「FMV LIFEBOOK SH76/C」実力診断――第2世代Core i+着脱式ベイ搭載の13.3型モバイルノート:もちろん“Made in Japan”(4/4 ページ)
「SH76/C」は、着脱式の光学ドライブを採用し、ベイカバーや増設バッテリーと交換して利用できるモバイルノートPC。Sandy Bridgeで磨かれた性能をじっくりテストした。
各種ベンチマークテストで、その実力を確かめる
Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアは、Sandy BridgeのCore i5を搭載しているだけあって、プロセッサのスコアが7.1と高い。CPU内蔵のグラフィックス機能を利用しているため、グラフィックスのスコアは5.7にとどまるが、それでもモバイルノートPCとしては十分高い水準だ。プライマリハードディスクのスコアは5.9で、HDD搭載機としては一般的だ。SSD搭載機のような軽快な操作感は望めないものの、3Dゲーム用途以外であれば、特にストレスなくこなせるだろう。
ほかのベンチマークテストの結果も同じ傾向だ。PCMark05のCPUスコアなどは1年前のハイエンドノートPCに匹敵するものがあり、ビジネスアプリケーションの利用に限らず、写真やビデオの編集などの作業にも十分対応できる。もちろん、それだけが目的であればほかにより適した製品はあるが、モバイル環境でシステムに負荷がかかる作業をしたい場合、性能と携帯性のバランスがよい選択肢といえるだろう。
バッテリー駆動時間をチェックする
バッテリー駆動時間はBBench 1.01(海人氏・作)を利用して測定した。無線LANで常時接続し、「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」の設定でテストを行っている。
Windows 7の電源プランは標準の「バランス(ディスプレイ輝度40%)」を利用しているが、電源プランの詳細設定を確認してみると、標準ではバッテリー駆動時の「最大プロセッサの状態」が一般的な「100%」から「50%」へと下げられていたため、そのままの状態と100%へと引き上げた状態の2パターンで計測してみた。
この条件でのバッテリー駆動時間は最大プロセッサの状態50%で5時間20分(残り10%表示で休止状態へ移行)、同100%では4時間50分(残り10%)と、30分の差が見られた。公称値の11時間からすれば物足りなさはあるものの、常時接続環境で5時間というのは十分長い駆動時間といえる。もちろん、電源プランを「省電力」に変更し、ディスプレイ輝度をより下げるなどの工夫により、駆動時間をより延長することは可能だ。
動作時の騒音とボディ表面温度は?
動作時における騒音レベルとボディの表面温度も調べてみた。室温は24度、暗騒音は32デシベルと、図書館くらいの静かな環境だ。騒音レベルは本体手前から5センチの距離で計測した。ボディの表面温度は、PCMark05と3DMark06を連続して実行し、テストが終了した直後に放射温度計で計測した値だ。
静音性は優秀な部類に入る。4スレッド同時実行するような高負荷作業ではそれなりに大きな音はするが、抑えの聞いた音で耳障りな印象はない。低負荷時は意識すると動作しているのが分かる程度だ。ボディの放熱も優れており、負荷をしばらくかけた状態でも、パームレストなど手が触れる部分が不快な熱を持つようなことはなかった。
Sandy Bridge採用の13.3型モバイルノートとして完成度は高い
発売当初の実売価格は18万円前後だったが、発表から数カ月が経過しているため、販売価格は徐々に下がっており、10万円台半ばで購入できるショップもある。
バランス重視の製品コンセプトもあり、特別目立ったところはないが、Sandy Bridge搭載機ならではの高性能を備えることに加えて、機能、液晶ディスプレイの品質、バッテリー駆動時間、使い勝手、いずれも高いレベルにある。特に静音性や発熱の処理などに関しては、Sandy Bridge搭載機の中でも完成度が高いと感じた。高性能で携帯可能なノートPCが欲しいと考えている人には、魅力的な製品といえる。
なお、同社直販サイトのWEB MARTで購入できるカスタマイズモデルでは、Core i7-2620M(2.7GHz/最大3.4GHz)をはじめ、メモリ8GバイトやSSD(160Gバイト/250Gバイト)、あるいはノングレア液晶なども選択できるので、そちらも検討するとよいだろう。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
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