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一般提供前日にアピールする「8.1 Update」のいいところスタート画面とデスクトップ画面の垣根を取り除く

日本マイクロソフトが4月8日に、Windows 8.1 Updateの概要を紹介する説明会を行った。日本では、9日朝からWindows Updateからの提供が始まる予定だ。

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Windows販売の好調は駆け込み需要だけじゃない

 日本マイクロソフトは、4月8日にWindowsビジネスの最新状況の説明と、日本時間4月9日からWindows Updateとダウンロードセンターで提供が始まるWindows 8.1 Updateのメリットを紹介する説明会を行った。日本マイクロソフトによると、Windows 8.1 Updateは、Windows 8.1向けもWindows 8向けも無償で、MSDN/TechNet経由のダウンロードはすでに4月3日から行っているが、Windows Update/ダウンロードセンターからの提供は日本時間の4月9日から開始する。ただし、日本のユーザーがダウンロードができるようになるのは、9日の朝あたりからと日本マイクロソフトでは予測している。

Windows 8.1 Updateの配布方法。実際のダウンロード開始は9日の朝からの可能が高いと日本マイクロソフトではみている

日本マイクロソフト執行役常務コンシューマー&パートナーグループ担当の香山春明氏

 日本マイクロソフト執行役常務コンシューマー&パートナーグループ担当の香山春明氏は、日本におけるWindows OSビジネスの最新状況を説明した。法人向けWindows OSを導入した法人向けPCの販売は好調で、特に2013年7月から連続して二ケタ成長を続けているという。また、個人向け市場でも、2014年の年明けから出荷台数を増やしており、2014年3月では2013年同月の倍近い出荷台数となった。

 香山氏は、この理由についてWindows XPのサポート終了や消費税アップの駆け込み需要の影響もあるとした上で、コンシューマー市場では(AndroidやiOSなどの)選択肢が多い中で、予想以上に新しいWindows 8.1への移行が進んでいると評価している。「ユーザーのWindowsに対する価値が見直されている」(香山氏)

 Windows 8世代のOSを導入したPCの販売台数が伸びたおかげで、日本国内におけるWindows XP導入PCは10%を切っている。最新の調査によると、2014年3月までにコンシューマー市場で8.7%、法人市場では6.6%まで下がった。

 さらに、新しい世代のWindowsに移行する動きは、Windowsを導入するタブレットにも恩恵を与えている。特に、2013年10月にWindows 8.1と8型ディスプレイを採用したタブレットが登場して一気に加速したという。Microsoftの調査によると、2013年9月から12月の期間と2014年1月から3月の期間で比較すると、競合タブレットの出荷台数はほぼ横ばいに対して、Windows導入タブレットは倍近くも増えたと香山氏は説明した。「(タブレットにおけるWindowsのシェアを)2014年中に33%にするという目標は実現可能と考えている」(香山氏)

Windows XP導入PCの割合は日本マイクロソフトが目標と掲げていた10%を切った(写真=左)。Windows 8/8.1を導入するタブレットのシェアも、特に8型ディスプレイ搭載モデルが登場してから向上している(写真=右)

このUpdateはWindows再構築とマウスキーボードとの融合

日本マイクロソフト 業務執行役員Windows 本部 本部長の藤本恭史氏

 日本マイクロソフト 業務執行役員Windows 本部 本部長の藤本恭史氏は、Windows OSラインアップにおけるWindows 8.1 Updateの位置づけと、機能的な特徴を紹介した。Windows 8.1 Updateの位置づけについては、従来のバージョンを使っているユーザーに対して高い互換性を保証するとともに、Windows 8から導入した新しい操作体系も提供するアップデートとし、Windows 8.1からわずか半年で登場した理由についても、Microsoftが取り入れたラピットリリースという考えに基づくもので、ユーザーのフィードバックをいち早く取り入れて改良し、そして、素早く提供することが目的と説明した。

 藤本氏は、Windows 8が新しいユーザーインタフェースを創造することでWindowsの再構築を果たすものであったのに対し、Windows 8.1は、タブレットでも、そして、従来のキーボードとマウスで使うPCでも使いやすいようにバージョンアップしたものと述べ、Windows 8.1 Updateでもユーザーのフィードバックをもとに、マウスとキーボードで使うPCでWindows 8で提案した新しい使い方を利用できるようするとアピールした。」

 次いで藤本氏は、Windows 8.1 Updateで導入した改良点を紹介した。マウスとキーボードでも使いやすいWindows 8を追求し、低価格PCでも快適に動作するとともに最新のプラットフォームもサポート、また、特に企業ユーザーで重要になる過去のInternet Explorerとの互換性を向上させている。

 マウスとキーボードでも使いやすくするためにスタート画面の構成を見直し、従来からあるマウス用ユーザーインタフェースを取り入れたほか、Windowsストアアプリでは、最小化ボタンとマウス操作、そして、タスクバー対応を継承し、デスクトップ画面からWindows ストアアプリを使いやすくした。「Windows 8.1 Updateはスタート画面とデスクトップ画面の垣根を取り除くアップデートだ」(藤本氏)

Windows 8.1 Updateの重要改善項目(写真=左)。スタート画面で右クリックによるコンテキストメニューを使えるようにしたり(写真=中央)、デスクトップ画面のタスクバーからWindowsストアアプリにアクセスできたりと(写真=右)と、マウスとキーボードでの操作でも使いやすくなっている

スタート画面から電源操作がマウスでできるようになった(写真=左)。また、Internet Explorer 11では、企業ユーザーで需要が多い、過去のバージョンとして動作する機能として「エンタープライズモード」を用意した。説明会では、このモードを有効にして最新バージョンでないと表示できないWebページ(写真=中央)が動作しない“不具合”から(写真=右)エンタープライズモードの挙動を説明している

さらに、Xbox Musicで購入したコンテンツを(写真=左)スタート画面にピン止めする機能も導入する(写真=中央)。なお、Xboxでは、Sony Musicやvap、ポニーキャニオンなどのコンテンツを取り扱う

 なお、現在まだ稼働しているWindows XP導入PCの台数について、2014年6月末までに592万台というIDCの予想値を示し、このユーザーに向けては、これまと同様にリスク的な啓蒙を行っていくとしている。また、「Windows 8は(時代より)先に進みすぎていたのか」という質問には、Windows 8で大きく操作体系を変えたが、デバイスの動向やハードウェアの進化を考えると、マウスとキーボードとの融合を進めるのが望ましいと考えて、Windows 8.1 Updateに反映したと説明している。

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