大きな画面を(比較的)小さなボディに──「XPS 14z」を試す(2/2 ページ)
性能と見た目で勝負のXPSシリーズに新モデルが登場した。そのコンセプトは「大きなディスプレイを一回り小さなノートPCに」という。その使い勝手を試してみた。
インタフェースは背面に集中した
デザインを重視したXPS 14zでは、インタフェースの多くを背面に集中している。側面にはSDメモリーカードスロットとマイク、ヘッドフォン端子(左側面)と光学ドライブ(右側面)だけだ。光学ドライブはスロットインタイプを採用する。背面には、有線LANとUSB 3.0とUSB 2.0がそれぞれ1基にHDMI出力とMini DisplayPort出力と映像出力が充実している。HDMIは1.4に対応するので、ステレオ立体視出力にも対応する。
映像出力が背面にあるのは、据え置き利用の場合問題はそれほど出ないと思うが、USBも背面に集中しているのは、USBメモリの抜き差しなど、“ちょっとつなげる”周辺機器を多用するユーザーは面倒に感じるだろう。これは延長ケーブルなどで対抗するしかない。
BTOではなく4モデルに集約した
XPS 14zは、ユーザーが構成を選択するBTOではなく、デルが4パターンの構成を用意する。主に、搭載するCPUとメモリ、データストレージ、外付けGPUが異なる。CPUにCore i7-2640Mを搭載するモデルは外付けGPUなし構成を選べず、Core i7-2430Mを搭載するモデルはデータストレージにSSDを選べない。「初心者がパーツの選択で迷わないように」というのがデルの説明だが、CPUもメモリもHDDも2種類ずつしか用意していないなら、初心者ユーザーでもそれほど迷うことなく、自分の都合に合わせた構成を選べるのではないだろうか。
評価機は、CPUにCore i7-2640Mを搭載し、外付けGPUにGeForce GT 520Mを組み込み、データストレージに容量750GバイトのHDDを採用する“プラチナパッケージ”だった。ダイレクト価格は9万9800円を予定している。ベンチマークテストで測定した結果を掲載したが、デルからは「出荷前の試作品レベル」とのことで、あくまで参考値としての扱いになる。
ベンチマークテスト項目 | XPS 14z | ||
---|---|---|---|
PCMark7 | PCMarks | 2226 | |
lightweight | 2151 | ||
productivity | 1655 | ||
creativity | 2910 | ||
entertainment | 2096 | ||
computation | 3206 | ||
system_storage | 1804 | ||
PCMark7 | PCMarks | 8611 | |
memories | 5025 | ||
TV and Movies | 3968 | ||
Gaming | 5371 | ||
Music | 7940 | ||
Communications | 11334 | ||
Productivity | 6241 | ||
HDD | 5064 | ||
CrystalDiskMark3.0 | 1000M | Seq | 127.4 |
512K | 39.98 | ||
4K | 0.487 | ||
4K QD32 | 1.137 | ||
Seq | 127.8 | ||
512K | 64.2 | ||
4K | 1.183 | ||
4K QD32 | 1.194 | ||
CINEBENCH R11.5 | OpenGL | 15.5 | |
CPU | Multi | 2.75 | |
CPU | Single | 0.92 | |
CINEBENCH R10 | CPU | Multi | 10073 |
CPU | Single | 5560 | |
モンスターハンターフロンティア オンライン ベンチマークテスト | 1360×768ドット | 1966 | |
The Last Remnant | 1366×768ドット | 31.99 |
XPSブランドのノートPCは、なによりまず、デザインを重視した「かっこいい」ことを求めてきた。そして、その性能もハイエンドを目指し、その代わり、価格は高めに設定していた。しかし、XPSシリーズも価格競争力を意識したラインアップを用意し、XPS 14zでは最小構成で7万9880円、最上位のSSD搭載モデルでも12万9980円に抑えている。
ボディデザインもXPS 15zと共通ながら、コンパクトなボディに大きなディスプレイを搭載する。ボディサイズに比べて重さは“ディスプレイ相当”だが、屋内利用をメインとした若年層のメインPCなら問題ない。
見た目はXPS 15zの流れにあるが、そのボディにこめられたメッセージは分かりやすく、かつ、実利的だ。XPS 14zは“新しいXPSノートPC”の第1弾といってもいいほどの変化をユーザーにもたらしてくれるのではないだろうか。
→「XPS 14z」をデル公式サイトで購入する
インスピレーションを研ぎ澄ます、美しいデザインノート。価格は7万9980円(税込/11月15日現在)
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