日本は「テクノロジー×高速回線」がある有望な市場――eeroがライバルの多い日本でメッシュWi-Fiを投入する理由(2/2 ページ)
米Amazon.com傘下のeeroが、アマゾンジャパンを通してメッシュWi-Fiシステムを日本で販売する。それに合わせて来日した同社のニック・ウィーバー氏(共同創業者兼CEO)は、その狙いを日本の報道関係者に語った。
eeroはなぜ日本を目指したのか?
アジア太平洋地域において、eero製品はオーストラリア、ニュージーランド、アラブ首長国連邦(UAE)とシンガポールで販売されてきた。日本は同地域では5番目、東アジア地域に絞ると初の販売国となる。
複数のネットワーク機器メーカーの人と話をすると、特に外資系メーカーからは「日本には有力な地場(国内)企業が複数ある」ことが話題になることが多い。この点については、メッシュWi-Fiシステムを含む無線LAN機器もご多分に漏れない。ある意味で、海外よりも競争の激しい市場環境ともいえる。
そんな日本市場に、eeroがあえて“飛び込む”のはなぜなのか――ウィーバー氏はこう語る。
日本はテクノロジーにおいて先端を行く国です。しかも、国土の広い範囲で高速なインターネット回線(光回線やCATV回線など)を利用できます。私たち(eero)のデバイスで得られる体験を、最大限発揮しやすい環境といえます。
なぜ今なのか――本当は5年前に進出したかったくらいのですが、もろもろの準備が整ったのがこのタイミング、ということです。競合が多い環境ではありますが、私たちには顧客の声を聞き、製品をより良いものにしていくという観点で強みがあります。日本のように高品質なものを好む人が多い市場でも、(eero製品は)十分に応えられる品質も備えています。
海外では、高速インターネット回線を利用できる地域が限られる国も珍しくない。その点、日本では離島や山間部でも高速インターネット回線が整備されている事例も多い。ウィーバー氏の言う通り、Wi-Fiルーターが活躍しやすい環境にあることは事実だ。
当初はAmazon.co.jp限定販売となるeeroのメッシュWi-Fiシステムは、ウィーバー氏の狙い通りに日本のユーザーに受け入れられるのだろうか。注目したい。
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