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念願の10GbEに対応したMINISFORUMのミニワークステーション「MS-A2」を現役情シスが試す逸般の誤家庭にもピッタリ(1/3 ページ)

新モデルのMS-A2はわれわれ“逸般”の“誤家庭”ユーザーも満足できる仕様に大幅にアップグレードされたようだ。そこで、実機を手元に用意してMS-A2の詳細に迫っていこう。

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 MINISFORUMの「MiniWorkStation」シリーズ(以下、MSシリーズ)から、プロセッサに「Ryzen 9 9955HX」を搭載した新モデル「MS-A2」が6月に登場した。

 MSシリーズは、IntelとAMDのCPUを搭載したモデルがそれぞれ発売されてきたが、前モデルにあたる「MS-A1(AMD)」は「MS-01(Intel)」と比べて「10GbEに対応したSFP+ポートが無い」「PCI Expressスロットが無い」といった理由から、筆者も含めた“逸般の誤家庭”ユーザーからは少し物足りない物が多かった。

 (編集部注:「逸般の誤家庭」とは、自宅に業務用レベルの機材を導入してしまうような、一般ではない人がいるご家庭のこと)

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 しかし、新モデルのMS-A2は筆者のような逸脱したユーザーも満足できる仕様に大幅にアップグレードされたようだ。実機を手元に用意したので、MS-A2の詳細に迫っていこう。

MS-A2の外観をチェック!

 それでは早速外観をチェックしていこう。MS-A2はMSシリーズのデザインを踏襲しており、小型かつ薄型のミニワークステーションだ。

 前面には3.5mmコンボジャックの他、USB3.2 Gen 1のUSB Standard-Aポートが2基、USB 2.0のUSB Standard-Aポートが1基、搭載されている。読者の中には「なぜ2025年にもなって、USB 2.0ポートが搭載されているのだろう?」と疑問に思う方もいるかもしれないが、筆者からすると、よく考えられていると感じるポイントの1つだ。


MS-A2はMiniWorkStationシリーズの外装デザインを踏襲したシリーズ最新モデルだ

 USBドングルを使ったワイヤレスマウスやワイヤレスキーボードは、USB 3.0ポートで利用するとノイズが乗りやすく、チャタリングが発生しやすい。USB 2.0ポートであればノイズの影響を受けづらいため、USBドングルを挿すのにちょうど良いというわけだ。

 続いて背面を見てみると、左から10ギガビットイーサネット(GbE)の通信に対応したSFP+ポートが2基、2.5GbEポートが2基、DisplayPort Alternate Mode 2.0に対応したUSB 3.2 Gen 2のUSB Type-Cポートが2基、HDMI 2.1出力ポートが1基、USB 3.2 Gen2のUSB Standard-Aポートが1基、USB 3.2 Gen 1のUSB Standard-Aポートが1基と、ミニワークステーションとしては非常に充実したインタフェースが用意されている。


前モデルには搭載されていなかった10GbEのSFP+ポートが2基搭載されている

待望の10GbE対応! ワークステーションだけでなくサーバ利用も可に

 何よりうれしいポイントが、10GbEに対応したSFP+ポートが2基用意されたことだろう。なお、10GbE用のNICは「Intel X710」、2.5GbE用のNICは本体背面向かって左側に「Intel I226-V」、右側は「Realtek Gaming 2.5GbE」が採用されている。

 Intel I226-Vは以前よく聞かれた「通信が不安定になる」という問題を抱えていたが、ここ最近は筆者もIntel I226-Vを搭載した端末で不具合を確認していないため、特に利用においては問題ないと認識している。この配置であれば、Intel I226-Vをあえて利用しないこともできそうだ。


本体側面にある技適マークのステッカーは剥がさないよう気を付けよう。ここからはあくまで筆者の予想なので信ぴょう性はないが、Intel I226-VとRealtek RTL8125それぞれ搭載している理由は、今後MS-A2にAMD PROテクノロジーを採用したRyzen PROシリーズのCPUを搭載したモデルの発売が控えているからではと考える。AMD PROテクノロジーのうち、リモート管理機能にあたる「AMD Pro Manageability」のネットワーク要件として、Intel NICが含まれていないためだ。

 有線LANだけでなく、MS-A2はWi-Fi 6EとBluetooth 5.2のワイヤレス接続にも対応している。なお、ワイヤレスNICのコントローラーは「AMD RZ616」が採用されている。

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