ワコムからマルチタッチ対応の「Bamboo Pen & Touch」シリーズが登場
ワコムは、9月24日にバリュークラスタブレット「Bamboo」シリーズの新製品4モデルを発表した。販売開始は10月3日の予定。
ペンが付属しない「Bamboo Touch」が登場
今回発表されたBambooシリーズは「Bamboo Touch」「Bamboo Pen & Touch」「Bamboo Fun Pen & Touch」「Bamboo Art Master」の4モデル。また、Bamboo Fun Pen & Touchには、サイズ違いで“Small”と“Medium”の2モデルが用意され、それぞれにホワイトとシルバーのカラーバリエーションが登場する。Bamboo Art Masterは、Bamboo Fun Pen & TouchのMediumモデルにガイドブックを付属させたパッケージだ。なお、Bamboo TouchとBamboo Pen & Touchのボディカラーはブラックのみ、Bamboo Art Masterはシルバーモデルのみとなる。
Bamboo Fun Pen & TouchとBamboo Art Masterは「Adobe Photoshop Elements」(Windows版は7、Mac版は6)、「Corel Painter Essentials 4」、「水彩LITE」(Windows版のみ)、「Photo Creator for Wacom」(Windows版のみ)、「LoiLoScope plus for Wacom」(Windows版のみ)が標準で付属する。Bamboo TouchとBambooは、ともにソフトが付属しない。両者の違いはペン機能の有無で、Bamboo Touchには電子ペンが付属しない。
価格はすべてオープンで、ワコムストア価格は、Bamboo Touchが6980円、Bamboo Pen & Touchが9980円、Bamboo Fun Pen & TouchのSmallモデルが1万2800円、同じくMediumモデルが1万9800円、Bamboo Art Masterは2万800円になる(すべて税込み)。
新しいBambooシリーズは、マルチタッチに対応したのが最も大きな特徴だ。ワコムでは、Bambooの新しい利用方法として、これまでの描画作業の入力ツールとしてだけではなく、指で直接操作してPCの操作性を向上させる“マンマシンインタフェースデバイス”としても、Bambooシリーズを訴求していく。
ワコムでは、マルチタッチを利用したジェスチャー機能に対応するアプリケーションのリストを公開している。それによると、製品に付属するPhotoshop Elementsではスクロールとズーム機能でジェスチャー機能に対応するほか、Corel Painter Essentials 4とPhoto Creator for Wacomではスクロール、ズーム、回転操作も可能になる。また、LoiLoScope plus for Wacomもズーム操作がジャスチャー機能でできるという。付属ソフト以外でも、Internet ExplorerやSafari、Firefox、Microsoft Office(2003以降)、Google Earthなどでジェスチャー機能が利用できる。
新しいBambooはボディデザインも一新され、2009年3月に登場した「Intuos4」で導入された“線対称レイアウト”が採用された。また、Bamboo Pen & Touch、Bamboo Fun Pen & Touch、Bamboo Art Masterでは、筆圧感知レベルが従来の512レベルから1024レベルに拡張され、タブレット表面シートの耐久性も向上したとワコムは説明している。
「直感で分かりやすい」が重要なキ−ワード
ワコムは、9月24日に製品発表会を行い、同社代表取締役社長の山田正彦氏は、Bamboo Touchにこめたワコムの新しい方向性を説明した。山田氏は、「多機能になるほど簡単な使いかたが求められる。そうでないと、便利なはずの技術が使いこなせない。PCに慣れているベテランだけでなく、だれにとっても分かりやすいことが重要だ」と、多機能化が進むPCやアプリケーションが抱えている問題を指摘した。
そのうえで山田氏は、「これからのPCには、単純な情報を伝達するだけでなく、ユーザーの感性をいかにして表現するかが求められる。ワコムは、“線を引く”という単純な機能ではなく、直感的で分かりやすい“タッチ”という表現方法を生かす新しい製品を開発した」と、Bamboo Touchが登場した背景を説明した。
製品発表会では、ホームユースとビジネスユースのそれぞれで、Google Earthを直感的に操作し、Office WordやPowerPointのプレゼン資料に手書きで注釈を挿入する活用方法を、会場に組んだセットでBamboo Touch & Penを実際に使って紹介していた。
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