Windows 8.1「Update 1」はどうなる? アップデート内容を一部公開:Mobile World Congress 2014
Microsoftは、スペイン・バルセロナで開催されるワイヤレス業界の大型展示会「Mobile World Congress 2014」の開催日前日記者会見で、最新Windows戦略/Windows 8.1 アップデート内容の一部を説明した。
MWC 2014で示した「Windows 8.1 Update 1」の方向性 春過ぎ提供予定
米MicrosoftはMWC開催前日となる2月23日(現地時間)、スペイン・バルセロナ市内のホテルで、同社の最新Windows戦略について説明する記者会見を実施した。同社にとっては実に2年ぶりのMWCでの発表会となり、2年前の2012年はWindows 8 Consumer Previewの発表会であったことを考えれば、Windows Phoneを含めたデバイス戦略全体の話として3年ぶりの場ということになる。
Windows Phone製品の責任者であり、2014年2月現在は組織変更で米MicrosoftのOS担当バイスプレジデントになったジョー・ベルフィオレ(Joe Belfiore)氏は、MWCでのイベントはひさびさという点に触れつつ、まずは間もなく提供が開始されるWindows 8.1向けの最新アップデートに関する情報を紹介した。
過去のリポートで紹介したように、Windows 8.1の「Update 1」と呼ばれる最新アップデートの内容はほぼリーク情報に沿ったものになっていた(ただ、今回のイベントでMicrosoftは一度もこのアップデートの名称を「Update 1」とは呼んでいない)。2014年春過ぎに公開予定とする最新アップデートの特徴として「非タッチUIでの操作性を向上」「ハードウェア要件の緩和」「企業や教育現場での既存システムとの互換性強化」の3つを挙げている。
機能面としては、まずよく使う機能(検索や電源ボタンなど)をスタート画面上に出し、チャームメニューを経過せずとも直接アクセスできるようにするよう改良する。以前、終了方法については「Windows 8.1の簡単シャットダウン編」としてTipsとして紹介したが、そんなことを工夫せずスタート画面からの直接シャットダウンできるのは素直に便利な変更と思われる。
またマウス・キーボードで操作する従来のユーザーのため、現在はスタート画面の右クリックで開くコンテキストメニューをすぐその場で表示したり、アプリの直接終了が簡単に行えるようになるなどの機能変更も行われる。マウスカーソルを上下端に合わせて出現するタスクバーを使い、アプリの切り替えや起動できる方法もその一環だ。Microsoftは、Modern UIを変わらずプッシュしながらもデスクトップUI環境での使い勝手を大きく変更してくるあたり、ユーザーの需要が引き続きデスクトップUIが根強いことをMicrosoftがしっかり認識し、改善する方針を持っているあかしだと考えている。
ハードウェア要件の面では、Windowsマシンは「1Gバイトメモリ/16Gバイトストレージの仕様」と、最低動作要件が下げられた。これにより安価志向なハードウェアへのWindows 8.1プリインストールが可能になる。メモリ容量はともかく、現状のWindows 8.1では、16Gバイトだとほぼ最初からシステムに占められることになるのだが、このあたりをどう工夫しているのかについてはとても気になるところだ(ストレージ領域はOneDriveでカバーしてしまう考え方もあろう)。また、動作要件を引き下げたことで仮想マシンなどへの導入も容易になると思われる。Windows XPのサポートが終了する時期にこうしたフットプリントの小さい新OS仕様が発表されるのは興味深い。
このほか、Internet Explrer 11には「Internet Explorer 8の互換性モード」が追加される。これにより、IEの旧バージョンでのみ動作を保証する(あるいはそのバージョンでしか動作しない)ブラウザベースの社内業務システムなども、Windows 8.1で親和性を高められるとアピールする。IEのバージョン依存についてはXPサポート終了にも関連する企業の課題の1つとして上がる案件のため、こういった施策は新バージョンへの移行を容易にする架け橋になる。対応ハードウェア拡大で、こうしたWindows XP時代から脈々と受け継がれてきた資産の受け皿を用意することが「Update 1」の狙いといえるかもしれない。
関連記事
- Mobile World Congress 2014:MWC2014開幕前前日リポート──注目の予定をまとめてみる
先陣を切るMicrosoft、2014 CESで予告したソニーモバイル、“5”に注目のサムスン電子、じわじわとくるIntel、そして、基調講演にザッカーバーグ氏。 - Mobile World Conference 2012:「Windows 8 Consumer Preview」で“ここ”が変わった!
これまでWindows 8を体験できた“Developer Preview”に代わって、一般ユーザーを想定した“Consumer Preview”が登場。その“改善点”を確認する。 - 2014年のWindowsを時系列で整理する──9? 次期Windowsの名称は何になるのか
前回は2014 International CESより少し見えてきた2014年のPC業界のトレンドについて触れたが、今回は本来のテーマであるWindowsに話を戻そう。2014年に Windowsならびに周辺のMicrosoftエコシステムがどうなっていくのかを確認する。 - 知っているとちょっとだけ便利、Windows 8.1 使いこなしTips──「簡単シャットダウン」編
知らなくても問題なく使えるが、知っているとちょっとだけ便利。Windows 8.1が発売されて以降、これまで連載の中で紹介し損なっていたTipsをいくつかまとめて紹介する。今回は「OS一発シャットダウン」のTipsを。 - 次期Windowsは2015年春登場? 開発コード名「Threshold」とは
Windows 8.1の“次”のウワサが、もうちらほらと聞こえてきた。開発コード名“Threshold”は何を示すものなのか、さらにWindows Phone 8.1はどうなるのか、現時点話題になっている情報をまとめた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.