「ぼくはMacBook、君は中華PC」──中国電脳教育の“格差”を知る:山谷剛史の「アジアン・アイティー」(2/2 ページ)
親の世代は「ビリッと来るから電気が苦手」という中国。しかし、現役学生の世代はPCが使えないと未来はない。その教育現場のPC事情はどうなっている?
若い親はPCメーカーで学校を選ぶ
小学生から大学生の親はPCやインターネットを利用したがらないハイテクが苦手な世代だ。ところが、幼稚園児の親はインターネットを利用してきた世代となり、所得の高い世帯であれば、積極的にPCやスマートフォン、タブレットデバイスを子供に触れさせる。
授業料が平均月収程度という富裕層向け幼稚園では、PCを常備するのは当たり前だ。それもPCの基本的な操作方法を教えるのではなく、PCで音楽をダウンロードして再生音楽したりアニメを見せたりしている。授業参観では、デコレーションされたiPhoneやiPadを取り出して授業そっちのけで遊ぶ親も出てきて、それをみて我慢できない子供たちも大人が遊ぶゲームを見はじめたり遊びはじめたりと、教室はカオスな状態となる。
学校も塾もITで親を呼び込み
この世代の親はITを利用した教育が好きなので、近年教育ビジネスの優良顧客として個人情報収集のターゲットとなっている。子供用教育ビジネスで代表的なものは、子供向けの英語学校やモラル教室などだ。新興住宅地を中心に教室を展開する各種学校は、PCやプロジェクタを導入して自分たちの特徴をアピールする。筆者が取材した英語学校チェーンでは、Flashを利用した“フリーの”英語学習Webサイトを壁一面に映して教えていた。
また、親の世代が自分のためにPCやスマートフォンなどを導入しており、これらを使って家庭でも無料教育ゲームを利用して、子供にゲーム感覚で勉強やしつけを教えている。子供向け学習ゲームは、Webサイトの数も内容も充実してきており、日本企業からもベネッセが“しまじろう”(中国語で巧虎)が登場するミニゲームを多数用意している。
「00後」と呼ばれる21世紀生まれのチャイナキッズは、それ以前の「80後」「90後」世代と異なり、子どものときからPCやスマートフォン、そして、インターネットサービスを利用している。彼らが大人になったとき、この世代のITリテラシーがそれ以前の世代と比べて、どれほどすごいことになっているのだろうか。
関連記事
- 「楽OS」搭載の「楽phone」を買ってしまった!
中国に本拠地をおくグローバルカンパニーのレノボは、独自開発の中国限定OSを搭載したスマートフォンを出荷している。いまいち分からんこのOS。その正体とは! - 中国版CESで“びっくり”家電に遭遇する
中国版CESだから「展示品は模倣品!」と考えるのは早計。 正式名称「China International Consumer Electronics Show」で中国家電の未来を知る! - 俺、大晦日なのに中国でパイオニアの液晶テレビを購入したんだ
中国の“ブラウン管”テレビが壊れたから、日本製大画面液晶テレビを買っちゃった! 有名な“パイオニア”の製品だよ。え? 私、何か変なこといった? - 中国をよく知る中国メーカーが作った電子ブックリーダーを買っちゃった
どうやら中国でも電子ブックリーダーが流行しているとのこと。「え、Kindle? iPad? それとも?」と思いきや、意外とまじめなブツらしい。コンテンツ以外は。 - 「中国炎上地図」まで掲載しちゃう“政府系”新聞サイト
国家主席直々の指導でネット世論の動静に敏感な中国当局。その分析に積極的な「人民日報」のWebページに「え、これ大丈夫?」な調査結果が公開されている。 - Twitterが使えない中国からフォローされたでござる、の巻
多くの中国人からほとばしる本能が“ある”日本人女優のTwitterを盛り上げている。あれ? 中国ってTwitter使えるんだっけ?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.