レノボ・大和事業所エンジニアが説く、WiMAX内蔵ThinkPadの可能性:普及のカギは“PC内蔵”(1/3 ページ)
レノボ・ジャパンは「ThinkPad T400s WiMAX内蔵モデル」とモバイルWiMAXに関する技術説明会を実施。「WiMAX普及は、“内蔵”がカギ」と、モジュールを内蔵することによるメリットを説明した。
WiMAX普及のカギは、「PC内蔵」
「モバイルWiMAXの普及は、“PC内蔵”がカギ」──。WiMAX内蔵内蔵ノートPC「ThinkPad T400s WiMAX内蔵モデル」を発売したレノボ・ジャパンはこのほど、同社大和事業所(神奈川県大和市)のエンジニアによるWiMAXテクノロジー・ブリーフィングを開催し、「モバイルWiMAXに対する期待」と「“WiMAX内蔵ThinkPad”に関するユーザーメリット」を説いた。
ノートPCのモバイル通信手段は、無線LAN(IEEE802.11b/最大11Mbps)と携帯電話/PHS網を用いた2G/PHSデータ通信、あるいはPANによるBluetooth(1Mbps)やモデム接続程度だった2000年頃と異なり、2009年現在は最大450Mbpsまで高速化した無線LAN(IEEE802.11nの場合)のほか、3G/3.5G(HSPA)データ通信(2009年7月現在、最大21Mbps)、モバイルWiMAX(UQ WiMAXは2009年7月現在、最大40Mbps)などが存在し、UWB(Ultra Wideband/最大480Mbps)やSuper3G(LTE)、4Gなど、将来の通信通信技術も含め、通信速度の向上はもちろん、利用可能エリアが大きく広がった。
2009年現在のモバイル通信手段は、無線LANを補うかたちで、携帯電話網を利用した3GないしPHSデータ通信を“外付け”で利用するシーンが一般的に普及している。無線LAN(公衆無線LANサービス)は契約体系や料金体系がシンプルで、通信環境は高速で安定、かつ無線LAN機能を内蔵するPCであればそのまま使える高い利便性がある半面、サポートエリアが狭い欠点がある。かたや3Gデータ通信は、サポートエリアが広大である半面、契約や料金体系が複雑で、事実上の“年数縛り”やポート/通信速度の制限を設ける通信キャリアも存在する。モバイルWiMAXは、これらの欠点を解消する役割を担う通信手段であり、Windows 7とともにユーザーがPCを購入、リプレースする機会も創造するとレノボ・ジャパンは期待する。
「モバイルWiMAXは、いままでの手段の欠点やユーザーの不満点を解消でき、無線LANと3Gデータ通信の“いいところ取り”である特徴が期待する理由の1つ。なにより契約や料金体系がシンプルで簡単ながら、無線LANと組み合わせて“どこでもインターネットを利用できる”ようになるシーンが大きく広がる。現時点の欠点はサポートエリアが狭いことだが、これは次第に解消されていくと思っている」(レノボ・ジャパン ノートブック開発研究所無線通信技術担当部長の藤井和夫氏)
そして、かつてCentrinoプラットフォーム展開(2003年)をトリガーの1つに、無線LANがモバイルノートPCに“ほぼ標準搭載”となったように、インテルはモバイルPC向けモバイルWiMAX+無線LANモジュール「WiMAX/WiFi Link 5150」を含む、Centrino 2のワールドワイド展開を推進することで、“モバイルWiMAXも標準搭載”にしていく考えだ。PCメーカーが「“PC内蔵”がカギ」と述べる理由の1つは、ここにある。
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