析し、弥生ユーザーに返すといった仕組みを構築し、データの価値を活用してもらえるビジネスモデルを新たに構築していきます。
【後日公開の後編に続く】
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