Core Ultra(シリーズ2)にデスクトップ/ハイエンドモバイル向けモデルが登場! これまでのIntel製CPUとの決定的な違い(1/5 ページ)
Intelが、Core Ultraプロセッサ(シリーズ2)に高性能デスクトップ向けの製品(開発コード名:Arrow Lake-S)を追加する。同時に、高性能モバイル向け製品(開発コード名:Arrow Lake-HX/H)が追加される
IntelがNPUを統合した「Core Ultraプロセッサ」を立ち上げてから、あと2カ月ほどで1年が経過する。第1弾となる「シリーズ1(開発コード名:Meteor Lake)」はモバイルに特化したCPUとなり、デスクトップ向け製品の投入は見送られた。
そしてこの2024年シーズンに登場する「シリーズ2」は、まず9月に薄型/軽量向けの「Core Ultra 200Vプロセッサ」(開発コード名:Lunar Lake)が登場した。こちらは設計に大幅な刷新が行われ、同社としては事実上初めてメモリモジュールまで統合したことに注目が集まった。
そして10月9日(米国太平洋夏時間)、シリーズ2のラインアップにデスクトップ/ハイエンドモバイル向けモデルが加わることが正式に発表され、そのアーキテクチャ面における概要が明らかとなった。いよいよ、Core Ultraプロセッサに性能重視型が登場することになる。
「Arrow Lake」の開発コード名で知られる性能重視型Core Ultraプロセッサ(シリーズ2)は、どのようなCPUとなっているのだろうか。本稿では、デスクトップ向けの「Core Ultra 200Sプロセッサ」を中心に、その素性を見ていきたい。
Arrow Lakeは「3種類」ある
今回発表された性能重視型Core Ultraプロセッサ(シリーズ2)は、ざっくり見ると2系統、細かく見ると3系統に分類できる。
1つ目が「Core Ultra 200Sプロセッサ」(Arrow Lake-S)だ。これはゲーミング向けを含む高性能デスクトップPCに搭載することを想定した製品で、デスクトップ向けの「Coreプロセッサ(第14世代)」の後継モデルとなる。
2つ目は「Core Ultra 200HXプロセッサ」(Arrow Lake-HX)だ。これはゲーミング向けを含む超ハイエンドノートPCに搭載することを想定した製品で、超ハイエンドモバイル向けのCoreプロセッサ(第14世代)の後継製品となる。
そして3つ目が「Core Ultra 200Hプロセッサ」(Arrow Lake-H)だ。こちらは、どちらかというとややパフォーマンス寄りのノートPCを対象とした製品で、Core Ultraプロセッサ(シリーズ1)のHシリーズの後継となる。本製品はCore Ultra 200S/200HXプロセッサよりも内蔵GPUの性能が高く、外部GPUに頼ることなくフルHD(1080p/1920×1080ピクセル)解像度程度であれば多くのゲームを動かせる。
設計面でいうと、Core Ultra 200SとCore Ultra 200HXは基本的なパッケージが共通しており、駆動時の電圧やクロックを搭載するマシンに合わせてアレンジしたものと考えればいい。なので、ざっくりとした分け方だと「Core Ultra 200SとCore Ultra 200HX」と「Core Ultra 200H」に分かれる。
そのため、まずCore Ultra 200S/200HXプロセッサがどんなCPUなのかを解説していく。なお、記事中で「Arrow Lake」と記載している部分については、Core Ultra 200Hプロセッサも含めた3種類のCPUで共通する事項について述べていると理解してほしい。
Core Ultra 200Hプロセッサは、LPDDR5X規格のメインメモリを搭載することを想定しており、Core Ultra 200S/200HXプロセッサと比べるとI/O(入出力)タイルとGPUタイルが大きいことが分かる
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