主戦場はクラウドから「手元のAgent AI」へ COMPUTEXでNVIDIAとIntelが描いた次世代PCの姿:COMPUTEX TAIPEI 2026(3/3 ページ)
2026年6月に台北で開催された「COMPUTEX TAIPEI 2026」は、「AI Together」を掲げ、来場者11万人超という過去最大規模で閉幕した。2026年のトレンドを決定づけたのは、NVIDIAが13年ぶりに投入するWindows向けSoC「RTX Spark」の存在だ。本記事では、クラウドに頼らず手元で「Agent AI」を動かすという新たな潮流と、それに伴って将来のPCやモバイル端末に立ちはだかるであろう「電力と冷却」の壁についてまとめた。
コモディティー化への壁、その先の未来
サーバ中心だったAIは、今やノートPCへ降り始め、いずれモバイルへと裾野を広げていくだろう。COMPUTEXの直後に開かれた「WWDC26」でAppleが見せたオンデバイス志向、つまり「軽い処理は手元、重い処理はクラウドへ」という考えも、大きくは同じ方向を向いている。
むしろAppleは、モデルの最前線そのものより、OSへの統合とUX、ユーザーとAIをつなぐ最後のラストワンマイルに価値を移しつつあるように見える。Agent AIが手元で動くことが当たり前になれば、価値はどうユーザー体験を向上させるかへ移っていき、Appleはお得意のUXでここを取りにいこうとしているのだろう。
もっとも、Agent AIがコモディティー化するのにはまだまだ時間がかかるだろう。我々がローカルデバイスにAIを持つようになるまでの壁はチップの量産性とコスト、そして電力と冷却であり、特に後者の2つは大きな課題だ。
デスクトップPCなら電源に挿しっぱなしでエージェントを夜通し働かせられるが、ノートPCはバッテリー容量に制限がある。Agent AIは常時稼働することに価値があるが、ともすると電気を消費し熱を持つようになる。いかに熱効率がいいチップを作るか、いかに安定して電気を供給し効率よく冷却するかというデータセンター向けソリューションのモバイル版が求められるようになるだろう。
そういった壁を乗り越えた先には、仕事机の上、そしていずれは手のひらでAgent AIを回す未来があるのかもしれない。2026年のCOMPUTEXは、その入口を見せた展示会だった。
関連記事
NVIDIAが新型プロセッサ「RTX Spark」でWindows PCに“再挑戦” 搭載PCは2026年秋に登場
NVIDIAがWindows PCへの搭載を想定したプロセッサ(SoC)を、約13年ぶりにリリースする。AI全盛の時代において、AIを含むあらゆる処理が高速に行えることを前提にした設計としたことが特徴だ。「DGX Station for Windows」搭載PCってどんな感じ? NVIDIAの展示会場で見てきた
NVIDIAのデスクトップスーパーコンピュータ「DGX Station」にWindows版が登場する。NVIDIA GTC Taipei 2026の会場に3モデルが展示されていたので紹介する。コンパクトボディーにスパコン並みのAI性能! 「NVIDIA RTX Spark」搭載ミニデスクトップPCを見てきた
NVIDIAがWindows PC向けのSoC「RTX Spark」を発表したのだが、注目を集めるのはノートPC製品ばかり。そこでこの記事では、あえてデスクトップPCに注目してみたい。米MS、NVIDIAの新チップ・RTX Sparkを搭載した「Surface Laptop Ultra」発表 大規模AIモデルをローカル実行
米Microsoftは、NVIDIAの新型Armプロセッサ「RTX Spark」を搭載した高性能ノートPC「Surface Laptop Ultra」を発表した。強力なAI演算性能を備え、大容量のAIモデルをローカル環境で実行できる。所有しているのに、手元にないように感じる不思議さ ミニスパコン「NVIDIA DGX Spark」と過ごした1カ月
NVIDIAからミニスパコン「NVIDIA DGX Spark Founders Edition」を借りて約1カ月ほど使ってみた。すると、使ってみないと分からないことがいろいろあることに気が付いた。この記事でまとめてみたい。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.