この消費電力でこの性能──エコなGPU「Radeon HD 7700」シリーズはどこまで走る?:イマドキのイタモノ(1/2 ページ)
“Graphices Next Core”を採用する新世代GPUシリーズは“Tahiti”“Pitcairn”“Cape Verde”が登場する予定。その“三男”となるCape Verdeの実力を知る!
Janiperを新アーキテクチャで置き換えるRadeon HD 7700
“次世代”GPUで先行するAMDから、Radeon HD 7700シリーズが発表された。これはAMDが示すロードマップにおける開発コード名「Cape Verde」に相当する。Radeon HD 7900シリーズとRadeon HD 7700シリーズの間に入る“Radeon HD 7800”シリーズとみられる「Pitcairn」はまだ発表されていないが、Pitcairnが登場する前に、購入しやすい価格帯になるであろうCape Verdeのパフォーマンスを確かめておこう。
Radeon HD 7700シリーズは、99〜199ドルの価格帯向けの製品だ。ロードマップで見ると、この下のクラスは、依然として「Northern Islands」ことRadeon HD 6000シリーズが継続する見込みなので、Radeon HD 7700シリーズが“Graphics Core Next”(GCN)を搭載する最廉価モデルとなる。
型番 | Radeon HD 7970 | Radeon HD 7950 | Radeon HD 6970 | Radeon HD 6950 | Radeon HD 7770 | Radeon HD 7750 |
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コードネーム | Tahiti | Tahiti | Cayman | Cayman | Cape Verde | Cape Verde |
SIMD | 32 | 28 | 24 | 22 | 10 | 8 |
ストリームプロセッサ数 | 2048 | 1792 | 1536 | 1408 | 640 | 512 |
テクスチャユニット | 128 | 112 | 96 | 88 | 40 | 32 |
ROPユニット | 32 | 32 | 32 | 32 | 16 | 16 |
GPUコアクロック | 925 | 800 | 880 | 800 | 1000 | 800 |
メモリクロック | 1375 | 1250 | 1375 | 1250 | 1125 | 1125 |
メモリタイプ | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 |
メモリ接続バス幅 | 384 | 384 | 256 | 256 | 128 | 128 |
メモリ容量 | 3072 | 3072 | 2048 | 2048 | 1024 | 1024 |
補助電源レイアウト | 8+6 | 6+6 | 8+6 | 6+6 | 6 | − |
DirectXサポート | 11.1 | 11.1 | 11 | 11 | 11.1 | 11.1 |
PCI Express | 3 | 3 | 2.1 | 2.1 | 3 | 3 |
プロセスルール | 28ナノメートル | 28ナノメートル | 40ナノメートル | 40ナノメートル | 28ナノメートル | 28ナノメートル |
Radeon HD 7700シリーズは、Radeon HD 7900シリーズ同様GCNアーキテクチャのコアを採用しており、28ナノメートルプロセスルールで製造され、PCI Express 3.0やDirectX 11.1、ZeroCore Power Technologyなどサポートする機能もRadeon HD 7900シリーズと同等となる。このクラスの従来モデルはRadeon HD 6770となるが、これはRadeon HD 5770のリネームだったため、久しぶりに新しいGPUが登場したことになる。
現時点で、Radeon HD 7700シリーズのラインアップは2モデル用意している。上位モデルがRadeon HD 7770で、下位モデルがRadeon HD 7750だ。ストリームプロセッサ数は、Radeon HD 7770が640基でRadeon HD 7750が512基。GCNは64基単位なので、それぞれ10ユニットと8ユニットとなる。これは、上位モデルのRadeon HD 7970の3分の1に相当する。なお、アーキテクチャが違うものの、Radeon HD 6770はSIMDエンジンが800基だったので、これより少ないことになる。コアクロックは、Radeon HD 7770のリファレンス設定でも1GHzに達した。Intel HD Graphics 3000のコアクロックが一部のノートPCで1GHzを上回っているが、ディスクリートGPUとしては初めてになる。一方、Radeon HD 7750は800MHzにとどまる。
テクスチャユニットやROPユニットも、Radeon HD 7970から大きく減らされているが、それでも数だけ見ればRadeon HD 7770とRadeon HD 6770は同じだ。グラフィックスメモリは引き続きGDDR5メモリを用いており、バス幅は128ビットで接続でする。ただし、メモリクロックは1125MHz、転送レートは4.5Gbps相当と、Radeon HD 6770よりも低く、帯域幅もRadeon HD 6770の76.8Gバイト/秒に対しRadeon HD 7770は72Gバイト/秒と減った。
消費電力に関しては、Radeon HD 6770からさらに引き下げられた。Radeon HD 7770は最大80ワット、Radeon HD 7750は最大55ワットとされている。Radeon HD 6770と比べてRadeon HD 7770は28ワットの削減、Radeon HD 7750は半分に近い。補助電源コネクタは、Radeon HD 7770で1基用意するが、Radeon HD 7750にいたっては補助電源コネクタを持たない。
外部補助電源コネクタが6ピン1基に
Radeon HD 7770を搭載するリファレンスデザインのグラフィックスカードは、長さがRadeon HD 6770などと同様、短くコンパクトだ。搭載するクーラーユニットは2スロットサイズで、映像出力インタフェースもRadeon HD 7900シリーズのリファレンスデザインで用意するDVI、HDMI、2基のmini DisplayPortを1列に並べたレイアウトだ。CrossFireX用のエッジコネクタも1つ備える。
Radeon HD 7750を搭載するリファレンスデザインのグラフィックスカードは、1スロットサイズのクーラーユニットを搭載する。カードの長さはRadeon HD 7770搭載リファレンスからさらに短い。同じ“Cape Verde”を搭載しているとは思えないサイズの違いだ。補助電源コネクタもないことから、組み込めるPCケースや電源ユニットは幅広いと考えられる。なお、Radeon HD 7750路ファレンスデザインではCrossFireX用のエッジコネクタを用意しない。
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