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目玉は“可変絞り”だけではない――「iPhone 18 Pro」を先んじて使って分かったこと本田雅一のクロスオーバーデジタル(2/4 ページ)

先行レビュー用として、Appleから「iPhone 18 Pro」「iPhone 18 Pro Max」の貸出機が手元に届いた。実際に使ってみると、メインカメラの可変絞りよりも注目すべきポイントが複数あることが分かった。

「メモリ帯域50%増」はローカルAIの速さに出るか?

 A20 Proチップにはもう1つ、目立たない“数字”がある。メモリ帯域が50%増えているのだ。

 オンデバイスでAIを動かすとき、結果を出力する速度に一番影響するのがメモリ帯域だ。応答性は計算速度で高められても、生成AIが出力するデータのスループットは、メモリに支配されてしまう

 MacでもiPad Proでも、ローカルでLLMを動かしたときの速さは、CPUの世代よりメモリ帯域の速度に比例してきた。ならば、iPhone 18 ProでローカルAIモデルを動かせば、メモリ帯域の差がそのまま数字に出るはずである。

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 今回、iPhoneでも動作可能な「MLX」(Appleの機械学習フレームワーク)で構築されたローカルLLMアプリを使って、iPhone 17 ProとiPhone 18 Proで同じAIモデル(Qwen3 4B 4bi)を実行してみた。

 ピーク性能(トークンの出力数)に少しの違いが出るのはもちろんだが、最も異なるのは出力の“持続性”だ。iPhone 17 Pro(A19 Proチップ)では、長文出力性能が最大38%低下するのに対して、iPhone 18 Pro(A20 Proチップ)では15%以下に抑えられている。

 ローカルでAI機能を動かすという観点では、Neural Engineを2基構成にしたことも大きな違いをもたらす。この変更はMac向けの「M6チップ」と同様で、発熱による制約が厳しい中で、AIの演算を効率よくこなすためのものだ。この効率向上は、カメラの画像処理でも大きな役割を担う。

 GPUコアの「ニューラルアクセラレーター」がFP8演算時で最大2倍の処理性能となったことと合わせると、A20 ProチップはAI特化型の進化をしたSoCであるともいえる。

iPhone 17 Pro(左)とiPhone 18 Pro(右)でローカルLLMの動作パフォーマンスを比較する

「可変絞り」はカメラに何をもたらすか?

 iPhone 18 Proシリーズでは、4800万画素のメインカメラに機械式の絞りが組み込まれた。これにより、開放のF1.48から始まり、F1.8/F2.8/F4.0の4段階の絞りを入れることが可能になった。

 絞りは、レーザーカットした髪の毛より薄い6枚の羽根をローター機構で動かすようになっている。デフォルトは自動調整で「F1.8」となるが、暗所では光をより集めるべく「F1.48」となる。これはF1.8比で約50%明るい。「F2.8」はより深い被写界深度、「F4.0」は最大の被写界深度を得るために用意されている。

 Appleによると、自動調整は「光」「被写体」「動き」の組み合わせで行い、暗い場所で1人を撮れば開放(F1.8)となり、複数人が入ればF2.8まで絞って全員にピントを合わせにいくのだという。F値は手動で選ぶことも可能で、F4.0にすると点光源に光条が出て、開放に戻すと羽根が閉じていくのが目で見える。

 ただし、この可変絞りに過度な期待は禁物だ。このセンサーサイズでは、F1.48でも35mm判換算での被写界深度はF5.2相当でしかない。F4.0は35mm判換算でF14相当になる。絞りを開けても大きくはボケないし、絞ればほぼ全部にピントが合う。そして絞りすぎると回折が出て画質が下がるため、F4.0よりは絞れない。計算上でもF4.0が解像度の限界で、それ以上絞る意味はない。

 「では、なぜ可変絞りは入ったのか?」という疑問に対する答えだが、その1つとして光条線の表現や、絞り優先AEによる撮影を考慮したのだと思われる。しかし、絞りの搭載で得られる実利は「暗所で1.5倍近い光を取り込めること」「明るい場所でシャッター速度を落とせること」の2点にあると思う。

 滝や車のライトを流して撮るといった、これまでのiPhoneでは“無理”だった撮り方ができるのは強い。


iPhone 18 Proシリーズで特に注目を集める可変絞り付きメインカメラだが、過度な期待は禁物である

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