スマホはもちろん、一眼デジタルカメラでも写真の「高画質化」「高画素化」が進んでいる。そんな時代だからこそ、写真や動画の保存方法にはこだわりたい――そんな人にお勧めなのが、QNAPのAI NAS「TS-AI642」だ。AIによって写真の整理がどう変わるのか、チェックしてみよう。
ChatGPT、Bing Chat、Midjourney、Stable Diffusionなど、最近はAI(人工知能)に関するニュースを見ない日はないほどに、AIは急激な進化と普及が進んでいる。AIが今までの生活を一変させることに異論を挟む人は、もはやいないだろう。
一見すると、さまざまなデータ(ファイル)を保存する「NAS」は、AIと無縁なように思える。しかし、AIを利活用する動きは、NASにも及んでいる。このことは、QNAPのNASも例外ではない。
同社のNASには、「NPU(Neural Processing Unit)」と呼ばれる機械学習ベースのAIの処理スピードを向上する機構を備えるSoC(System-on-a-Chip)を採用するモデルが幾つかある。とりわけ、8月に発表された「TS-AI642」は、同社のNASとしては初めて型番に“AI”を含み、強力なAI機能を備えることをアピールしている。
ただ、「NASでAI機能を使う」といっても、あまりピンと来ない人もいるだろう。そこで今回は、NASの利用シーンとして人気を集めつつある写真の保存や整理を通して、QNAPのAI NASがもたらす“変化”を見ていこう。
スマートフォンのカメラは、高画素/高画質化が著しい。「もっとディティールや解像感のある写真を撮りたい」というニーズに応える形で、レンズ交換式のデジタルカメラも、高性能なボディー/レンズが人気を博している。
ある意味当たり前かもしれないが、スマホやデジタルカメラで撮影する映像は、基本的に画素数(解像度)が高いほど画質が高まる。ハイエンドなスマホやレンズ交換式デジタルカメラでは、4000万画素超のカメラセンサーを採用している。スマホでは2億画素という超高画素センサーを搭載する事例も出てきた。
スマホとデジタルカメラで「高画素化」の目的は少し異なる。スマホの場合はどちらというと「デジタルズームの画質改善」と「受光性能(明るさ)の向上」を両立する手段であり、デジタルカメラでは「ディティールの描画をよりきめ細かく行う」ためという意味合いが強い。
ともあれ、撮影した映像を楽しむための出力装置(ディスプレイやTV)も、ジワジワと高解像度化が進んでいることと相まって、撮影する写真はできるだけ高画質のまま保存することが望ましい。
だが、カメラの高画素化と高画質化が進めば、1つ1つの写真のファイルサイズは当然に大きくなる。最近では、不可逆圧縮のJPEG形式で保存しても1枚当たり20MB程度ということも珍しくない。撮影した映像を“そのまま”保存するRAW形式だと、1枚当たり100MBは優に超える。
そうなると、写真の保存について、あれこれと悩むことが多くなる。大きく3点に分けて、ありがちな悩みと解決方法を簡単にまとめてみよう。
子どもの成長やイベント、貴重な瞬間など、“そのとき”にしか撮れない写真は多い。だからこそ、高画質で撮りたいと思う気持ちも強いだろう。
しかし、スマホやデジタルカメラには、常に破損や水没、紛失や盗難といった危険にさらされがちだ。とりわけ海外の一部では、ハイエンドなスマホやデジタルカメラを狙う強盗犯もいる。保存メディアごと“思い出”が失われたら、たまったものではないだろう。
【解決方法】
そもそも、消えてしまったら困るファイルは、小まめにバックアップを取ることをお勧めする。万が一スマホやデジタルカメラ、記憶メディアが壊れてしまったとしても、“思い出”をしっかりと残せる。
バックアップを取る方法はいろいろあるが、プライベートな写真をメインに保存するならNASをお勧めしたい。NASはデータを手元に置けるだけでなく、自宅内や家族や知人との共有がしやすいことがメリットだ。
「実家の両親に孫の写真を送る」「知人との旅行の写真を共有する」といった際に、LINEやSNSを利用するという人は多いと思う。ただ、これらのサービスに写真をアップロードする場合、自動的にリサイズ(解像度の変更)やファイルサイズの縮小が行われる。普段はそれで問題ないだろうが、より高画質な写真をやりとりしたい場合は、別の方法を検討する必要がある。
……と、検討するのはよいのだが、複数の写真を一気に共有する場合、ファイルの整理や共有範囲の設定が面倒になることもある。共有する相手同士に面識がない場合は、個別に共有/送信しなければならないのも手間だ。
【解決方法】
写真の保存にクラウドストレージやNASを使っている場合、共有機能を使えば大きな手間を掛けずに複数の人と写真を共有できる。ファイル/フォルダーをいちいち選別する必要もないので、ダウンロードする相手が無駄な通信料を消費することもない。
通常、スマホやデジタルカメラは、写真のファイル名を「日付」や「連番」で付けるようになっている。そのため、写真の“内容”を判断するには、少なくともサムネイルを見ないといけない。
ファイル名やタイムスタンプ(保存日)を頼りにして「撮影した月」でまとめる程度なら、手動でも簡単に区分けできる。しかし、「息子の写真」「娘の写真」「ペットの写真」といった被写体の内容で分けるのは、特に撮影枚数が多い場合は人力では難しい。
もっといえば、「家族旅行の写真」はイベント単位でまとめたいと考えると自然だが、それと同時に「息子の写真」としても、あるいは「娘の写真」としても一覧で見られるようにしたいと考える人も多いと思う。力技だが、「同じ写真を複数のフォルダーに入れる(コピーする)」という手もないわけではない。
しかし、同じファイルを複数のフォルダーに入れるのは、ある意味で“容量の無駄遣い”となってしまう。とりわけ、写真は1枚1枚のファイルサイズが大きいため、この“無駄遣い”は結構大きく響いてしまう。
【解決方法】
昨今のNASでは、アドオンソフトウェアとして「写真整理(アルバム)アプリ」を導入できる。これを使うと、写真の整理や管理がしやすくなる。「アルバム」を作成すれば、実際のフォルダー構造とは関係なく写真をピックアップできるので、容量の無駄遣いも抑えられる。
とりわけ、AI機能を搭載する写真整理アプリなら、写真をバックアップするだけで被写体を自動的に認識して、フォルダーやアルバムの割り振りを自動で行ってくれる。もちろん、アプリ導入前にバックアップした写真に対して、被写体認識を行い、それに基づいてフォルダーやアルバムを整理するこも可能だ。
QNAPでは、以前から自社製のNAS向けに写真整理アプリをリリースしており、AIに基づく写真整理機能にも対応している。とりわけ、今回紹介する最新モデル「TS-AI642」はAI処理を専門で担うNPUを備えているため、その処理が非常に高速だ。
それでは、次のページでは、今回レビューするAI NAS「TS-AI642」の特徴を確認していこう。
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提供:QNAP株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2023年9月13日