富士通のUMPCがAtom採用でフルモデルチェンジ――「FMV-BIBLO LOOX U」:2008年PC秋冬モデル
1年ぶりに新モデルが登場したUMPCの「FMV-BIBLO LOOX U」は、Atomの採用とともに液晶ディスプレイやキーボードも一新。限定デザインも用意した。
プラットフォームを刷新し、使い勝手も向上
富士通は8月20日、「FMV-BIBLO LOOX U」の2008年秋冬モデルを発表した。店頭向け製品のラインアップは「U/B50」の1モデル展開で、8月30日に発売される予定だ。価格はオープン、実売価格は13万円前後と予想される。
FMV-BIBLO LOOX Uは、タッチパネル式の液晶ディスプレイが回転・反転する構造のコンバーチブル型ボディを採用したウルトラモバイルPC(UMPC)。通常のノートPCと同様、クラムシェル型として扱えることに加えて、液晶ディスプレイを反転させてタブレット型としても利用できる。
モデルチェンジの特徴は、Centrino Atomにプラットフォームを刷新した点だ。前機種となる2007年秋冬モデルと比較して、CPUをIntel A110(800MHz)からAtom Z530(1.6GHz)に、チップセットをIntel 945GU ExpressからIntel SCH(システム・コントローラ・ハブ)に変更した。基本スペックは、メモリが1Gバイトオンボード(PC2-4200)で増設不可、HDDが60Gバイトの1.8インチドライブ(4200rpm)、グラフィックス機能がチップセットに統合されたIntel GMA 500だ。
ディスプレイはLEDバックライト付きの5.6型ワイドスーパーファイン液晶(光沢パネル)を採用。サイズは前モデルと同じだが、解像度を1024×600ドット(WSVGA)から1280×800ドット(WXGA)に高めている。ドットピッチは0.0945ミリと細かいが、本体の専用ボタンを押すだけで、解像度を3段階に切り替えることが可能だ。
キーボードは従来の5段配列56キー構成から6段配列68キー構成に変更された。1段追加してキー数を増やしたことで、Delete、Teb、ファンクション、カーソルといったキーが独立して搭載されるようになり、Fnキーを押しながらの操作が減っている。
また、Enterキーを大型化し、キーピッチを従来の約14ミリから約15ミリ(14.8ミリ)に広げ、キートップ面の間隔を約3ミリから約4.2ミリに拡大することで、隣接するキーの打ち間違えを抑えた。キーストロークは約1.3ミリだ。
液晶ディスプレイのヒンジ部に用意されたクリックボタンとスティックポイントによるユーザーインタフェースに変更はない。本体に収納されたスタイラスとタッチパネル式の液晶ディスプレイを利用した手書き入力については、予測変換機能を持つ手書き入力補助ソフト「らくらく手書き入力」が追加された。
ネットワーク機能はIEEE802.11nとBluetoothを新たに標準搭載した。100BASE-TXの有線LAN、IEEE802.11a/b/g/n(11nはドラフト2.0)の無線LAN、Bluetooth 2.1+EDRに対応している。従来機と同様、有線LANとアナログRGB出力を接続する変換ケーブルが付属する。
本体には、有効約130万画素のWebカメラ、指紋センサ、1基のUSB 2.0、TypeIIのCFカードスロット、SDメモリーカードスロット(SDHC対応)、ヘッドフォン、マイクを内蔵。ワンセグチューナーは店頭モデルから省かれ、WEB MART直販モデルのカスタマイズメニューとなった。
本体サイズは標準バッテリー搭載時で171(幅)×135(奥行き)×26.5〜33(高さ)ミリと前モデルとほぼ同じだが、重量は約34グラム減の約565グラムに抑えられている。バッテリー駆動時間も強化され、標準バッテリー(7.2ボルト 2900mAh)で約5.3時間、別売のバッテリーパックL(7.2ボルト 5800mAh)で約11.1時間の長時間駆動をうたう。バッテリーパックL装着時は、重量が約670グラム、奥行きが155ミリとなる。
ソフトウェアについては、OSにWindows Vista Home Premium(SP1)を採用。オフィススイートは搭載せず、14種類の辞書ソフトやAV統合ソフトのOrigami Experience 2.0が付属する。辞書ソフトは14種類を一覧できるランチャーを用意し、検索性を向上させた。
直販モデルでは限定デザインやSSD、無線WAN、ワンセグなどを選択可能
富士通直販のWEB MART限定モデル「FMV-BIBLO LOOX U/B50N」では、5つの天板デザインを用意している。店頭向けモデルと共通のオーシャンブラックに加えて、光沢感のあるノースシルバー、ピンクベージュ、フューシャピンク、tokidokiオリジナルデザインを選択可能だ。
tokidokiオリジナルデザインは、日本のアニメに影響を受けたキャラクターで知られるブランド「tokidoki」(トキドキ)とコラボレーションしたもので、デザイナーの「シモーネ・レーニョ」が、LOOX Uのために書き下ろしたオリジナルキャラクターを含めたイラスト天板を採用。tokidokiオリジナルのアイコンと壁紙を収録したUSBメモリが付属し、限定300台で販売される。
そのほか、100Gバイト/120GバイトのHDDや64GバイトのSSD、ワンセグチューナー、ポートリプリケータ、USB接続のDVDスーパーマルチドライブ、FMトランスミッター、無線WANモジュール(NTTドコモのFOMA HIGH-SPEEDに対応)といったカスタマイズメニューが用意されている。
| FMV-BIBLO LOOX U店頭モデルの概要(その1) | ||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| シリーズ名 | モデル名 | タイプ | 従来比較 | CPU | メモリ | HDD | OS | 実売 |
| FMV-BIBLO LOOX U | U/B50 | 1スピンドル | フルモデルチェンジ | Atom Z530(1.6GHz) | 1024MB | 60GB | Home Premium (SP1) | 13万円前後 |
| FMV-BIBLO LOOX U店頭モデルの概要(その2) | ||||||||
| シリーズ名 | モデル名 | 液晶 | 解像度 | チップセット | 光学ドライブ | GPU | TV機能 | 重量 |
| FMV-BIBLO LOOX U | U/B50 | 5.6型ワイド | 1280×800 | Intel SCH | − | チップセット内蔵 | − | 約565グラム |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
2008年PC秋冬モデル:富士通、Atom搭載「LOOX U」や地デジ付き「DESKPOWER F」など秋冬モデルを一挙発表
富士通は、FMV-DESKPOWER、FMV-BIBLO、FMV-TEOの2008年秋冬モデルを発表。Atom搭載の「LOOX U」をはじめ、全10シリーズを8月22日から順次発売する。
2008年PC秋冬モデル:Montevina SFF搭載で一歩先ゆくモバイルノート――「FMV-BIBLO LOOX R」
12.1型ワイド液晶搭載のモバイルノートPC「FMV-BIBLO LOOX R」はプラットフォームを世代交代し、直販モデルのカラバリを拡充した。
2008年PC秋冬モデル:Web限定タブレットPCもMontevina SFFを採用――「FMV-BIBLO LOOX P」
富士通の直販サイトWEB MARTで限定販売されるタブレットPC「FMV-BIBLO LOOX P」は、インテルの最新低電圧版プラットフォームに対応し、基本仕様を強化した。
2008年PC秋冬モデル:大画面モバイルノートPCがDDR3メモリやVista Businessを採用――「FMV-BIBLO MG」
14.1/13.3型ワイド液晶ディスプレイを搭載した「FMV-BIBLO MG」はプラットフォームを一新し、基本性能の底上げが図られた。
2008年PC秋冬モデル:Centrino 2とカラバリで攻める主力ノート――「FMV-BIBLO NF」
15.4型ワイド液晶を搭載した富士通の主力ノートPC「FMV-BIBLO NF」はラインアップを拡充。上位機と中位機はCentrino 2に対応し、新デザインを採用した。
2008年PC秋冬モデル:大画面化しDDR3メモリや地デジチューナーを搭載したボードPC――「FMV-DESKPOWER F」
富士通のボードPC「FMV-DESKPOWER F」に、19型ワイド液晶ディスプレイと地デジチューナーを搭載した上位モデルが追加された。
2008年PC秋冬モデル:22型ワイドモデルにもBDを搭載してラインアップ拡充――「FMV-DESKPOWER LX」
富士通の液晶一体型PC「FMV-DESKPOWER LX」は、夏モデルで整理されたラインアップを再び拡充してBD搭載モデルを増やすなど、AV機能をさらに強化した。
2008年PC秋冬モデル:低価格の液晶一体型FMVがCore 2 Duoを搭載――「FMV-DESKPOWER EK」
富士通のデスクトップPCで最も安価な「FMV-DESKPOWER EK」は、店頭販売モデルでもCore 2 Duoを搭載して基本性能を向上させた。
2008年PC秋冬モデル:付属ディスプレイが22型ワイドに大型化――「FMV-DESKPOWER CE」
セパレート型デスクトップPCの「FMV-DESKPOWER CE」シリーズは、店頭販売向けとしてCore 2 Quad搭載モデルとCore 2 Duo搭載する2モデルが投入される。
2008年PC秋冬モデル:ダビング10に標準対応し利便性をアップしたリビングPC――「FMV-TEO」
富士通のリビングPC「FMV-TEO」シリーズがラインアップを一新。出荷段階でダビング10に対応したのがトピックだ。
どこでもつながり、そして速い:「LOOX R」のSSD+WWANモデルで近未来を先取りしてみた
富士通の直販サイトで購入できる「FMV-BIBLO LOOX R/A70N」(HIGH-SPEED対応モデル)は、先進的な仕様が魅力のモバイルノートPC。その実力やいかに!?
富士通謹製リビングPC:黒くて“四角い”リビングPC「FMV-TEO/A90D」を試す
「FMV-DESKPOWER F」と並び、富士通が提案する新スタイルのPCが「FMV-TEO」だ。進化した第2世代の黒モデルをチェックした。
むいてみました:富士通のフリースタイルPCを“開放”にしてみた
富士通が放つ新型ボードPC「FMV-DESKPOWER F/A50」。美しい外観を持つ、フリースタイルPCの中身はどうなのか?
富士通謹製フリースタイルPC:新型ボードPC「FMV-DESKPOWER F」はユーザーを“解放”するか
液晶一体型デスクトップPCで人気を博しているのがスリムな“ボードPC”だ。後発となる富士通のFMV-DESKPOWER Fの実力は?
富士通、デザイン重視のラインアップを充実させた2008年夏モデルを発表
富士通は、4月22日に2008年夏モデルとしてデスクトップPC4シリーズ、ノートPC4シリーズを発表、デスクトップPCでは新たに「F」シリーズが登場した。
3波デジタルチューナーを2基搭載し裏番組録画に対応したリビングPC――「FMV-TEO」
HDMI経由でTVに接続して利用するリビングPCが富士通の「FMV-TEO」だ。春モデルでは3波デジタルチューナーを2基内蔵したのが特徴だ。
Pumaのごとくスタートダッシュを狙うAMD――「Turion X2 Ultra」発表
AMDは、Centrino 2の延期を尻目にノートPC向け新プラットフォーム“Puma”の出荷を開始。発表会では、東芝製ノートPCや外付けGPUも公開された
デジタル放送をBlu-ray Discへムーブ可能なリビングPC――「FMV-TEO」
富士通の「TMV-TEO」は、TVとHDMIで接続して利用するリビングPC。今秋はBlu-ray Discドライブを上位モデルに採用し、ボディカラーを一新した。
デジタル放送をBlu-ray Discへムーブ可能なリビングPC――「FMV-TEO」
富士通の「FMV-TEO」は、TVとHDMIで接続して利用するリビングPC。今秋はBlu-ray Discドライブを上位モデルに採用し、ボディカラーを一新した。
おすすめ番組機能に対応したHDMI搭載リビングPC――FMV-TEO
2007年春モデルでデビューしたFMV-TEOは、おすすめ番組機能を搭載し、HDMIケーブルを標準添付するなど、マイナーチェンジにとどまっている。
富士通のリビング本格進出なるか?――HDMI搭載PC「FMV-TEO」の実力を探る
「FMV-TEO」はTVとのHDMI接続を想定したリビングPC。“TEO”というサブブランドを冠しており、今後PCが進むべき1つの道を示す製品として力が入っている。
リビングのTVにHDMIでつながる新コンセプトPC――FMV-TEO
富士通は、TVにHDMI接続して利用するデスクトップPCのFMV-TEOを発表。OSはVista Home Premiumを採用している。








