iPadOS 26発表、ウィンドウシステム刷新でマルチタスクが大幅進化 PDFを編集できる「プレビュー」アプリも
米AppleがiPadOS 26を発表、まったく新しいウィンドウシステムの導入により自由なサイズ変更とタイル表示が可能になり、初搭載のメニューバーやExpose機能でiPadの生産性が大幅に向上する。
米Appleが6月9日(現地時間)、iPadOSの最新バージョン「iPadOS 26」を発表した。iOS 26と同様にLiquid Glassデザインを採用し、新しいウィンドウシステムやファイル管理機能の強化など、iPadの生産性を大幅に向上させる機能を搭載する。
iPadOS 26は2025年秋に無料アップデートとして提供される。対応機種はiPad Pro(M4)、12.9型iPad Pro(第3世代以降)、11型iPad Pro(第1世代以降)、iPad Air(M2以降)、iPad Air(第3世代以降)、iPad(A16)、iPad(第8世代以降)、iPad mini(A17 Pro)、iPad mini(第5世代以降)。
新しいウィンドウシステムでマルチタスクが進化
iPadOS 26の最大の特徴は、新しいウィンドウシステムの導入だ。アプリウィンドウの右下にあるハンドルをドラッグすることで、ウィンドウサイズを自由に変更できるようになった。ウィンドウを画面端にフリックすると自動的にタイル表示され、2分割や4分割での表示も可能になる。
ウィンドウの左上には、閉じる、最小化などの操作ボタンが配置される。最小化したウィンドウはアプリアイコンをタップすることで復元できる。複数のウィンドウを開いている場合は、画面下から上にスワイプして長押しすることでExposeが起動し、全ウィンドウを一覧表示できる。
また、iPadにも初めてメニューバーが搭載される。画面上部から下にスワイプするか、カーソルを上部に移動することでアクセス可能で、アプリの機能を検索する機能も備える。この新しいウィンドウシステムは、iPadOS 26に対応する全てのiPadで利用できる。
ファイル管理機能が大幅に強化
ファイルアプリでは、新しいリスト表示により、サイズ変更可能なカラムや折りたためるフォルダで書類の詳細を確認できるようになった。フォルダにはカスタムの色、アイコン、絵文字を設定でき、これらの設定はデバイス間で同期される。
フォルダをDockに直接ドラッグして配置できるようになり、ダウンロードフォルダや頻繁に使用するフォルダへのアクセスが容易になった。また、特定のファイルタイプを開くデフォルトアプリを設定する機能も追加される。
新たにiPadに登場する「プレビュー」アプリは、PDFの閲覧・編集に特化したアプリだ。Apple Pencilによるマークアップや自動入力機能を備え、PDFフォームへの記入も簡単に行える。
クリエイター向けの新機能
オーディオ入力セレクタにより、アプリごとに異なるマイクを選択できるようになった。「声を分離」機能を使えば、周囲のノイズを遮断してクリアな録音が可能になる。AirPods 4やAirPods Pro 2では、マイクの音質が向上し、ポッドキャストや動画制作にも使える録音が可能になった。
「ローカル収録」機能では、ZoomやTeamsなどのビデオ会議アプリでの通話を録音・録画できる。コントロールセンターでオンにすると、自分側の音声と映像がiPadに保存される。他の参加者の音声はエコー除去され、自分の声がクリアに記録される仕組みだ。
「バックグラウンドタスク」機能により、動画のエクスポートなど処理時間の長いタスクをバックグラウンドで実行できるようになった。実行中のタスクはライブアクティビティーとして表示され、進捗状況を確認できる。
Apple Intelligence関連の新機能
Apple Intelligenceを活用した「ライブ翻訳」機能が、電話、FaceTime、メッセージに対応する。メッセージでは受信したテキストが自動的に希望の言語に翻訳され、FaceTimeでは話し手の声を聞きながら翻訳されたライブキャプションを確認できる。
「ジェン文字」の作成方法が拡張され、既存の絵文字から開始したり、髪の長さやアクセサリーなどの属性を変更したりできるようになった。Image Playgroundでは油絵風など、ChatGPTを活用した画像スタイルも選択できる。
ショートカットアプリには、作文ツールによるテキストの要約やImage Playgroundによる画像生成など、Apple Intelligenceを活用した新しいアクションが追加される。
その他の新機能
計算メモには3Dグラフ作成機能が追加され、3つの変数を含む方程式をグラフ化できるようになった。ツールパレットに追加される「葦ペン」は、ペン先の傾きに応じて線の太さが変わるカリグラフィ用のペンツールだ。
ジャーナルアプリがiPadに登場し、Apple Pencilによる手書き入力に対応。電話アプリもiPadで利用可能になり、保留アシストや通話スクリーニングなどの機能を搭載する。
デベロッパー向けベータ版は日本時間で6月10日から、パブリックベータ版は7月から提供開始される。
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