レビュー

新型「Magic Keyboard」は何が変わった? 設計が一新され劇的に変化したモデルを13インチiPad Pro(M4)で試す(1/4 ページ)

Appleから、M4搭載のiPad Pro用キーボード「Magic Keyboard」が登場した。フルモデルチェンジを果たした実機を試してみた。

 2024年5月に発売された新しい「iPad Pro (M4)」では、専用オプションであるMagic Keyboardもリニューアルされた。見た目は従来モデルとそっくりに見えるため、単なる対応モデルの変更かと思いきや、実際にはフルモデルチェンジと言っていい変化を遂げている。

 具体的にどのような点が異なるのか、従来のiPad Proや同時発売の「iPad Air」で使えるのかなど、13インチ用モデルを用いてじっくり検証した。


Appleの新キーボード「Magic Keyboard」。今回は13インチiPad Pro(M4)用モデルで検証している

完全な専用モデルとしてリニューアル 従来モデルとの互換性なし

 今回のMagic Keyboardは、ギミック自体は従来モデルと変わらない。キーボードとヒンジでつながった金属のプレートに、iPad Proをマグネットで吸着させることで、ノートPCとそっくりのスタイルで利用できるというものだ。データの転送はSmart Connector経由で行われるのでBluetoothのようなペアリングは必要なく、給電も不要だ。

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13インチiPad Pro(M4)を装着した状態。トラックパッドも備えており、見た目はノートPCそっくりだ

背面。ディスプレイ部が浮いた状態になっていることが分かる

カバーを閉じると、表面と裏面を保護するカバーになる。林檎マークはiPad本体とは異なり横向きだ

13インチ用ということで、横幅は約28.5cmとかなり大きい

iPad Pro本体(左)と並べたところ。カメラ部は穴が開いており、段差を緩和する

Smart Connector(丸印)を吸着させることにより、ペアリングなしで利用できる

 この吸着に用いられるiPad Pro内蔵のマグネットの位置は、過去のモデルでたびたび変更されており、それゆえMagic Keyboardも、iPad Proのモデルチェンジに合わせて節目で新モデルが投入されてきたという経緯がある。

 今回のモデルもまた、13インチiPad Pro(M4)に合わせた設計ということで、過去のモデルと互換性がない。試しに筆者私物の「第5世代12.9インチiPad Pro」を吸着させようと試みたが、全く位置が合わずにずり落ちてしまう。本製品と同時に発売された13インチiPad Air(M2)も同様だ。


第5世代12.9インチiPad Proを吸着させようとしても、このようにずり落ちてしまう

本製品と同時に発売された13インチiPad Air(M2)も同様だ

 もっとも、仮にマグネットの位置が合致していても、今回の13インチiPad Pro(M4)は従来モデルに比べて圧倒的に薄くなっているため、それに合わせて作られた今回のMagic Keyboardに、厚みのある従来モデルを挟み込むのは不可能だろうし、その逆もスカスカになってしまうことは容易に想像できる。

 いずれにしても、iPad Pro本体を買い替えるにあたっては、このMagic Keyboardも併せて買い替えなくてはいけない。ユーザーの懐には極めてダメージが大きい製品ということになる。


ボディーの厚みは13.5mmだ。従来の第5世代12.9インチiPad ProとMagic Keyboardの組み合わせは15.6mmだったので、約2mm薄くなっていることになる

重量は実測で1240g(従来は1366g)だった。カバー本体だけだと実測660g(従来は691g)で、iPad本体との合わせ技で軽量化が図られていることが分かる
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