抜群のコストパフォーマンスを誇る大画面Sandy Bridgeノート――「HP Pavilion dv7-6000/CT」:もう1つの選択肢(3/3 ページ)
日本HPの「HP Pavilion dv7-6000/CT」は、最新のSandy Bridgeを採用した17.3型ワイド液晶搭載ノートPCだ。ENVY17-2000、dv6-6000に続いて、dv7-6000のハイパフォーマンスモデルをチェックする。
高負荷用途もパワフルにこなすハイレベルのパフォーマンス
評価機の構成を改めて紹介すると、Core i7-2820QM(2.3GHz)、Radeon HD 6770M(1Gバイト)、メモリ8Gバイト(4Gバイト×2)、SSD 160Gバイト+HDD 500Gバイト(5400rpm)、17.3型(1600×900ドット)液晶ディスプレイ、Blu-ray Discドライブ、Windows 7 Professional 64ビットという内容である。この構成でベンチマークテストを実施した。
Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアは掲載画面のとおり。基本スコアでも6.9、グラフィックス以外は7.5以上と、ノートPCとしては最高クラスのハイレベルなスコアをマークしている。
PCMark05、PCMarkVantageといった総合性能を見るテスト、そして3D描画性能を見るテストでも、同様に高いスコアをマークしている。「FINAL FANTASY XIV Official Benchmark」や「ColinMcRae:DiRT2 Demo」などメジャーなゲームタイトルをベースにしたベンチマークテストでも十分プレイできるスコアが出ている。
Windows 7の基本操作やビジネスアプリケーションの操作が快適にできることはもちろん、3DゲームのプレイやHD動画の再生/エンコードまで、幅広い用途を快適にこなせるパフォーマンスが備わっていることが分かる。
バッテリー駆動時間も海人氏のbbench 1.01を利用して測定してみた。bbenchの設定は「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」「10秒間隔でのキーストローク」。無線LANで常時接続し、電源プランは標準で設定されている「HP推奨(ディスプレイ輝度70%)」を利用している。
その結果、駆動時間は3時間34分(残り7%)だった。ディスプレイ輝度を70%に下げた状態で無線LANで常時接続しながらこれだけ持てば十分だろう。ディスプレイの輝度を40%程度(多くのモバイル機でバッテリー駆動時の一般的な設定となっている)に下げて測定すれば、もう少し公称時間に近い駆動時間が得られるはずだ。
動作音については、アイドル〜低負荷時は静かな部屋なら動作していることが分かる程度で、かなり静かだ。ただ、CPUやGPU、とくにCPUの4つのコアすべてに負荷がかかるような高負荷状態ではそれなりの音はする。負荷に対して比較的敏感で、負荷の変動に応じて比較的細かく動作音が変わる点は少し気になった。
それでも、Sandy Bridge登場直後にレビューした同社の「dv7-5000」と比べると全体的に動作音が上がりが控えめになっている印象だ。発熱についてはキーボードの左端付近とその底面部を中心に熱をもつ。ボディが大きいためか、長く手を置くパームレストは少し暖かいという程度だ。夏の暑い時期には少し気になるかもしれない。
コストパフォーマンス抜群の17.3型Sandy BridgeノートPC
ベンチマークテストの結果からみえるように、最新のSandy Bridgeこと第2世代Core iシリーズを搭載した高性能ノートPCとして、dv7-6000は高い完成度を持っている。従来機にあたるdv7-5000と比べると、CPUこそ大差ないものの、外部GPUがパワーアップするとともにUSB 3.0に対応するなど確実に進化してきた。
直販サイトでは最小構成で5万9850円という低価格から用意されている。CPUがCore i5-2410M、グラフィックス機能がRadeon HD 6490M、320GバイトHDDなど、評価機とはずいぶん異なる構成だが、これでも実用十分以上の性能、機能がある。英語キーボードやOS(64ビット版Windows 7 professional)も含めて評価機と同じ構成を見積もると、16万9995円(税、配送料込み)となるが、パフォーマンス、機能を考えれば十分妥当だ。
また、最小構成をベースにCPUやストレージなどを強化し、Core i7-2630QM、Radeon HD 6770M、メモリ4Gバイト、SSD 160Gバイト+HDD 500Gバイトに変えてみると、11万2245円(税、配送料込み)となった。17.3型の大型液晶ディスプレイを搭載した最新のSandy Bridgeと高性能GPUにSSD(+HDD)まで搭載してこの価格なのだから買い得というほかはなく、かなりおすすめの構成といえる。
HPの2011年春モデルとしては、ENVY17-2000、dv6-6000(プレミアムライン)と似たような高性能ノートPCをレビューしてきた。上記の11万2245円のおすすめ構成に似た構成でそれぞれのモデルを見積もってみたところ、別表のようになった。
BTOおすすめ構成 | dv7-6000/CT | dv6-6000/CT(プレミアムライン) | ENVY17-2000 |
---|---|---|---|
CPU | Core i7-2630QM(2GHz) | Core i7-2630QM(2GHz) | Core i7-2630QM(2GHz) |
グラフィックス | RADEON HD 6770M(1GB) | RADEON HD 6770M(1GB) | Radeon HD 6850M(1GB) |
メモリ | 4GB(2GB×2) | 4GB(2GB×2) | 4GB(2GB×2) |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ | DVDスーパーマルチドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
液晶 | 17.3型1600×900ドット | 15.6型1366×768ドット | 17.3型1600×900ドット |
データストレージ | SSD 160GB+HDD 500GB | SSD 160GB | SSD 160GB+HDD 640GB |
OS | Windows 7 HomePremium 64bit | Windows 7 HomePremium 64bit | Windows 7 HomePremium 64bit |
価格(税、配送料込み) | 11万2245円 | 9万6705円 | 16万2960円 |
備考 | 液晶解像度が1366×768ドット、データストレージが1基(SSDかHDD)しか搭載できない。サブウーファを搭載しない。 | プレミアムな演出、Webカメラが高画質(200万画素)、フルHD解像度の液晶が選べる、ブルーレイディスクドライブが選べない(ブルーレイ再生+DVDスーパーマルチのみ)、Adobe Photoshop Elements 9、Adobe Premiere Elements 9付属 |
ENVY17-2000は、オリジナルのデスクトップテーマや専用パッケージなどプレミアムな演出を特徴とするフラッグシップモデルで、ベーススペック的にも外部GPUがRadeon HD 6850Mとワンランク上、またフルHD解像度(1920×1080ドット)の液晶ディスプレイが選べるなどの利点があり、Adobe Photoshop Elements 9/Adobe Premiere Elements 9がプリインストールされるなどさまざまな特典がある。ただ、この構成では見積もり価格が16万2960円(税、配送料込み)と、単純なコストパフォーマンスではdv7-6000のほうが上だ。
一方、dv6-6000(プレミアムライン)は本製品にかなり近いベーススペックのモデルだが、大きな違いは液晶ディスプレイのサイズと解像度で、dv6-6000では15.6型/1366×768ドットにとどまる。これで十分かどうかが大きなカギとなる。また、サブウーファの非搭載や、SSDとHDDを両方搭載することができないという制限もある。価格は9万6705円(税、配送料込み)。液晶の違いや、HDDが搭載できないことを考えると妥当な価格差で、コストパフォーマンス的には互角だろうか。
まとめると、プレミアムな演出に魅力を感じる人や、GPU性能またはフルHDにこだわりがあるならばENVY17-2000、高性能かつコストパフォーマンスの高いシンプルな17.3型ノートPCが欲しいならこのdv7-6000、液晶ディスプレイが15.6型/1366×768ドットでもよいのであれば、dv6-6000(プレミアムライン)も検討対象に入るといったところになるだろう。
本製品は今季の日本HPのパフォーマンスノートPCの中でももっともバランスがよく、幅広いユーザーにおすすめできる製品といえる。
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