新旧入れ替わりの雰囲気を漂わせていた6月のアキバ:5分で分かった気になる、6月のアキバ事情(2/2 ページ)
新しいCore i7とPhenom IIの登場で幕を開けた6月は、Windows 7アップグレード権付きのWindows Vistaが登場して幕を下ろした。
IONにノート向けAtomマザーの人気が加熱――mini-ITXマザーブーム再燃
Atomマザーの登場によるmini-ITXマザーの人気は、春先に落ち着いて「今は定番の1ジャンルといった位置付けになっていますね」(ツートップ秋葉原本店)と評価される状況だったが、5月から6月にかけて再び盛り上がりを見せている。
6月初旬に登場したのは、Atom N270を採用したインテル製マザー「D945GSEJT」だ。これまでのデスクトップPC向けAtomではなく、Netbookに採用されてきたAtom Nシリーズを採用しており、「これまでのAtomマザー以上に消費電力が低いので、省エネ志向のユーザーに人気があります」(T-ZONE.PC DIY SHOP)という。価格は1万1000円前後で、少数入荷ということもあり、入手しにくい状況が続いている。
さらに大きな第2次ブームの原動力になっているのは、IONマザーだ。IONはNVIDIAが提唱する描画性能の高いプラットフォームで、CPUにAtomを採用したmini-ITXマザーが5月から出回りはじめている。6月半ばまでは品薄な状態が続いていたが、月末には一時的ながら潤沢に流通するようになった。それでも売り切れが続出する状況に、ソフマップ秋葉原本館は「AtomマザーではAVマシンにするにも性能不足で使い道に迷うという人が結構いらっしゃいました。その点、IONならBDビデオの再生マシンとしても使えるので、リビング向けマシンを組みたいという人にニーズが高まっていますね。今後もしばらくは“出せば売れる”という状況が続きそうです」と語る。
7月初旬の時点で比較的入手しやすいのは、ZOTAC「IONITX-A-U」と玄人志向「Point of View POV-ION-MB330」だ。価格は3万円前後と2万前後。そのほかに、ASUSTeKからはCeleron 220をオンボードした「ITX-220」も1万円弱で登場している。「位置付けが微妙な製品ですが、通常のAtomより1.3倍程度の性能があるので、少しだけパフォーマンスを求めたい人に人気が出そうです」(ツートップ秋葉原本店)と話していた。
メモリ2GバイトのGeForce GTX 285とシングル基板のGTX 295が人気を集める
グラフィックスカードでにわかに注目を集めたのは、6月中旬以降に出回りはじめたメモリ容量が2GバイトのGeForce GTX 285カードだ。その第一弾となったリードテックの「WinFast GTX285 2GB」は4万円台後半で登場し、順調にヒットを続けている。
T-ZONE.PC DIY SHOPは「GeForce GTX 285はシングルGPUタイプで最強クラスです。デュアルGPUタイプのように、ゲームによってSLIやCrossFireがあまり効かないといったこともなく、どんな環境でも安定して高性能が出せるのが魅力。さらに最近はフルHD液晶でゲームをするユーザーも増えているので、メモリ容量の大きなカードが売れるのは納得できますね」と分析する。
ただし、デュアルGPU構成のハイエンドカードも売れ行きが上向いているようだ。代表例は、6月後半に登場したシングル基板のGeForce GTX 295カードだ。6月第3週、ドスパラ秋葉原本店の店頭にPalitの「GeForce GTX 295」(NE3TX295F03B8)が4万7800円の価格で並んだ。従来の2枚基板構成のタイプと同じ、デュアルGPU構成なのは変わらないが、「基板が1つになったことで電源回路の合理化や、冷却の効率化が図れていると言われています。仕様上の変更点はありませんが、『よく冷えて電力が控えめ』といった評判から人気を集めていますね」(同ショップ)と語った。
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