「iPod touch」は究極のエンターテイメントを目指す:アップルインタビュー(後編)(2/2 ページ)
今回は、スピーカーを新たに搭載した「iPod touch」と“薄さ据え置き”で120Gバイトになった「iPod Classic」、そして2種類のイヤフォンについて聞いていこう。
――では、「iPod Classic」の特徴も紹介してください。
エリス:iPod Classicは、iPodの出発時のコンセプトを引き継いだ何よりも容量重視の製品です。これまでわれわれは80Gバイト版と160Gバイト版の2種類の製品を用意していましたが、人気があったのは薄い80Gバイトのモデルでした。そこでわれわれは80Gバイトモデルの容量を120Gバイトに増やしつつ、価格は据え置きにすることに成功しました。
またGenius(ジーニアス)プレイリスト機能も搭載しました。大容量を求め、大量の曲をコピーする人には必須の機能でしょう。
――iPod Classicを求めるユーザーは、ちょっとでも容量が大きい方がいいんじゃないかという印象があっただけに、160Gバイト版をなくしたのは、ビックリしました
エリス:ええ、でもそれは仕様のバランスの問題であり、同じ価格を保ちつつ容量のアップグレードができるか、という問題でもありました。
新ヘッドフォンはiPhone非対応
エリス:これがわれわれの今回の新しいiPodのラインアップです。iTunes 8と充実のカラーセレクションを用意したiPod nanoとiPod shuffle、そして価格と薄さは据え置きながら容量が増えたiPod classicです。
また、われわれは10月頃に2種類のヘッドフォン製品、「Apple Earphones with Remote and Mic」を3400円で、「Apple In-Ear Headphones with Remote and Mic」を9300円で提供します。こちらの新製品にはマイクの部分に音量調整を含む3つのボタンが用意されています。iPod nanoやClassicと併用した場合、マイクを通して音声の録音も可能です。
In-Ear Headphoneの方は、デュアルドライバ仕様で、ヘッドフォンに詳しい人なら、この音質のヘッドフォンが、この価格で提供されることに驚いてくれるはずです。大きさが違う3種類のイヤーピースを用意して、外の音を遮断した上で、高音質の音が楽しめます。
――拝見しました。In-Earの方はパッケージも非常に凝っていますよね。イヤーピースの入ったカプセルのデザインもおもしろいですね
エリス:ありがとうございます。音楽愛好家は、このIn-Earヘッドフォンの音質に絶対に喜んでくれるはずです。iTunes 8と新iPodシリーズで利用できるジーニアス機能は「音楽の再発見の旅」だといいましたが、このヘッドフォンも、そういう意味では同じで「音の再発見」につながるはずです。
――私も非常にほしいと思っているのですが、iPhoneでは使えないのでしょうか?
エリス:新ヘッドフォンは新しいiPod nano、iPod ClassicそしてiPod touchで利用するようにデザインされています。
――iPodも製品のバリエーションが増え、世代が重なったことで、互換性が分かりにくくなってきた印象があります。スティーブ・ジョブズ氏は米国で9割の車がiPodに対応したといっていました。あれはすべてのiPodに対応しているのでしょうか?
エリス:そこの部分の表現は微妙で、米国で売られている車の90%のモデルがiPod対応の30ピンコネクターを搭載するオプションを用意している、というのが実際のところです。ほとんどのメジャーな車メーカーが参加しています。これは30ピンのiPodコネクターを使っているので、すべてのiPodに対応しています。
物理的形状の違いから、どうしても違った世代の製品で利用できないものもありますが、われわれは基本的に製品の互換性はちゃんと保てていると信じています。ドックコネクタを使う製品でもドックアダプターを提供するなどして、うまく製品が使えるように配慮しています。
――新発表についてもう1つ感想をいえば、ついにテレビ番組までハイビジョンで楽しめるようになった米国のiTunes事情はうらやましい限りです。日本で唯一売っているミュージックビデオでもなんでもいいので、日本でもハイビジョンコンテンツを体験させてもらえるとうれしいのですが……
エリス:そのフィードバックは確かに承りました。ちゃんと本社に持ち帰りたいと思います。
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