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東京仕様は“漬け物石”──日本HPのPC生産拠点、HP昭島工場に潜入してみた“MADE IN TOKYO”とは何か(3/3 ページ)

日本HPのデスクトップPCは“MADE IN TOKYO”。2009年に国内生産10周年を迎えた。なぜ国内生産なのか、製造拠点の昭島工場でその理由を探る。

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 テストはさらに続く。「重量6キロの“漬け物石”×2」をずしっずしっと載せ、重い物体が載っても不具合が起こらないよう検証するもの、さらに輸送時などを想定した「時速100キロで1000キロの距離を走行したときと同じ状態を再現する振動発生装置」による過酷なものもある。これは、昭島工場ならではだのオリジナルテストだという。

photophotophoto 初期テスト動作試験の後、高負荷テストなどの連続動作試験やオーダー仕様に沿ったソフトウェアをネットワーク経由でインストールしていく(左)。本体に載せて耐重量テストを行う、昭島工場独自の「漬け物石テスト」用漬け物石×2(中)と輸送時の振動耐久性を検証するための振動テスト“ベンチ”台(右)

 なお、日本HPが掲げる「5日納品」のうち、部材の準備と組み立て、品質検査の工程は2日間で終えてしまう。残りの日数は正式受注(と生産計画にあてる)日と出荷と搬送日だ。なお、デスクトップPCと同時注文する機会の多いディスプレイやサードパーティ製機器の在庫は、昭島工場にない。別々の拠点から個別にタイミングを計って出荷し、届け先に近い配送業者の拠点で1つにまとめる仕組みの「Merge in Transit」と呼ぶ手段で、在庫保存のためのスペースを圧縮しつつ、効率よく発送できるようになっている。

photophotophoto 過酷なテストを終え、梱包。HPロゴ入りテープで閉じ、出荷先別にパレットに載せる。このパレットも環境を考慮し、強度のある(パレット製造元の)特許構造を駆使した段ボール製の特別仕様だ。段ボールなので、パレットとしての役目を終えたら梱包箱にリサイクルされる(左、中)。パッキングされたパレットは、1階の出荷エリアから逐次ユーザーのもとへ配送される(右)
photophotophoto ライン方式のデスクトップPCとは別に、フルカスタマイズCTO似対応するサーバは1人の作業員が1台組み上げる独自のセル方式で製造する(左)。ある程度進む方向が決まっているので棒状のレールが敷かれるライン方式と違い、どの方向にも転がせる“は○れメタル”っぽい球状レールが作業台に設置される(中)。ブレードサーバは、ラックへの設置やケーブル接続も含めたオーダーも可能

 こうして、好みの構成で注文したPCがユーザーの手元に届く。

 1999年当時は「非常識」とも言われた“MADE IN TOKYO”。それを続ける理由は「世界一厳しい日本ユーザーのため」(日本HP昭島工場の清水直之所長)。……ともあれ、日本のユーザーは相当恵まれている。

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