マザーボードベンダー各社、Intel 6シリーズチップセット問題で対応策
インテルが明らかにしたIntel 6シリーズチップセット問題について、マザーボードベンダーと販売代理店各社は現在検討中の対応策について明らかにした(2/25 22:00追記)。
公表すれど、詳細は「インテルとの協議後」
インテルが1月31日に明らかにしたインテル6シリーズチップセットの問題について、すでにPCパーツショップの店頭からIntel P67 Express、Intel H67 Express搭載マザーボードの撤去が行われているが、マザーボードベンダーからも、この問題に関するコメントが出された。
ただし、多くのベンダーで、販売代理店や販売店向けの説明となっており、エンドユーザーに対する具体的な対応方法については検討中で、来週以降に改めて案内するとしている。
ASUS(ニュースリリースはこちら)
ASUSは、問題の対象となる製品の出荷を停止し、流通側からの返品や交換には無償で対応することを検討している。
対象マザーボードは、「P8P67」「P8P67 DELUXE」「P8P67 EVO」「P8P67 LE」「P8P67 PRO」「P8P67-M」「P8P67-M PRO」「SABERTOOTH P67」「MAXIMUS IV EXTREME」「P8P67 WS Revolution」(以上、Intel P67 Exprssチップセット搭載)、「P8H67」「P8H67-M」「P8H67-M EVO」「P8H67-M PRO」「P8H67-V」「P8H67-I DELUXE」「P8H67-M LE」「P8H67-M LX」(以上、Intel H67 Expressチップセット搭載)、「P8Q67-M DO」(Intel Q67 Expressチップセット搭載)、「P8B WS」(Intel C206 チップセット搭載)。
なお、ASUSは、マザーボードにおいて、Serial ATA 6Gbps対応インタフェースと専用コントローラで制御されるSerial ATA 3Gbpsインタフェースはこの問題の影響を受けないとしており、このインタフェースを使用した運用も可能だが、できるならば、交換、または、返品を勧めている。
ASUSは、Intel 6 シリーズチップセットを搭載した製品の情報を掲載する専用Webページと問い合わせ用専用電話を各国で設けた。日本では、月曜日から金曜日の9時〜18時、土曜日の9時〜17時に対応する(電話番号はASUSの専用Webページを参照)。
GIGABYTE(ニュースリリースはこちら)
GIGABYTEは、問題の対象となるIntel 6シリーズチップセットのB2ステップを採用するマザーボードを全ラインアップで販売を中止。代理店と販売店が保有する製品の返品に応じるとともに、すでに販売した製品については、問題を解決したB3ステッピングを搭載する製品が出荷され次第、問題の対象となる製品と交換を実施することを明らかにした。なお、この交換における送料はGIGABYTEが負担する。GIGABYTEは、販売店と代理店にレシートなどの証明書類を保管するように呼びかけている。
対象製品は、「GA-P67A-UD7」「GA-P67A-UD5」「GA-P67A-UD4」「GA-P67A-UD3P」「GA-P67A-UD3R」「GA-P67A-UD3」(以上、Intel P67 Expressチップセット搭載モデル)、「GA-H67A-UD3H」「GA-H67MA-UD2H」「GA-H67MA-D2H」「GA-H67M-D2」(以上、Intel H67 Expressチップセット搭載モデル)。
交換の具体的な方法やスケジュールの詳細情報は、同社のグローバルWebページ、または、「GIGABYTE Tech Daily blog」で今後発表されるほか、日本語情報が日本ギガバイト公式Webページに掲載される。
なお、販売代理店のCFD販売は、同社扱いで2011年2月1日以前に出荷されたGIGABYTE製の対象マザーボードで交換対応することを明らかにした。CFD販売の準備が整い次第、専用窓口を開設する。また、交換時期は4月の予定だ。CFD販売は、交換対応を希望するユーザーに製品本体とパッケージ、付属品一式、レシートなどの購入履歴、シリアルナンバー、パッケージに添付された保証書などを用意するように呼びかけている。詳しくは、こちらのリリースを参照のこと。
MSI(ニュースリリースはこちら)
エムエスアイコンピュータージャパンは、当社の対応経緯とエンドユーザーに向けた対応策を明らかにした。それによると、2月1日から該当する製品の出荷を停止し、販売代理店、販売店に対して販売停止を依頼しているという。
対象製品は、「P67A-GD65」「P67A-GD55」「P67A-C43」(以上、Intel P67 Exressチップセット搭載)、「H67MA-E45」(Intel H67 Expressチップセット搭載)。問題を解決した製品が用意でき次第、製品の交換に応じる。なお、同社は、エンドユーザー問い合わせ専用対応窓口となるメールアドレス(ニュースリリースを参照)を用意し、製品交換の手続きなどはこの窓口で行う。これにともない、同社は、販売店への問い合わせは控えるように呼びかけている。具体的な交換スケジュールや方法については、インテルとの協議の上決定し、改めて案内する。
同社は2月10日、Intel 6シリーズ不具合に該当する同社製品購入者に対して対応策を告知した。具体的には、2月15日公開予定の専用Webページより登録し、「製品交換対応」か「Serial ATAカードを発送」のいずれかの方法を選択する(2/10 17:00追記)。
→・MSI、自作PCユーザー向け「Intel 6シリーズ不具合」対応の具体策を告知
アスク(ニュースリリースはこちら)
アスクは、ZOTAC製マザーボードで対象となる製品を公開した。対象となるのは、「ZOTAC H67ITX-WiFi」(Intel H67 Expressチップセット搭載)で、対応策についてインテルと協議中としている。アスクでは、対応策が明確になり次第、同社のWebページで案内する。
なお、2月4日のリリースでは、対策済み製品が準備でき次第、交換対応をすることを明らかにした。時期は4月上旬を予定。なお、交換の手続きはアスクとエンドユーザーの間で直接行うので、同社では、エンドユーザーに販売店へ問い合わせをしないように呼びかけている。また、交換時期までは、問題のないSerial ATA 6Gbpsインタフェースを利用するようにお願いしている。
マスタードシード(ニュースリリースはこちら)
マスタードシードは、扱っているASRock製マザーボードについて、エンドユーザー向けの説明を同社Webページに掲載。2月3日には専用のサポート窓口としてメールアドレスとコールセンター電話番号を開設した(具体的にはこちらを参照)。ASRockは、問題の影響を受けるSerial ATA 3Gbpsポートと、問題の影響を受けないSerial ATA 6Gbpsポートの見分け方を紹介して、エンドユーザーにSerial ATA6Gbps対応ポートを利用するようにお願いするとともに、一部のハイエンドモデルで搭載している専用コントローラ制御のSerial ATA 6Gbpsポートも問題なく使えると説明している。
対象となるのは、「Fatal1ty P67 Professional」「P67 Extreme6」「P67 Extreme4」「P67 Pro3」「P67 Transformer」(以上、Intel P67 Expressチップセット搭載)、「H67M-GE/HT」「H67M-GE」「H67M」(以上、Intel H67 Expressチップセット搭載)。
なお、問題のあるチップセットを搭載するマザーボードの交換、返品についてはインテルの決定次第とし、実施する場合は、購入したエンドユーザーのすべてが問題のない製品を入手できるよう努めるとしている。
2月3日には、マスタードシード扱いのASRock対象製品については、対策済み製品の準備が整い次第(4月を予定)、同等製品との交換という形で対応し、返品と返金対応は行わず、交換手続きはマスタードシードとエンドユーザーで直接行うことを明らかにした。
リンクスインターナショナル(ニュースリリースはこちら)
リンクスインターナショナルは、扱っているFOXCONN製マザーボードの対応についてリリースを出した。それによると、インテル6シリーズチップセットのB2ステップに問題があり、長期使用でSerial ATA 3Gbpsに異常が発生する可能性があるとともに、Serial ATA 6Gbpsについては問題がないとしている。
対象となるのは、「P67A-S」(Intel P67 Expressチップセット搭載)、「H67MP」「H67M-S」「H67S」(以上、Intel H67 Expressチップセット搭載)。交換品の準備がすぐにできないとしたうえで、今後の対応は改めて連絡するという。
なお、2月3日に「サポートお問い合わせダイヤル」と「サポートお問い合わせフォーム」でこの件に関する問い合わせ受付を開始することを明らかにした(具体的な電話番号とURLはこちら)。お問い合わせダイヤルの受付は13時〜17時30分(土日祝日/同社指定日は除く)。お問い合わせフォームからの質問では「FOXCONNインテル6シリーズ不具合の件」とタイトルに記入する。
シネックス(ニュースリリースはこちら)
シネックスは、同社が扱っているインテル製マザーボードの対応について、一時出荷停止、販売店からの回収措置を取ることを明らかにした。また、エンドユーザーに対しては返品、交換対応を検討中という。具体的なスケジュールや対応方法については、決定次第、別途案内する。
対象となるのは、「BOXDP67BA」「BOXDP67BG」「BOXDP67DE」(以上、Intel P67 Expressチップセット搭載)、「BLKDH67BL」「BOXDH67BL」「BLKDH67CL」「BOXDH67CL」「BOXDH67CF」「BOXDH67GD」(以上、Intel H67 Expressチップセット搭載)。
エムヴィーケー(ニュースリリースはこちら)
エムヴィーケーは、同社が扱っているBIOSTARとASUSのインテル6シリーズチップセット搭載マザーボードに関する対応について発表した。それによると、ASUS、BIOSTARの対象製品で、“問題解決版”が用意でき次第、製品交換を行うが、その時期は4〜5月を予定している。具体的な対応策と方法が決定したら、同社Webページで改めて報告する予定だ。
BIOSTARのIntel 6シリーズ搭載マザーボードでは、製品交換受付を3月から順次開始する。製品交換の対象となるのは、「TP67XE」「TP67B+」「TH67XE」「TH67+」の4モデルで、製品外箱にエムヴィーケーの製品保証シールが貼られてあるものだ。該当製品のユーザーは、受付期間に交換受付専用フォームから申し込みを行い、宅配便業者による同時引き取りで交換となる。詳しくは、こちらのWebページを参照。
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