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Qualcommがミドルレンジ向け新型プロセッサ「Snapdragon 7s Gen 4」をリリース CPU/GPU性能が最大7%向上
Qualcommがミドルレンジスマートフォン向けの新型プロセッサ「Snapdragon 7s Gen 4」を発表した。先代比でCPU/GPUの性能が最大7%向上したことが特徴だ。
Qualcommは8月19日(米国太平洋夏時間)、スマートフォン向けの新型プロセッサ(SoC)「Snapdragon 7s Gen 4」を発表した。搭載製品は順次登場する予定だ。
Snapdragon 7s Gen 4の概要
Snapdragon 7s Gen 4は、ミドルレンジ端末向けのSoC「Snapdragon 7s」の第4世代製品となる。先代の「Snapdragon 7s Gen 3」と比べると、CPUコア(Qualcomm Kyro)とGPUコア(Qualcomm Adreno)共に最大7%のパフォーマンス向上を果たしたという。「Snapdragon Elite Gaming」の一部要件を満たすなど、ゲーミングもある程度楽しめる設計となっている。
主な仕様は以下の通りだ(通信速度は理論値)。
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- CPUコア:Qualcomm Kryo
- プライムコア:1基(最大2.7GHz)
- パフォーマンスコア(Pコア):3基(最大2.4GHz)
- 高効率コア(Eコア):4基(最大1.8GHz)
- GPUコア:Qualcomm Adreno
- HDR/10bit出力対応
- H.265/VP9デコーダー内蔵(HLG/HDR10/HDR10+/HDR vivid対応)
- NPUコア:Qualcomm Hexagon(INT4/16/32演算対応)
- 5Gモデム:ミリ波/Sub-6対応
- ミリ波は2キャリア/2x2 MIMO構成に対応
- Sub-6は4x4 MIMO構成に対応
- 下り通信速度は最大2.9Gbps
- Wi-Fi(無線LAN):Wi-Fi 6E(IEEE 802.11be)対応
- MU-MIMO対応
- 帯域幅は最大160MHz(最大2.9Gbps)
- Bluetooth:Bluetooth 5.4
- Bluetooth LE Audio対応
- 映像出力:10bitカラー対応、HDR10/HDR10+対応
- 内部ディスプレイ向け:最大1300×2900ピクセル/144Hz
- 外部ディスプレイ向け:最大3840×2160ピクセル/60Hz
- メモリ:LPDDR5-3200/LPDDR4X-2133規格に対応(容量は最大16GB)
- ストレージ:UFS 3.1に対応
- USB:USB 3.2 Gen 2に対応
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