「折りたたみタイプの最上位モデル」は本当か?――最新ポメラ「DM25」を試す:発売直前レビュー(3/3 ページ)
ストレートタイプの「DM100」で「折りたたみをやめたのか」と物議をかもしたポメラだが、この最新モデル「DM25」で再び折りたたみに回帰した。実際のところ、どうなの?
スペックから見るDM25
前述したようにmicroSD/microSDHCカードスロットは、SD/SDHCカードスロットに変更されている。最近はmicroSDHCカードの容量/転送速度ともSDHCカードに追いついたこともあって、“小は大を兼ねる”ごとく新たに購入するのであればmicroSDHCカードを選択するユーザーは増えてきているのではないだろうか。その分、小容量のSDメモリーカードが余ってしまっているというユーザーも多いだろう。テキストオンリーのポメラであれば十分なはずだ。
もっとも、本体メモリが(システム領域含めてではあるが)105メガバイトあるため、これをテキストだけで埋めることを考えると本体だけでも十分かもしれない。ただし、総容量以外に1フォルダあたりのフォルダ/ファイル数が1000まで、フォルダは5階層までという制限もある。
本体メモリはDM20では約2800万文字、1ファイルあたり約2万8000文字だったのに対し、DM25ではシステム領域含め105Mバイト、1ファイルあたり約3万文字と若干増加している。1ファイルの制限が6万バイトと半端な数値なので、作業用メモリ分のマージンを人為的に設定しているのかもしれない。
「折りたたみタイプの最上位」に偽りはないものの……
DM25はDM20のマイナーバージョンアップという印象だ。低価格化を進めるとともにDM100から折りたたみモデルに導入可能な機能を追加している。そのためDM20からの変化はあるものの、DM100からの大きな機能変化というものは見受けられない。
本体メモリについては、(単位が異なるために単純比較はできないものの)仮に全角1文字2バイト換算とすると、1ファイルあたりの文字数で約7パーセントの増加に過ぎない。そもそもポメラは電子メモ帳という位置づけであり、初期モデルから一貫してスクロールバーがないなど、長文を書くにはあまり向いていない。そのため、1ファイルの文字数制限、本体メモリのファイル数制限が大きく改善したDM20以降では、その違いは大きなものではない。
DM20の価格が3万4650円であったのに対して、DM25は2万9400円と5000円ほど下がっている。が、正直なところ、DM20から買い換えるまでのインパクトはない。DM10/DM5のユーザーであれば、ディスプレイの大型化や、メモリの大容量化といったメリットがあるため、買い換えの選択肢としては十分考えられるものの、現在のDM20の実売価格は1万3000円程度にまで下がっており、その差額をどう見るかは微妙なところだ。
スペック・機能面から見ればDM100だが、DM100はストレートモデルであるうえにBluetoothキーボード機能や電子辞書機能、制限の多いCSVモードなど、“邪道”と見る向きも少なくない。やはり「折りたたみモデルこそがポメラ」と考える人は、量販店などでぜひサンプルを手に取ってみてほしい。手になじむことこそがデジタルメモ帳なるポメラの真骨頂でもあるのだから。
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これはひょっとしてすごい製品が登場したのではないか? その第一印象は実際にポメラを使ってみてどのように変化していくのか。とりあえず今現在、筆者が利用しているシステム手帳よりも、ポメラのほうが軽いのだ。
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