ネットギアのWi-Fi 6E対応メッシュルーター「Orbi 9」を試す 1台でも“超高性能ルーター”として運用可能(買う本体に注意)(1/2 ページ)
ネットギアのメッシュネットワーク対応Wi-Fi(無線LAN)システム「Orbiシリーズ」のフラグシップモデル「Orbi 9」は、無線LANルーターとしては高価な部類に入る。しかし、高価な分だけ性能も高い。実際に試してみよう。
ネットギアのメッシュネットワーク対応Wi-Fi(無線LAN)システム「Orbiシリーズ」は、デザイン性はもちろんのこと、その性能の高さにも定評がある。
現行におけるフラグシップモデルは、Wi-Fi 6Eでの通信にも対応する「Orbi 9」だ。本機は「ルーター(親機)」と「サテライト(子機)」が“明確に”区別されており、両者をセットにしたパッケージも用意されている。1月22日時点における直販価格(税込み)は以下の通りだ。
- ルーター単体:12万1300円
- サテライト単体:9万800円
- 3台セット(親機1台+子機2台):25万600円
- 2台セット(親機1台+子機1台):21万2100円
この記事では、Orbi 9の特徴を紹介していく。
Orbi 9は「ルーター」と「サテライト」の2種類があるものの、ボディー(本体)は共通だ(見分け方は後述する)。カラーは写真のホワイトの他、直販サイト限定でブラックも用意されている。外観が一般的なWi-Fiルーター(メッシュルーター)と一線を画しているのが魅力といえる
6GHz帯対応+広いエリアカバー
Orbi 9は、2022年9月から利用できるようになった「Wi-Fi 6E」に対応している。
Wi-Fi 6Eは、2.4GHz帯/5GHz帯に加えて6GHz帯にも対応したIEEE 802.11ax規格の無線LANのことを表す。多用途で使われていて混雑しがちな2.4GHz帯や、居住地域によってはDFS(※1)によって通信が途絶えやすい5GHz帯を避けて、より快適な通信環境を得やすいことがメリットだ。
(※1)Dynamic Frequency Selection(動的周波数選択):レーダー信号との干渉を自動的に回避する仕組み
本機の無線LAN通信機能はクアッドバンド(4バンド)構成で、各バンドの最大通信速度(理論値)は以下の通りとなっている。
- 2.4GHz帯:1147Mbps
- 5GHz帯(デバイス通信用):2402Mbps
- 5GHz帯(バックホール通信用):2402Mbps
- 6GHz帯:4804Mbps
メッシュネットワーク非対応の製品を含めて、Wi-Fi 6E対応ルーター(アクセスポイント)の多くは最高通信速度が2402Mbpsにとどまっていることが多い。6GHz帯限定とはなるが、本機はその2倍となる4804Mbpsでの通信にも対応する。今後、より高速なWi-Fi 6E対応デバイスが増えた場合も受け入れられる。
無線LANルーターというとカバー範囲も気になる所だが、Orbi 9は1台当たり最大279平方メートルをカバーできる。“単体”でも比較的広いエリアを確保できるが、3台セット(ルーター1台+サテライト2台)にすると最大836平方メートルをカバー可能だ。
メッシュネットワークは、無線と有線のどちらでも構築できる。メッシュ対応なので、有線でネットワークを構築した場合も無線LANのアクセスポイント名(SSID)は同一のままで使える。
デバイス(クライアント機器)の同時通信台数は、ルーター/サテライト1台当たり最大200台となっている。3台セットなら最大600台のデバイスをつなげられる計算だ。Wi-Fi対応のIoTデバイスが増えている昨今だが、これだけ接続できれば十分すぎるだろう。
有線接続もハイスペック
Orbi 9は、有線接続も高性能……なのだが、ここがルーターとサテライトを見分けるポイントとなる。
ルーターには、WAN(インターネット)回線用に10GBASE-Tポートを搭載している。最近は2.5Gbps/5Gbps/10Gbps通信に対応する固定インターネット回線サービスも多くなっているが、そのようなサービスのポテンシャルを余すところなく発揮できる。
ただし、ルーターをNTT東日本/NTT西日本の「フレッツ光」回線の接続に使う場合、現時点においてIPv4 over IPv6サービスは「v6プラス」にのみ対応している。ほとんどのISPはv6プラスを採用しているが、他方式のIPv4 over IPv6サービス(transixなど)を使っている場合は、当該サービスに対応するルーターなどを間に挟むといった対策が必要となる。
他の有線ポートはルーター/サテライトで共通で、2.5GBASE-Tポート×1と1000BASE-Tポート×4を搭載している。デスクトップPCでは、ゲーミングモデルを中心に1Gbps超の有線LANポートを備えるケースも増えているので、そのポテンシャルも生かしやすい。
スペックを簡単に紹介したところで、次はセットアップを済ませて性能をチェックしてみよう。
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