Mac miniから始まる「M6」世代――初の2nmチップと、超絶物量のMac Studioを読み解く:本田雅一のクロスオーバーデジタル(4/4 ページ)
新しい「Mac mini」は、新しい「M6チップ」を搭載している。新しいApple Siliconのお披露目にモバイルでない製品を選んだのはなぜなのだろうか。同じく新しい「M5 Ultraチップ」を搭載した「Mac Studio」と交えて考察したい。
新しい「Mac Studio」は“圧倒的物量”が強み
新しいMac Studioの下位モデルには、3月に発表されたMacBook Proと同じくM5 Maxチップが搭載される。
M5 Maxチップは最大18基のCPUコア、最大40基のGPUコアを備え、メモリの容量は最大128GBとなる。メモリ帯域は最大毎秒614GBで、GPUは「M4 Maxチップ」比で最大50%、AI性能は最大3.9倍高速になっている。公式のベンチマークテストの結果を見ても、確実に速くなっている。
その上で、上位モデルに搭載されるM5 Ultraチップは“物量”に驚かされる。
まず、M5 UltraチップはApple Silicon初の「クアッドダイ構成」である。ベースとなるM5 Maxチップがそもそも2枚のダイをつないだチップで、ダイ間帯域毎秒4.4TB/接続密度6倍超という次世代「UltraFusion」(インターコネクト)を使って2基のチップを結合している。
ソフトウェアからは4枚のダイが1個のチップに見え、SoC全体で1つのユニファイドメモリを共有する。CPUは最大で「Sコア12基+Pコア24基」の36コア構成で、M5 Maxチップの「Sコア6基+Pコア12基」がそのまま2倍になった格好だ。性能は「M3 Ultraチップ」比でシングルスレッド最大1.25倍、マルチスレッド最大1.3倍となっている。
GPUコアは最大80基で、GPUを使ったAIのピーク演算性能はM3 Ultraチップ比で最大4.5倍となる。メモリは最大512GBまで搭載可能で、その帯域は毎秒1.2TBに達する。
そして動画のデコーダー/エンコーダーを統合した「Media Engine」は桁が違う。エンコード/デコードエンジンはH.264/HEVC/ProRes(4基)に対応している上に、AV1のハードウェアデコードも可能だ。エンコード/デコードブロックはM5 Maxチップの2倍を備え、8K/30fpsの「ProRes 422」動画を最大33ストリーム同時再生可能だ。8K動画を、33本である。
ストレージはPCI Express 6.0接続の新アーキテクチャSSDで、読み書き共に先代比で最大2倍のパフォーマンスを備える。Thunderbolt 5端子はM5 Maxチップ構成で4基、M5 Ultraチップ構成で6基(うち2基は前面)に用意し、最大4台のクラスタリング動作にも対応する。無線回りに「Apple N1チップ」を採用することでWi-Fi 7とBluetooth 6.0にも対応した。
ディスプレイは最大8台接続可能で、純正の「Studio Display XDR」なら5K/120Hz出力で4台つなげる。
単体比最大3倍というAI推論性能の中身は、今後精査したい。
少し長くなったので、Appleの発表で入り交じった“数字”の話や、新しいMac mini/Mac Studioの価格に関する評価は、別の記事として掲載したい。
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