2万台の新世代ミドルレンジGPU「GeForce 8600GT」と「GeForce 7600GT」と比較する:イマドキのイタモノ(2/2 ページ)
“8600 GTS”は実売3万円の「高めミドルレンジ」だが、“8600 GT”は実売2万円前半の「ど真ん中ミドルレンジ」。その性能は名機“7600 GT”を圧倒できるか。
GeForce 8600 GTもGeForce 8500 GTもミドルレンジからバリュークラスのPCに搭載されるGPUであるが、ここでは、先日掲載したGeForce 8600GTSの測定結果と比較できるように、CPUにCore2 Extreme QX6700、チップセットにnForce 680i SLI、メモリにDDR2 800MHzを2Gバイト搭載した「ハイエンド構成」を使っている。
ディスプレイも30インチワイド液晶パネルを搭載したデルの「3007WFP-HC」を使用しているが、さすがに解像度は2560×1600ドットを用いずに、「1280×1024ドット」「1600×1200ドット」「1920×1200ドット」の3パターンで測定している。そのほかの、負荷条件は前回と同様だ。
GeForce 8600 GTSのベンチマークでは「GeForce 7950 GTに3DMark系で圧倒するが市販ゲームベンチで逆転される」結果となっていたが、GeForce 8600 GTは「GeForce 7600 GTを3DMarkで圧倒し、市販ゲームでも拮抗、もしくは圧倒できる」結果を示した。
3DMark系でGeForce 7600 GTを圧倒するのはGeForce 8600 GTSの結果からも予想できたが、ゲームベンチでは「意外と善戦した」という印象を受ける。ゲームベンチの軽負荷条件において、オーバークロックしたGeForce 8600 GTはかろうじてGeForce 7600 GTを押さえ込み、定格動作で比較しても、軽負荷状態においてGeForce 8600 GTはGeForce 7600 GTを下回るが、負荷が重くなると一気にパフォーマンスが下がってしまうGeForce 7600 GTに対して性能の下落が少ないGeForce 8600 GTが圧倒することになる。この傾向は解像度が変わっても同じだった。
なお、前回のレビューで測定したGeForce 7900 GSの結果とGeForce 8600 GTを比較してみると、3DMark系においては軽負荷時において拮抗(オーバークロック版はGeForce 7900 GSをわずかに上回っているが、定格動作版はわずかに下回る)し、ゲームベンチにおいては軽負荷状態でGeForce7900 GSをわずかに下回り、重負荷状態でGeForce 7900 GSを圧倒している。
ベンチマーク結果の絶対的な値を重視する、もしくは3Dゲームにおけるフレームレートを重視するユーザーからすれば、GeForce 8600 GTのオーバークロック版を選択する意味があるようにも見えるがその差はわずかだ。GeForce 7600 GTユーザーがパフォーマンスの向上を意図してGeForce 8600 GTに乗り換える必然性はそれほどない。GeForce 7600 GTユーザーがGeForce 8600 GTに移行する場合、やはりDirectX 10への対応や新しくなった第2世代のPureVideo HDが大きな理由となる。とくに、ミドルレンジGPUを購入するユーザーの多くは、3Dゲームに特化するのではなく、HDコンテンツの視聴などより幅広いPCの使い方をするケースが多い。
購入層が多い2万円前半のニューフェースとしてGeForce 8600 GTはGeForce7600 GTの後継者としての実力は十分に有している。しかし、GeForce 7600 GTを超える存在になったか、といわれると「現時点」では「どうかな?」となるのではないだろうか。
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