2007年はインテルが業界を力強く引っ張っていく
インテルは4月11日に定例の「インテルクライアント・レギュラー・アップデート」を行った。会場では“Robson”“Kedron”“Yorkfield”“Wolfdale”といったサンプルモジュールが披露された。
冒頭で「2007年はインテルが業界を力強く引っ張っていく年」と述べたインテル代表取締役共同社長の吉田和正氏は、 先日その概要が明らかにされた45ナノメートルプロセスルールCPU「Penryn」や新世代アーキテクチャを取り入れて「さらに進化したマイクロアーキテクチャ」(吉田氏)となるNehalemに対する期待感を「新しくインテルのテクノロジーとPCの中に入っているテクノロジーが“いろいろな展開”をしていくような進化を積極的に進めていく」と表現した。
「さらなる高性能」「さらなる上のクロック」「キャッシュもさらに増える」と吉田氏が説明するコンシューマー向け最初の45ナノCPUとなる“Penryn”では、新しい素材(High-K)を採用してリーク電流を圧倒的に抑えることで「性能が上がってスピードが上がっても消費電力はかなり抑えることができる」(吉田氏)とアピール。
「Nehalem」については「ここからロードマップやプロダクトファミリーが多角化する」とインテルが最近明らかにした “デザインスケーラビリティ”な特徴を表現し、メモリコントローラの内蔵についても、Pentiumから行ってきたフレキシビリティをもたす方針から「いよいよインテルも内蔵メモリというところに本格的に動いていく」(吉田氏)と、NehalemのアーキテクチャがPentiumファミリーから大きく変わっていくことを印象付けた。
ワイヤレスブロードバント技術の動向に関して吉田氏は、現在進められている“WiMAXをIMT-2000の陸上無線インタフェースに追加する作業”がFIXすると「携帯電話が使っているネットワークとPC系のネットワークというものの融合が大きく展開する」という期待を述べた。また、インテルが進めている「スマート・デジタルライフ」において、 その推進のためには「利用形態に対して投資をしていかなければならない」と言及している。「(デジタルライフを実現する)優秀な技術と利用形態のサービスを持っている企業に資本参加することによってその会社に対するインテルのコミットメントを見せていくことで、新しい利用形態を作り上げていく」(吉田氏)
同社マーケティング本部長の阿部剛士氏は、最近インテルから発表されたCore 2 Extreme QX6800やこれから登場するIntel 3シリーズチップセット、次世代Centrino“SantaRosa”などを説明。「Intel G31」「Intel X38」「Intel G33」「Intel G35」「Intel P35」「Intel Q33」「Intel Q35」がラインアップされるチップセット「Intel 3シリーズ」ではFSB1333MHz、DDR3の対応、インテルクリアテクノロジー、HD DVD/Blu-ray再生支援機能、HDMI、PCI Express 2.0、2本のスロットがサポートされる16レーンのグフィックスカード用スロットなどといった新しく実装されるスペックを紹介。
また、阿部氏はSantaRosaでサポートされる「Intel Turbo Memory」(開発コード名“Robson”)とIEEE 802.11nに対応したワイヤレスLANモジュール(開発コード名“Kedron”)のサンプルモジュールを披露。今回示されたIntel Turbo Memoryはmini PCIモジュールの形態をしているが、阿部氏によると、メーカーによっては直接基板に実装するケースもあるという。
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