レビュー

13万円切りでCore Ultra 9 185H搭載! 片手で持てるミニPC「GEEKOM IT13 Max」のコスパと実力を検証する(2/3 ページ)

GEEKOMから、Intel Core Ultra 9 185Hを搭載しながら12万9900円という価格を実現したミニPCが「GEEKOM IT13 Max」だ。容積約0.9Lの小型ボディーに充実のインタフェースを備え、常駐マシンや開発用途などにも適した1台だ。実機を見ていこう。

ベンチマーク:スロットリングは発生 それでもスコアは健闘

 ここからは、ベンチマークのスコアを確認していこう。比較用として、「GEEKOM IT15」(Core Ultra 9 285H/32GB)、「GEEKOM GT13 Pro」(Core i9-13900HK/32GB)のレビュー時のスコアを併記する。

 まずCPU性能を測るCINEBENCH R23の結果だが、マルチコアが1万4785pts、シングルコアが1358ptsだった。185H搭載機としてはやや低めのスコアという印象だ。


CINEBENCH R23のテスト結果

 実際、テスト中にHWiNFO64でセンサーを確認すると、コア温度は最大101度に達し、サーマルスロットリングの発生が記録されていた。メーカーは冷却システム「IceBlast 3.0」によりサーマルスロットリングを排除したとうたっているが、高負荷が続く場面では熱による性能低下を避けられていない。

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 IT15のレビュー時も同様の挙動を確認しており、やはりこのサイズのボディーで最近のハイエンドCPUの性能をフルに引き出すのは難しいのだろう。


ユーティリティーで見ると、サーマルスロットリングが発生している

 PCの総合的な性能を計測するPCMark 10のスコアは7945だった。内訳は、基本的なPC作業のEssentialsが9343、オフィスワークのProductivityが1万4458、写真や動画などの編集を測るDigital Content Creationが1万74だった。

 なお、Productivityの1万4458というスコアは同クラスのCPUと比較して突出して高いが、これはCPUの処理能力差というよりも、計測に使われたワークロードバージョン(v2.0)による違いが主な要因だ。

 PCMark 10は2025年12月のアップデートでテスト内容が刷新されており、UL自身も「それ以降のスコアは旧バージョンと比較できない」としている。IT15のレビュー時のスコアは旧バージョンでの計測のため、総合やProductivityの単純比較はできない。

 唯一、刷新の影響を受けていないDigital Content Creationで比べると、IT15の1万1682に対して本機は1万74だった。285Hとの世代差が素直に出た格好だが、写真編集などで問題を感じにくい水準ではある。いずれにせよ、一般的なオフィスワークで不満を感じる場面はほとんどないだろう。


PCMark 10のテスト結果。GEEKOM IT13 Maxは、Office系アプリケーションの処理性能を測るProductivityのスコアが突出して高いが、これは使用したワークロードバージョンの違いによるものだ

 オフィスアプリの実務性能を測るUL Procyon Office Productivityのスコアも「6145」と良好だった。このスコアが6000以上であれば、重いExcelでの処理やソルバー機能なども快適に使えるとのことだ。


UL Procyon Office Productivityのテスト結果

 グラフィックス性能を測る3DMarkの結果は、下記の通りだ。


3DMarkのテスト結果

 内蔵GPUとしては標準的なスコアで、フルHD解像度で画質設定を調整すれば、軽め~中量級のゲームは実用的に遊べる水準だ。ただし、レイトレーシングを含むSpeed Wayは「481」、Port Royalは「1601」となっており、レイトレーシングを使う最新の重量級タイトルは現実的ではない。本格的にゲームをするなら、USB4経由で外付けGPUを組み合わせる手もある。


Speed Wayのテスト結果

ローカルLLMはどこまで動く?

 AI PCをうたう本機で気になるのが、ローカルLLM(大規模言語モデル)の実行だ。ブラウザからハードウェア構成を判定する「CanIRun.ai」でチェックしたところ、Llama 3.2 1BやGemma 3 1Bといった1Bクラスの超軽量モデルであれば毎秒42トークン程度で快適に動作するという判定だった。


CanIRun.aiの判定結果。1Bクラスのモデルは「RUNS WELL」となっている

 ただ、正直なところ、1BクラスのモデルをローカルPCで動かす実用的な意味は薄い。応答の品質はクラウドのLLMと比べるべくもなく、これを目的に本機を選ぶ理由にはならないだろう。

 むしろ、Claude Codeのようなエージェント系の開発ツールを常時稼働させ、外部からアクセスして使う「小型常駐マシン」としての運用が現実的だ。省電力な小型ボディー、デュアル2.5GbE対応の有線LAN、Wi-Fi 7の無線LANという構成はこうした使い方に合っている。Linuxにも対応しているので、開発用サーバとして運用する選択肢もありそうだ。

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