SV120hにファイルを集約すると、LAN内だけでなく「外出先」でも便利になる。例えば、オフィスや外出先、あるいは喫茶店などから、自宅PCの共有ファイルを参照したり、LAN内のクライアントPCをリモートアクセスやリモートデスクトップで操作できるようになるのだ。
もっともリモートアクセス機能はWindows Home Serverを用いなくても、WindowsのPPTP(Point to Point Tunneling Protocol:暗号通信のためのプロトコル)接続や、ルーターのVPNサーバ機能などを用いることでも実現できる。ただ、どちらの方法もルーターとクライアントPC、双方の設定が必要であり、導入にはセキュリティ意識も含めたやや高度な設定が必要だ。やはり手軽とは言いにくく、「外部から自宅PCにアクセス」はやってみたいけど諦めたという人は決して少なくないだろう。
その点、SV120hはLAN上のクライアントPCからかなり簡単に「外部から自宅PCにアクセス」の設定が行える。手順としては、Windows Home Serverコンソールを起動し、設定メニューからリモートアクセスを選択して設定を進めていくだけだ。リモートアクセスの「有効」ボタンをクリックすると自動設定が始まり、ルーターの構成(UPnP対応ルーターの自動設定)を自動で行ってくれる。あとは、マイクロソフトが用意するWindows Live ID(無料で取得可能)を利用してリモートアクセス用のドメインを設定するだけだ。このドメイン名が外部からアクセスする、いわゆるURLになる。
一部、ルーターの構成設定が自動でうまくいかない場合もある。このときはルーターを手動で設定する必要があるが、この場合も3つのポートをSV120hのIPアドレスへ転送するように設定するだけでよい(この場合は、SV120hを原則として固定IPアドレスにする必要があり、作業にはディスプレイとキーボード、マウスの接続が必要と、少々面倒になる)。
ただし、MACアドレスをポート転送先に指定できるルーター機器は、IPアドレスの代わりにMACアドレスを指定すると解決する場合がある。例えばフレッツ光のレンタルルーターにもなっているNECアクセステクニカ製のルーターは自動設定がうまく働かなかったが、ポート転送先をMACアドレスに指定することで正常に機能した。
「リモートアクセス」は、インターネットに接続したPCでInternet Explorerを起動し、URLとして設定したドメイン名(xxxxxx.homeserver.com)を入力すると行える。このほかにクライアントPCの設定を手動変更する必要がないので、持ち運ぶ自分のノートPCやNetbookでそのまま使用できるのはもちろん、ちょっと友人からPCを借りて作業したり、ネットカフェのPCや旅行先のホテルに設置されるPCなどでも利用できる。導入はもちろん、利用もきわめて手軽なのだ。
LAN内のPCを外部ネットワークのPCで操作する「リモートデスクトップ」(※)も、一覧から操作したいPCをクリックだけで利用できる。あらかじめ表示する解像度を選択でき、あたかも自宅のPCの前にいる感覚で操作できるフルスクリーン表示も可能だ。画面が変化した差分だけを転送する仕組みにより、実測値3Mbpsほどの公衆無線LANスポットなどでも大きなストレスなく自宅のPCを操作できる。(※ リモートデスクトップ接続は、接続したいPCがWindows Vista Ultimate/Business、Windows XP Professionalを導入している必要があります)
このほか、手元で操作したPCのドライブを、リモートデスクトップで操作したPCへネットワークドライブとして公開することもできる。この機能により、手元のPCとリモートデスクトップで操作した自宅PC間で自由にファイルをやりとりできるうえ、手元のPCにあるファイルを自宅PCにインストールするアプリケーションで開くことも可能になる。テストの範囲では、巨大な動画ファイルなどの取り扱いは少々無理があったが、テキストファイルやWord、Excel、PowerPointといったオフィスファイルであれば、少々待つ程度で読み込めた。
このように、Windows Home Serverを搭載した「Endeavor SV120h」を導入するだけで、LAN接続されたPC環境を一気にスマートにし、リモートアクセスというブロードバンド接続時代ならではの「1歩進んだ」便利な使い方を可能にしてくれる。今回紹介した利用シーン以外に「それならば、このように活用してみよう」と応用例が思い浮かんだ人もいるのではないだろうか。
特にストレージ容量を自在に拡張できる機能──サーバながら、特別な知識なしに「必要な時に必要なだけHDDを増設できる」特徴は、Windows PCをメインに使う家族やSOHO、小規模オフィスでの利用に大変適している。このほか、Netbookや低価格化したPCとともに家庭に導入するPCも「1人1台」が当たり前になり、ワイヤレスWANやモバイルWiMAXサービスの普及で「家でも外でも」の環境が当たり前になっていく中、「自宅のPCにも自由にアクセス」のニーズはさらに高まってくることだろう。
PC環境のシンプル化のためにNAS製品の導入を検討した人はもちろん、PCのバックアップ環境をトータルで整備したい、あるいはリモートアクセス環境を構築したいと思う人は、最小構成例で6万4890円から購入できるSV120hは「やりたかったこれができる」ようになる魅力的な製品になるはずだ。
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提供:エプソンダイレクト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2009年6月30日