Appleの空間ビデオも見られるQuest 3のライバル「PICO 4 Ultra」と「PICO Motion Tracker」が日本発売 実機を見てきた(3/3 ページ)
9月12日にPICOは「PICO 4 Ultra」を発表した。PICO 4 Ultraはフロントのデュアルカメラや深度センサーなどによりMRを実現するHMDで、PICO 4からアップデートした製品だ。またPICOとして初となるモーショントラッカー「PICO Motion Tracker」も同時に発表した。
狭い部屋でも踊れる! 大画面ディスプレイで仕事ができる!
ここからは筆者の体験レポートとして、PICO Motion Trackerを装着し、ゲーム「TempoClub」をプレイしてみた。
くるぶしまであるワークブーツとジーンズという装いで臨んだが、バンドの長さが足りないということも、トラッキング精度の減衰も感じられず快適に装着できた。
ゲームでは音に合わせて前方からやってくるバブル(手での操作用)やブロック(足での操作用)をパンチ、カット、ステップ、キックなどでヒットさせていく。最も低いレベルをプレイしたが、前方からやってくるバブルやブロックに対処しているだけで息が上がってしまった。まるでゲームセンターのダンスダンスレボリューションをプレイしたときのような爽快感を得られた。
横移動や足の動きをしっかりトラッキングしており、キックしたのに無反応といったこともなく、ストレスを感じずに楽しめた。
次にパノラマワークスペースも体験した。こちらは既に複数のデバイスと接続済みだったため、接続するところからの体験はできなかったが、PCの拡張ディスプレイとして十分に使えるレベルである。というのも、グラス型ディスプレイでは解像度が足りない上、外光が入り込み、スプレッドシートやWebサイト、ドキュメントのテキストを識別しづらく感じることがあるからだ。
しかし、PICO 4 Ultraのパノラマワークスペースでは、フロントにあるデュアルカメラのパススルー機能により室内が見える状態であるにもかかわらず、実際には外界から遮蔽(しゃへい)されているので、余計な光にじゃまされるということがない。また高精細ゆえ、全体的にくっきりとした表示である。そのため、テキストもくっきり見えていたのだ。
また、パノラマワークスペースで使えるバーチャル環境も試してみた。ワンタッチで、開いているウィンドウの背景に草原が広がり、自然の中で作業をしているような感覚に浸ることができた。自宅で使えたら、さぞリフレッシュできるだろう。PICO 4 Ultraの本体サイドを強めにダブルタップするだけで、開いているウィンドウも背景の草原も消え、パススルー機能で室内を表示するので、手元を見たくなったとき、来客があったときなどに即座に切り替えられる。一気に現実に引き戻されるが、これはこれで便利だ。
筆者は中度の近視でありコンタクトレンズを装用しているが、軽い老眼も入ってきている。そのため、「視度調整機能がないとよく見えないのでは?」と不安を抱いていたのだが、見えづらいということはなかった。
キヤノンとのパートナーシップも発表
PICO 4 Ultraは、単体で空間ビデオや写真の撮影ができること、またiPhoneなどApple製品で撮影した空間ビデオなどの取り込みもできることを先に紹介したが、キヤノン「EOS VR SYSTEM」を使って撮影した3D映像にも対応する。
キヤノンの堀口泰助氏(イメージング事業本部 VR事業推進室)は、「2021年からVR事業に力を入れており、視差のある2つのレンズで取り込んだ映像を1つのセンサーで記録する『EOS VR SYSTEM』を開発している。特別な知識を必要とせず、3D映像を撮れるようになったが視聴する方法が少なかった」と経緯を説明し、「PICOと連携することで、実写VR/3D業界を盛り上げたい。VR愛好家がカメラに興味を持つきっかけにしてほしい」と狙いを語った。
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