今、プロジェクションマッピングが熱い! パナソニック コネクトが「イマーシブ」に入れ込むワケ(2/2 ページ)
最近、リアル体験をウリとするスポットにおいて、「プロジェクションマッピング」の導入が進んでいる。しかし、その技術の進展によって、コンテンツを「作る側」「運用する側」の双方で課題が生じているという。パナソニック コネクトは、これにどう立ち向かうのだろうか……?
2024年度投入予定の新製品
ここからは、パナソニック コネクトが2024年度に投入する予定の新製品を簡単に紹介する。
映像出力だけでなくプロジェクター間の調整も行う「メディアプロセッサ」
2月に発表された最新のメディアプロセッサ「ET-FMP50」は、HDMI出力を4基備えており、フルHD(1920×1080ピクセル)/60pの動画を4台、4K(3840×2160ピクセル)/60pの動画を1台のプロジェクターに出力できる。LANポート(1000BASE-T対応)を介したスケール運用も可能だ。一部スペックを変更して価格を抑えた「ET-FMP20」という兄弟モデルと共に、2024年度第1四半期(2024年4~6月)の発売を予定している。
なお、メディアプロセッサには「ET-FMP50」という新製品も登場する。Intelが定めた「Intel SDM(Smart Display Module)」を備えるプロジェクター/ディスプレイに直接装着するボードタイプの製品で、SDMスロットを備える自社製プロジェクターにも装着可能だ。
投影デバイスに直接取り付けるタイプであるため“箱”が外に出てこないことが大きなメリットだが、外部への映像出力は備えていないので注意したい。ET-FMP20/50から遅れて、2024年度第3四半期(2024年10月~12月)に発売される予定だ。
高リフレッシュレートの業務用ハイエンドDLPレーザープロジェクター
業務用ハイエンドDLPレーザープロジェクターの新製品「PT-REQ15」は、「200V電源を確保できない場所でも、明るく投影したい!」というニーズに応えて、一般的な100V電源でも最大1万5000ルーメンで表示できるようになったことが特徴だ。
また、「プロジェクションマッピングをより滑らかに」というニーズにも応えるべく、フルHD/240Hzの高速駆動(遅延約8ミリ秒)にも対応した。同社独自の「クワッドピクセルドライブ」技術も引き続き搭載しており、疑似的ながらも鮮明な4K表示も実現している。
本製品には、高速駆動機能やクワッドピクセルドライブを省いて価格を抑えた兄弟機「PT-REZ15」も用意されている。両機種共に、2024年度第1四半期にデビューする見通しだ。
なお、今回紹介する業務用ハイエンドDLPレーザープロジェクターは全て投影用レンズユニットがオプション(別売)となるので、利用環境に応じて装着/換装して運用することになる。
「PT-RQ7」も、業務用ハイエンドDLPレーザープロジェクターの新たに仲間入りするモデルだ。現行の同等モデル(PT-RZ890シリーズ)比で容積が29%、従量が16%削減されており「2人でも十分運べるサイズ感と重量」を備えた。
先に紹介したPT-REQ15と同様に、本製品もフルHD/240Hzの高速駆動と、クアッドピクセルドライブによる4K表示に対応する。
本製品には、最大輝度を7500ルーメンから6500ルーメンに削減した「PT-RQ6JL」、そこからさらにクワッドピクセルドライブによる4K表示を非対応とした「PT-RZ6JL」という兄弟機も用意されている。3モデル共にいずれも2024年度第2四半期(2024年7月~9月)に発売される予定となっている
超短焦点レンズ
先述の通り、今回披露された新しいプロジェクターは投影用レンズがオプションとなる。昨今、数あるレンズの中でも、狭い場所でも画面を大きくできる短焦点型レンズのニーズが高まっているという。
今回発表された新プロジェクターでも、短焦点レンズを利用できる。2025年内には、新しい短焦点レンズをもう1種類発売されるそうだ。
短焦点レンズを取り付けたプロジェクターを4台取り付けて、正面、左/右側面と床面に動画を流すデモンストレーション。プロジェクターの設置位置を工夫すれば天井を含めた5面に映像を映し出すことも不可能ではないそうだが「首を挙げてまで(映像を)見つめる人は少ない」という理由で、天井方向の投影は省かれることが多いという。逆に、プラネタリウムなど「上を見つめることに意味のあるコンテンツは、天井への投影も考慮に入れる」という
これら2つの写真も、実は短焦点レンズのユースケースだ。実は縄や棒を振っている女性の目の前には透過型スクリーンが設置されており、縄や棒の動きを検知して“リアルタイムに”エフェクトを投影している。なお、背景の椅子や観葉植物は“ホンモノ”である
短焦点レンズを使い、なるべく“斜め”に映像を投影することで、透過スクリーンに漏らさず表示しているという。なお、プロジェクター本体の補正機能が強力なので、コンテンツが直線なら、スクリーンに映る線もしっかりと“直線”となる
余談だが、このデモは透過スクリーンを使っていることを生かして、プロジェクター上に置かれたライトから赤外線を照射し、同じくプロジェクター上にある赤外線カメラで縄や棒の動きを常時トラッキングしてエフェクトを加えている。映像出力(≒エフェクト加えた映像の投影)時点で遅延は20ms未満とのことなので、目視ではじっくり凝視しない限りは「リアルタイム」処理に見える
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