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お手軽サイズでもプロ仕様!! 「Cintiq 13HD」で描いてみたよ漫画家も欲しがる液晶ペンタブ(2/2 ページ)

コンパクトなボディにプロ向けツールとしての性能をギュッと詰め込んだ液晶ペンタブレット「Cintiq 13HD」。液晶画面の解像度も従来モデルからグッと増え、紙のような使い心地をより高いレベルで実現している。

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タッチホイールが無くなったのは残念だが……

携帯利用時に便利なペンケースを付属。ペンのほか、替え芯(標準芯5本、ストローク芯1本、フェルト芯3本)とカラーペンリング、芯抜きを収納できる

 ペンは現行のIntuosシリーズと同じ最大2048レベルの筆圧に対応していて、これまで通りのなめらかな描き心地だった。マットタイプのオーバーレイシートを使っている最近のIntuosに比べると、若干だがペンが滑りやすい。気になる人はハードフェルト芯を使うなどしてペンの抵抗感を高めるといいだろう。

 なお、新モデルはペンの形状がこれまでと微妙に変わっているが、過去に購入したIntuos 4/5向けグリップペンを試してみると互換性があった。ただ、Intuos 4に付属していたペンを使おうとしたところ、「互換性がない」というメッセージが。同じ筆圧2048レベル対応ペンでも、古いタイプだと使えないのかもしれない。

 ペン入力機能にはおおむね満足なのだが、操作性の面ではタッチホイールが省略されてしまったのがちょっと不便だった。Intuos 4から採用されているタッチホイールは、ホイールを指でなでるとブラシサイズや拡大縮小を簡単に調節できる機能で、筆者は非常に重宝していた(Intuos 3でもトラックパッドで同じようなことができた)。ブラシサイズは絵を描くうえでよく変更するものなだけに、いつもの操作方法が使えないのにヤキモキしてしまう。

4つのファンクションキー、5つのリングキーをそなえ、それぞれにキーストロークなどの機能を割り振れる

 ペン入力以外の操作はキーボードショートカットで済ませている人も多いと聞くので、タッチホイールはマストな機能ではない。ただ、割と愛用者も多いように思うので、復活を期待したいところだ。

 最後に、本体の発熱がよく抑えられていて好印象だったので紹介したい。3時間ほど休みなく使ってみたが、本体の熱を意識することはほとんどなかった。ひざの上で使っていると本体の背面側がほんのり暖かくなるが、その程度なら許容範囲。「夏にエアコンなし」みたいな状況でない限り、熱や汗の対策は必要ないだろう。


 最近は安価な筆圧対応Windowsタブレット機が登場しはじめ、液晶ペンタブレットを取り巻く状況も変わりつつある。しかし、これらの製品をイラストや漫画に活用するには、対応ソフトの少なさといった課題があるのも確かだ。真剣にデジタルイラストや漫画に打ち込みたいのなら、やはり「ペンの使い勝手」を第一に考えた専用ペンタブレットの導入が安心だろう。そうした意味で、Cintiq 13HDは、小さなボディにプロが求める品質をギュッと詰めた、魅力的な液晶ペンタブレットだと感じた。

山田胡瓜氏の最新作「バイナリ畑でつかまえて」の制作風景

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