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アイリスオーヤマが法人向け掃除ロボットを2026年半ばに発売 ソフトウェアを含めてグループで“内製”したその心は?NTT西日本とも提携で基本合意(2/3 ページ)

アイリスオーヤマが、初めての“完全内製”をうたう産業用清掃ロボットを2026年半ばに発売する。そのメリットはどこにあるのだろうか。

JILBYの特徴は?

 JILBYは、床面の集塵(じん)清掃を自動で行うDX清掃ロボットだ。先述の通り、アイリスグループ傘下のシンクロボがソフトウェア開発を手掛けた他、ハードウェア(本体)は中国・大連にある自社工場で生産される。

 開発から生産/販売/サポートまでをアイリスグループ内で完結することで、ユーザーの要望に基づいたソフトウェアのアップデートや品質改善を進めやすくなった他、個別のニーズに応じたカスタマイズなどに柔軟に対応し、機能を拡張できるという。


全てをアイリスグループ内で完結させることで、機能改善のためのフィードバックや顧客ごとのカスタマイズなどがしやすくなった

 JILBYは、これまでアイリスオーヤマが発売してきたサービスロボットを通して得た知見をもとに開発されている。

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 本製品は清掃完了後に自動で充電ステーションに帰還する「自動充電機能」を備えつつも、バッテリーパックを着脱式とした。これにより、充電による非稼働時間を大幅に短縮できるようになった。また、汚れ具合や使用する環境に合わせた清掃ができるように「パワーモード」「ノーマルモード」「静音モード」の3つの稼働モードを用意している。

 さらに、本製品の正面には10型の大型ディスプレイを搭載することで操作性を向上しつつ、店内の販促への活用も可能とした。そして家庭用クリーナー(掃除機)事業の知見を活用した着脱しやすい紙パックの採用、メンテナンス性を高めるべく機体を傾けやすい構造の採用といった特徴も備える。


自動充電機能を備えつつも、バッテリーを着脱式とすることで充電に伴うダウンタイムを極小化できるようにした

3つの清掃モードを用意し、汚れ度合いや状況に応じた掃除(吸引)を行えるようにした

大型ディスプレイの搭載や紙パックの採用は、自社の他事業の知見を生かした結果だという

 JILBYは、カスタマイズを通して外部機器との連携も行える。例えばオフィスビルでよく見かけるフラッパーゲートは、通常は従業員証などがないと通過できない。しかし、本製品のソフトウェアをカスタマイズすることでJILBYが通るタイミングでゲートを開くといった制御を行うことができる。こうすれば、フラッパーゲート付近を掃除する際に人手がかからなくなる。

 カスタマイズでは「複数台のJILBYとの連携制御」「走行スピードの調整」「他機器と同一のプラットフォームでの接続」といったことも可能だ。もちろん、ソフトウェアの更新による清掃効率向上も行われる。

 シンクロボの小倉崇社長は、「ロボットメーカーとして、アイリスオーヤマは大きな一歩を踏み出した。(グループ内での)完全内製化によって、必要なロボットを必要なタイミングで顧客に提供できる。多くの販売実績に基づくフィードバックを元に、ユーザーインの開発ができるのも特徴である。また、大連工場での生産によって納期やコストのコントロールも可能になる。サービスロボットの開発から生産/販売/サポートまでの体制を構築しているのはアイリスオーヤマだけだ」と胸を張る。


ユーザーごとのカスタマイズ例。グループ企業のシンクロボが開発実務を担っているので、迅速に開発して展開することができるという

想定されるカスタマイズ(機能拡張)の例

シンクロボの小倉崇社長

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