Vista Service Pack 2を導入してWindows 7に備える:サクッとおいしいVistaチップス 44枚め(1/2 ページ)
世間では今秋リリースされるWindows 7への期待が高まっているが、メインOSとしてVistaを使っている人も多いハズ。Windows 7への移行前にVista SP2を導入しておこう。
Windows Vista Service Packe 2の概要
今回のチップスが使えるエディションは? | ||||
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エディション | Home Basic | Home Premium | Business | Ultimate |
対応状況 | ○ | ○ | ○ | ○ |
Windows Vista Service Pack 2(以下、SP2)は、2009年5月26日から提供されているWindows Vista最新のService Packだ。国内大手メーカーの2009年PC夏モデルは、基本的にWindows Vista Service Pack 1(以下、SP1)をプリインストールした製品なので、最新の環境で使いたい場合はユーザー自身でSP2を導入する必要がある。
Vista SP2はWindows Updateで入手できるほか、マイクロソフトのWebサイトからWindows VistaとWindows Server 2008の両方に対応する「5言語用スタンドアロン版」もしくは「全言語用スタンドアロン版」をダウンロードすることが可能だ。日本語をはじめ、36の言語に対応したSP2が用意されている。いずれもx86、x64のプラットフォームで利用可能だ。
Vista SP1には大幅な機能の強化やパフォーマンスの向上が含まれていたが、SP2ではOSの機能に目立った変更はなく、不具合の修正が中心となっている。SP2における主な機能強化の内容は、マイクロソフトのWebサイトで確認できる。以下の囲みは、強化点を簡単にまとめたものだ。
Windows Vista Service Pack 2による主な機能強化点
- Windows Search 4.0による検索性能の向上
- Windows Vista Feature Pack for Wirelessの統合
- WindowsサイドバーにおけるRSSフィードのパフォーマンスを向上
- Windows Media Centerで著作権保護されたテレビ録画データを複数のデバイス間で共有できるように対応
- Windows Media Player 11にアップグレードした際、以前購入したDRMコンテンツへアクセスできなくなる問題の修正
- 互換性のないドライバがある場合、Service Packのインストールを停止する機能
- Service Packのクリーンアップツールを導入
- ワイヤレス通信環境におけるレジューム復帰の高速化
- 電源管理設定の向上
- VIA Technologiesの64ビットCPUをサポート
- Blu-ray Discメディアへの書き込みをサポート
- アプリケーションの互換性を向上
- WebDAVリダイレクタの認証オプションを追加
- Windows Vista/Server 2008がホストしているプリンタに対する、プリントサーバ/スプーラのパフォーマンス向上
- exFATにおけるUTCタイムスタンプの対応
Windows Search 4.0とは、Windows XP/Vistaで利用可能なデスクトップ検索ソフトだ。Vistaにはデスクトップ検索機能が標準搭載されているが、SP2を導入するとバージョンが上がる。Windows Search 4.0はパフォーマンスが向上しているほか、暗号化ファイルシステムのEFSによって暗号化されたファイルにも対応した。また、共有フォルダでもインデックスを利用して検索できるようになった。Vista同士の場合は、従来から共有フォルダでインデックスを利用して検索できたが、Windows Search 4.0をインストールしていれば、XPとVista間でもインデックスを利用して検索できるようになる。
Windows Vista Feature Pack for Wirelessの統合については、Bluetooth 2.1および最新のWindows Connect Nowをサポートする。Bluetooth 2.1では、SSP(Secure Simple Pairing)によって機器のペアリングが簡単になった。無線LANはWPS(Wi-Fi Protected Setup)に対応し、PIN(Personal Identification Number:個人暗証番号)コードに加えて、無線LANルータ搭載のプッシュボタンを用いることで、セットアップが容易に行える。スリープから復帰した際に無線LANのパフォーマンスが低下することがある問題も修正された。
Service Packのクリーンアップツールとは、Service Packをアンインストールするために保存しているファイルを削除するツールだ。環境によって増加する空き領域は異なると思うが、200Mバイト〜300Mバイト程度の領域を確保できるようだ。筆者の環境では、287Mバイトの空き領域を確保できた。なお、Service Packのクリーンアップツールを利用すると、Service Packのアンインストールができなくなる点は注意が必要だ。
SP2の機能強化では、アプリケーションの互換性向上もうたわれている。従来からアプリケーション互換性に関する更新プログラムが提供されているが、SP2ではβ版で不具合があったスパイウェア検出ソフト「Spy Sweeper」やアンチウイルスソフト「Zone Alarm」の互換性の向上などが図られた。
Vista SP2の導入準備
冒頭で述べた通り、Vista SP2をインストールする方法は2種類ある。1つは、Windows Update経由でインストールする方法、もう1つはMicrosoftダウンロードセンターから、スタンドアロン版をダウンロードしてインストールする方法だ。スタンドアロン版はマイクロソフトのWebサイトからダウンロードできる。5言語用スタンドアロン版の場合、ダウンロードサイズはx86版が348.3Mバイト、x64版が577.4Mバイトとなっている。
導入方法により、必要なHDD容量は異なる。Windows Updateを利用する場合は、684Mバイト以上の空き領域(x64版の場合は863Mバイト以上)が、スタンドアロン版の場合は1.8〜3Gバイトの空き領域(x64版の場合は3.2〜5Gバイト)が必要となる。空き領域が足りない場合は、エラーメッセージが表示されてインストールが中断する。
今回のSP2は累積的なパッケージではないため、あらかじめVistaのSP1を導入しておかなければならない。また、Windows Update経由でインストールする場合は、「サービススタック更新プログラム(KB955430)」も導入しておく必要がある。サービススタック更新プログラムは、Windows Update経由で導入できる。スタンドアロン版のパッケージには、このサービススタック更新プログラムが含まれているため、あらかじめ導入しておく必要はない。
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