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液タブメーカーのAndroidタブが豊作! XPPenの「Magic Note Pad」「Magic Drawing Pad」(2025年モデル)をプロ絵師が試した結果ある日のペン・ボード・ガジェット(1/5 ページ)

多数あるコストパフォーマンスに優れたAndoridタブレットの中で、液晶ペンタブレットメーカーのモデルはどのような仕上がりになっているのでしょうか。XPPen Technologyの最新モデルを、refeiaさんがチェックします!

 こんにちは! refeiaです。

 今日はXPPen Technologyの一体型タブレット「Magic Note Pad」と「Magic Drawing Pad(2025年モデル)」を見ていきましょう。2024年の「Magic Drawing Pad」の登場は、液晶ペンタブレットと同様のペンとアンチグレアガラスのディスプレイを備えたAndroidタブレットとして、鮮烈な印象を残しました。

 では、2025年発売されたこの2モデルはどうでしょう?

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 先代の弱点は解消されているでしょうか。また、7月に発売されたワコムの「MovinkPad 11」との勝負の行方も気になりますね。早速チェックしていきましょう。


左が8月発売の「Magic Drawing Pad」 (2025年モデル)、右が2月発売の「Magic Note Pad」です。同社の直販価格は、それぞれ6万9800円と6万5900円となっています

最初にざっくり結論

 今回は似たような2台を見ていくので、最初にできるだけネタバレしてしまっておきましょう。

 まずMagic Note Padは、お絵描き用途ではなく、「デジタルノート」として訴求されています。


10.95型のAndroidタブレット「Magic Note Pad」

 格安Androidタブレットの性能に、液タブ同様の画面と電磁気センサーのペンを追加したような製品です。

 イラスト用途は積極的にアピールされていませんが、CLIP STUDIO PAINTを始めとしたイラスト系アプリは普通に使え、描き味も悪くないため、デジタルイラストを学んだり趣味に使ったりするのにも適しています。セールなどで5万円前後になっていることが多く、その手軽さからも独特の魅力と立ち位置を確保できています。

 そして、Magic Drawing Pad(2025年モデル)は、2024年のモデルと比べてそれほど大きな差はないです。


12.2型のAndroidタブレット「Magic Drawing Pad」(2025年モデル)

 格安Androidタブレットとしてはメモリとストレージに余裕がある性能に、液タブ同様の画面と電磁気センサーのペンを追加したような製品です。

 Androidタブレットで手軽に液タブ同様の描き味を楽しめるという魅力は、先代から受け継いでいます。一方で、新しく追加された機能が粗削りなために、全体的な完成度としてはまちまちな印象になってしまっています。特に、ペンの完成度や描き味に優れたワコムのMovinkPad 11が同価格帯(直販価格で6万9080円)で出てしまった現在、本機を進んで選ぶのが容易ではない状況に陥っています。

 まず、タブレットとしてのスペックもチェックしておきましょう。


両モデルの主なスペックをまとめました

 いずれも格安タブレットで採用例の多いMediaTek Helio G99系のチップで、MovinkPad 11と団子状態です。Magic Drawing Padは何らかの理由で去年のモデルからチップが変更されているものの、性能向上はアピールされていません。CPUやGPUの内訳も確認しましたが、ほとんど同じで、実際の使用感も大差ないはずです。

 いずれのモデルも、処理が重いゲームには適していないものの、Webや動画、電子書籍などのタブレットが得意な用途は問題なく動作します。イラスト制作は、業務の製作のような重いものは厳しいですが、趣味やSNSに使う気軽なものなら十分こなすことができます。多機能なアプリも動くので、デジタルイラストを学ぶのにも適しています。

 また、両モデル共にパームリジェクションはペンのホバーに頼った処理になっているため、画面に手を置く時にペン先から入れていく癖をつけるのがおすすめです。

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