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現状で“ほぼ最強”のゲーミングノートPC「Lenovo Legion Pro 7i Gen 10」(5080モデル)を試す モンハンワイルズも快適ゲーミングノートPC ナビ(3/3 ページ)

レノボ・ジャパンが新型ゲーミングノートPC「Lenovo Legion Pro 7i Gen 10」を発売した。今回はGeForce RTX 5080 Laptop GPUモデルを借りて試してみた。

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Legion Pro 7i Gen 10(5080モデル)の実力をチェック!

 Legion Pro 7i Gen 10(5080モデル)のスペックを一通りチェックしたので、ここからはベンチマークテストを通して実力をチェックしていく。

 なお、特記のない限り、テストはACアダプターを接続した上で、パフォーマンス設定を「バランス」とした状態で行っている。

CINEBENCH R23/2024

 Maxonの3Dグラフィックスレンダリングテストツール「CINEBENCH R23」でのCPUパフォーマンスを計測した結果は以下の通りだ。

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  • マルチコア:3万663ポイント
  • シングルコア:2194ポイント

 Core Ultra 9 275HXを搭載するノートPCとしては妥当なスコアだ。デスクトップPC向けCPUがベースとはいえ、ノートPCとしてはとても高いスコアを記録している。


CINEBENC R23の結果

 より重い処理を行う「CINEBENCH 2024」では以下のようになった。

  • マルチコア:1844ポイント
  • シングルコア:134ポイント

 こちらも、同じCPUを搭載するノートPCとしては妥当といえる。ノートPCでもここまでスゴイのかと思うと、隔世の感はある。


CINEBENC 2024の結果

PCMark 10

 ULのPC総合ベンチマークテスト「PCMark 10」の結果は以下の通りだ。

  • 総合:8466ポイント
  • Essentials(Webブラウズ/ビデオ会議):1万948ポイント
  • Productivity(オフィスアプリ):9785ポイント
  • Digital Content Creation(写真/動画編集):1万5639ポイント

 外部GPUの効果もあって、Digital Content Creationのスコアは高めだ。先述の通り、本製品のディスプレイはDCI-P3の色域を100%カバーしている。「プロゲーマー向け」とは言うものの、映像や3Dグラフィックスのクリエイターにもピッタリな1台といえるかもしれない。


PCMark 10の結果

3DMark

 ULの3Dグラフィックスのベンチマークテスト「3DMark」の主要なテストを「バランス」に加えて「パフォーマンス」モードでもテストを行った。結果は以下の通りだ。

  • Time Fire Strike(フルHD/DirectX 11)
    • バランス:3万1430ポイント
    • パフォーマンス:3万4879ポイント
  • Time Fire Strike Extreme(WQHD/DirectX 11)
    • バランス:2万453ポイント
    • パフォーマンス:2万2187ポイント
  • Time Fire Strike Ultra(4K/DirectX 11)
    • バランス:1万1185ポイント
    • パフォーマンス:1万2383ポイント
  • Time Spy(WQHD/DirectX 12)
    • バランス:1万6679ポイント
    • パフォーマンス:2万1688ポイント
  • Time Spy Extreme(4K/DirectX 12)
    • バランス:8247ポイント
    • パフォーマンス:1万1182ポイント
  • Port Royal(4K/DirectX Raytracing)
    • バランス:1万793ポイント
    • パフォーマンス:1万4513ポイント
  • Speed Way(4K/DirectX 12 Ultimate)
    • バランス:4283ポイント
    • パフォーマンス:5884ポイント

 バランスモードでもそこそこに高いスコアだが、パフォーマンスモードにするとテストによってはスコアが大きく伸びる。


3DMarkの結果

Cyberpunk 2077

 実際のゲームはどうだろうか――ということで、重量級ゲームを代表してCD Project REDの「Cyberpunk 2077」の設定内ベンチマークテストを実行してみた。プリセットは一番負荷の重い「レイトレーシング:オーバーレイ」相当にした上で、フルHD(1920×1080ピクセル)とWQHD(2560×1440ピクセル)でテストした結果、平均フレームレートは以下の通りとなった。

  • フルHD
    • DLSSオフ(ネイティブ):26.59fps
    • DLSSオン:48.61fps
    • DLSSオン(フレーム生成2X):86.91fps
    • DLSSオン(フレーム生成3X):119.45fps
    • DLSSオン(フレーム生成4X):152.98fps
  • WQHD
    • DLSSオフ(ネイティブ):15.85fps
    • DLSSオン:37.7fps
    • DLSSオン(フレーム生成2X):70.95fps
    • DLSSオン(フレーム生成3X):99.73fps
    • DLSSオン(フレーム生成4X):124.94fps

 やはりCyberpunk 2077はやはりヘビー級のタイトルなんだなと痛感するが、これがノートPCだと考えると十分な性能を備えていると思う。描画の様子を見守っていると、240Hz駆動の有機ディスプレイは効果てきめんで、DLSSがもたらす高フレームレートをしっかりと表示できている。


Cyberpunk 2077の平均フレームレート

モンスターハンターワイルズも快適!

 カプコンの「モンスターハンターワイルズ」のベンチマークテストを2560×1600ピクセル解像度で平均フレームレートを求めたところ、以下の通りとなった。快適にプレイできるだろう。

  • DLSSオフ(ネイティブ):58.15fps
  • DLSSオン:72.82fps
  • DLSSオン(フレーム生成あり):111.84fps

DLSSオン(フレーム生成あり)の結果

PCMark 10 Battery Profile(Modern Office)

 本製品はかなりハイスペックな製品だ。バッテリー容量は80Whと大きめだが、結構早く消費されてしまう予感がする。

 そこで、PCMark 10に内包されたBattery Profileテストから、Modern Officeシナリオを選択し、ディスプレイの輝度を100%とした上で満充電(100%)から残量6%(強制休止状態)に入るまでの時間を計測したところ、1時間23分となった。

 輝度を上げた“いじわる”な状態だったことも相まって「まあ、こんなものか」という結果となった。今回は時間の都合で試しきれなかったが、「とにかくバッテリー駆動時間を重視したい!」という場合は、Legion SpaceでAdvanced Optimusの動作モードを「ハイブリッド iGPU専用モード」(外部GPUを使わないモード)にすれば結果は大きく伸びると思われる。


PCMark 10 Battery Profile(Modern Office)の結果

今どきのゲーミングノートPCはこんなに強いのか……

 今回試したLegion Pro 7i Gen 10(5080モデル)は、同一構成のCTOモデルが約58万円だ。それだけに、現状考えられるノートPCとしてはかなり“強い”。プロゲーマーだけなく、色の正確性が重要なクリエイターにもお勧めできる1台だ。「パワフルなPCが欲しいけれど、置く場所がない」「3Dレンダリングや動画エンコードを高速に行える、持ち運べるPCが欲しい」という人にもピッタリだ。

 ただし、概要でも紹介した通り、個人的にはキーボードの一部のキーに違和感を覚えてしまう。US配列だとこの違和感が大きく薄れるのだが、現時点ではCTOオプションにキーボードの配列は含まれていない。筆者が気にしすぎなだけなのだろうか……?

 ともあれ、本製品はCore Ultra 9 275HXとGeForce RTX 5080 Laptop GPUのパワフルさを体感するにはベストな選択肢の1つだ。ぜひ、チェックしてみてほしい。

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