Microsoft Excelで「ユニバーサル プリント」を使うと結果を出力できない可能性(暫定対応策あり)
Microsoft Excelで一定条件を満たすExcelシートを大規模法人向けの印刷ソリューション「ユニバーサル プリント」使って印刷しようとすると、結果を出力できない可能性があることが判明した。暫定的な対応策が提示されている。
日本マイクロソフトが運営する「Japan Office Client Support Blog」において、表計算アプリ「Microsoft Excel」で一定の条件を満たすと結果が正常に出力されないことがある問題が報告されている。この現象が発生した際の暫定的な回避策も併せて公開されている。
問題の発生条件
この問題は、以下の条件を“全て”満たした場合に発生する可能性がある。
- 印刷しようとしているシートにおいて、セルの書式設定で「塗りつぶし」のパターンを設定している
- 「ユニバーサル プリント」を使って印刷しようとしている
ユニバーサル プリントはインターネット経由で印刷を行う仕組みで、Microsoft Entra ID(旧Azure Active Directory)を利用している法人のみ利用できる。具体的には、以下のサブスクリプションを契約している法人ユーザーが利用できる。
- Microsoft 365 Enterprise E3/E5/F3
- Microsoft 365 Business Premium
- Windows Enterprise E3/E5
システムがシステムだけに、今回の問題は原則として個人ユーザーでは起こらない。
問題の回避方法
この問題を回避するために、日本マイクロソフトでは「ExcelシートをいったんPDF形式で出力してから、生成されたPDFを印刷する」「Excelシートの塗りつぶしパターンを解除してから印刷する」という対策を提案している。
いったんPDFに出力する方法
Windows 10/11の場合、OS標準で「Microsoft Print to PDF」という仮想プリンタドライバがプリインストールされている。アプリでの印刷時に出力先として「Microsoft Print to PDF」を選択すると、印刷結果をPDF形式のファイルとして保存できる。
PDFファイルの出力後、当該のPDFファイルをPDFビューアー(Adobe Acrobatなど)で開いて、ユニバーサル プリント機能を使って印刷すれば問題を回避可能だ。
塗りつぶしパターンを解除してから印刷する方法
当該のExcelシートを編集可能な場合は、「セルの書式設定」から塗りつぶしパターンを解除してから印刷すれば問題なく印刷できる。パターンを解除するには、「パターンの種類」の一番左上にあるもの(パターンなし)を選べばよい。
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