全機種とも“Core 2”へ移行〜2007年夏モデルで新世代に突入したLet's note

インテルの「Core 2 Duo」に最新プロセッサが登場したことで、Let's noteシリーズも新たなレベルへと飛躍を遂げた。「R6」「T5」「W5」では超低電圧版のU7500を採用し、処理速度を向上。さらに、「Y7」では最新のモバイル向けプラットフォーム“Santa Rosa”が導入されている。

» 2007年05月18日 00時00分 公開
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 松下電器産業のモバイルPC“Let's note”シリーズの2007年夏モデルが発表された。従来と同じく、モバイル性能に優れた「R6」、長時間駆動が可能な「T5」、ドライブ内蔵の「W5」、そして、14.1型大画面を搭載した「Y7」がラインナップとして揃い、基本的な特徴は2007年春モデルから継承している。ただし、今回のモデルチェンジでは、全モデルに共通する大きな“変更”が実施された。それは、Intel Core 2プロセッサの搭載だ。

 Let's noteでは(モバイル性能とともに、デスクトップPC並みの基本性能も実現するYシリーズを除き)、長時間駆動とファンレス動作を確保すべく、消費電力と発熱量が抑えられた超低電圧版のCPUを採用するのが常となっている。これまでR/T/Wシリーズでは、Pentium M、Core Solo、さらにCore Duoへと、CPUを乗せ変えてきたが、そのすべてにおいて超低電圧版を選択してきたわけだ。

 そして、インテルは今年4月に、Core 2では初めての超低電圧版プロセッサとなる、「U7500」および「U7600」をリリース。これを受け、Let's noteも満を持して“Core 2”世代へと突入したのである。この超低電圧版は発熱量の指標となるTDP(Thermal Design Power)が10Wで、超低電圧版Core Duoの9Wよりはほんの少し上回るが、低電圧版Core 2 Duoの17Wと比較すれば、かなり低く抑えられている。松下電器産業では、超低電圧版Core 2 Duoの採用に至るまでに、インテルとの省電力の共同検討を重ねてきたという。

R/T/Wは超低電圧版Core 2 Duoの搭載で、約10%の性能アップを実現

photo 超低電圧版Core 2 Duoを搭載した、Let's note 2007年夏モデル「R6」「T5」「W5」

 2007年夏モデルの「R6」「T5」「W5」が採用したU7500(超低電圧版Core 2 Duo)は、動作周波数1.06GHz、フロントサイド・バス533MHz、2次キャッシュ2MBと、スペックだけを見れば、従来モデルが搭載していたU2400(超低電圧版Core Duo)と変わらない。しかし、CoreとCore 2はブランドこそ同じものの、内部的には大きく異なっている。電力効率の高さという共通の特徴を持ってはいるが、アーキテクチャとしてはまったく別物といえるわけだ。その分、今回の2007年夏モデルでは、CPU変更だけをとっても、約10%の性能向上が見込めるという。

 また、メインメモリは全機種とも標準1GB搭載となった。2007年春モデルからWindows Vista Businessを導入したこともあり、これはいわば当然の措置ともいえるだろう。今回は2007年夏モデルのうち、「R6」(店頭販売モデル)を試用してみたが、やはり、動作は全般にやや高速に感じられた(1GB搭載にともない、Windows Aeroもデフォルトで有効になっている)。Windows Vistaの「Windowsエクスペリエンスインデックス」を2007年春モデルのスコアと比較すると(ただし、ともに試作機)、サブスコアがプロセッサで4.0から4.3へ、メモリは2.9から4.2へ、また、ハードディスクも4.5から5.0へと向上している(80GB容量へとハードディスクのモデルが変更されたためだろうか)。

photo OSはWindow Vista Businessを搭載。Core 2への移行も性能を引き上げているが、メインメモリが標準1GBになった点も大きいといえるだろう

 ただ、処理速度にもまして気になるのは、CPU変更によりバッテリー持続時間がどれほど落ちてしまうのかという点だろう。試作機ということもあり、厳密にテストを行ったわけでないが、たとえばムービーの連続再生など、継続して一定量のCPUパワーを使う場合でも、Core 2になってもあまり遜色がないように感じた。

 また、通常の使用状態では、CPUの処理速度の向上により各タスクが(以前と比べれば)短時間で終了するわけで、その積み重ねで実質的な動作時間は減少するはずだ。Core 2に搭載されている各種省電力機能の助けもあってか、それほど大きな持続時間の低下は感じられない。せいぜい5〜10%前後の差といったところだろうか。ちなみに仕様上でのバッテリー駆動時間は、7.5時間となっている。

photo Windows Aeroがデフォルトで有効になっているため、Windowsフリップ3Dによるタスク切替も利用可能

“Santa Rosa”導入で、基本性能に加えてグラフィック性能も向上した「Y7」

 ほかのモデルから少し遅れ、5月10日に発表された「Y7」では、インテルからリリースされたばかりの最新版のCentrinoモバイルテクノロジー(Santa Rosaというコードネームで呼ばれていたもの)を導入。CPUはL7300(低電圧版Core 2 Duo)、チップセットはGM965、無線LANユニットにはIntel Wireless WiFi Link 4965AGN(※)を採用している。※IEEE802.11nには対応していません。

photo 約1520グラムの軽量ボディを維持しつつ、デスクトップPC並みの性能を搭載した「Y7」。LAN端子も1000BASE-T対応となっている

 L7300は、2007年春モデルで搭載していたL2500(低電圧版Core Duo)と比較すると、動作周波数は1.4GHzと落ちるものの、フロントサイドバスが667MHzから800MHzへと大幅に引き上げられており、2次キャッシュも2MBから4MBへと倍増している。もちろん、前述のとおり、Core 2には性能面でさまざまな優位性がある点はいうまでもない。

 Core 2では、クロックサイクルあたりの命令実行効率を高めた「ワイド・ダイナミック・エグゼキューション」、ストリーミングSIMD拡張命令実行時に128ビットの命令を 1クロックサイクルで実行可能な「アドバンスト・デジタル・メディア・ブースト」といった処理性能の改善に加え、2次キャッシュを共有することでマルチコアに最適化した「アドバンスト・スマート・キャッシュ」など、キャッシュ関連の新技術も実装ずみだ。

 また、電力管理は「インテリジェント・パワー・ケイパビリティー」が効率的に行うが、モバイル向けのCore 2 Duo(および、それを核として構成されるインテルCentrino Duo モバイル・テクノロジー)では、これ以外にも省電力関連の新技術が多数盛り込まれている。動作周波数/電圧の変更(EIST)やスリープ移行の制御(Cステート)を各コアで個別に行える「ダイナミック・パワー・コーディネーション」、CPUの動作が低周波数モードになると、それに連動してチップセットの電力消費も抑える「ダイナミック・バス・パーキング」、非アクティビティ時にはキャッシュ内のデータをシステムメモリへ移し、CPUの動作電圧を下げる「拡張版ディーパー・スリープ」などである。

 また、チップセットのGM965には、GMA X3000(デスクトップ向けのG965に搭載されているGPU)をモバイル向けに拡張した「GMA X3100」が内蔵されているため、グラフィック性能の向上も大いに期待できる。ほかに、LAN端子がGigabit対応になった点にも注目すべきだろう。

「R6」のカラー天板には2つの新色が登場。ポータブルMULTIドライブにもカラーモデルが

 前述のとおり、メインメモリは標準1GBで、オンボード512MBに加え、拡張メモリスロットに512MB増設ずみというかたちだ。ただし、これは店頭販売モデルに限った仕様であり、松下電器産業のモバイルパソコン直販サイト「マイレッツ倶楽部」では、オンボード512MBのみ(拡張なし)の構成も継続して販売される。もちろん、“オンボード1GB”オプションも選択可能だ。

photo 店頭販売モデルは全機種ともメインメモリが標準1GBとなり、オンボード512MBに加え、拡張メモリスロットに512MBが増設されている

 店頭販売モデルで最大搭載容量の1.5GBまでメモリを増設するためには、本体に標準装着ずみの512MBメモリを外して、1GBメモリへと取り替える必要があるが、マイレッツ倶楽部では購入時に、512MB、1GB(オンボード1GB、または、オンボード512MB+増設512MB)、1.5GB(オンボード1GB+増設512MB、または、オンボード512MB+増設1GB)、そして、2GBと、自由にメモリ容量を選択可能だ。

 また、マイレッツ倶楽部では、オリジナルカラー天板として、Y7は全6色(標準のシルバーフェザーを含む)、W5/T5は全11色を展開中だが、R6に関しては新色として「オレンジコンポート」と「ブルーベリー」が追加され、全9色へとバリエーションが広がった。

 さらに、ポータブルMULTIドライブ「LF-P968C」のマイレッツ倶楽部オリジナルカラーモデルも発売開始ずみだ。「レッド」と「ブラック」の2色が用意されているので、たとえば、T5の「キールロワイヤル」(ITmediaコラボレーションカラー)や「ギャラクシーブラック」、あるいは、R6の「レッドベリー」や「ブラックストーン」と、同系統の色で揃えるのもいいだろう。

photo Let's noteのカラー天板をイメージした、ポータブルMULTIドライブ「LF-P968C」のカラーモデルは、マイレッツ倶楽部限定で販売。USBバスパワーによる駆動時でも、DVD-R/+Rなら8倍速、DVD-RWは6倍速、DVD+RWは4倍速、DVD-RAMは5倍速と、AC電源接続時と同等の転送速度で書き込みが可能だ

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提供:松下ネットワークマーケティング株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年6月17日